日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

旅 トルコ(2) アジアとヨーロッパの架け橋

2006-10-30 21:13:15 | 旅 トルコ

イスタンブールは黒海とマルマラ海を結ぶボスポラス海峡によってアジアとヨーロッパに分かれる。この都市はアジアとヨーロッパの架け橋なのだ。
そしてヨーロッパ側には、オリエント急行の終着駅スイシエル駅やトプカピ宮殿、イエニ・ジャーミイ、ブルーモスク、ギリシャ正教の総本山からイスラム寺院に姿
を変えたアナソフィア、その周辺に生まれたバザールなどが密集した観光客で溢れる旧市街と、僕の泊まったペラパレスホテルのあるビジネスの中心地でおしゃれな今風のショップの並ぶ新市街とは、ボスポラス海峡の入り込んだ金角湾で二分され、アタテユルク橋とトラム(路面電車)に乗ったり歩いて何度も渡ったガラタ橋で結ばれている。

そしてそのいずれもが魅力的だ。
旧市街のガラタ橋の辺りを、フィッシャーマンズワーフといって良いかもしれない。フェリーの発着場が幾つもあり、屋台が出て人が溢れ、振り返ると大きなジャーミー(モスク)が幾つも見える。
金角湾の向かい側は小高い丘の中腹にガラタ塔が屹立して新市街のランドマークになっている。
この街イスタンブールは、西欧の優越感を現すオリエンタリズムを感じさせない。土地に根付いたイスラム文化に溢れているからだ。街が生きている。

トルコへ行こうと思い立ったのは、DOCOMOMOの世界会議がイスタンブールと首都アンカラで行われたからだ。
DOCOMOMO Japanが2008年度の大会誘致の立候補を決め、鈴木博之代表によってプロポーザルをすることになった時、この国際会議に僕の好奇心が張り付いた。英語が駄目なのに。会議は英語で行われるのだ。
でもふと大会に参加しようかと思った途端、なんとなく怪しげなイスタンブールに行きたくなってしまった。カッパドギアにも。
「好奇心」これなくして吾が人生なし。どこかで聞いたような文言だが僕の場合はそれに野次馬根性がくっついてくる。ちょっと軽薄な、刹那的ではあるのだけれど。

ペラパレスでバイキング式の朝食を食べ、ヨーグルトが美味いねえと言いながらコーヒーを飲んだら、ではと皆いなくなってしまった。
渡邊さんと山名さんは一足先に会議の行われるアンカラに行くと言う。篠田夫妻はホテルを替えるのでと、夕食を一緒に食べることにしたらあっという間に消えた。

<写真 金角湾から望む新市街 中央にガラタ塔>