日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

写真家中川道夫と 横浜の隠れた歴史撮り歩き:6月18日(土)

2016-05-31 11:38:48 | 写真
JIA(日本建築家協会)関東甲信越支部の「建築家写真倶楽部」を、僕の後を引き継いでくれた建築家藤本幸充さんの初仕事を案内します。

中川道夫さんは、60年代末に生じた写真思潮[PROVOKE]に森山大道などと共に関わった中平卓馬のアシスタントとして卓馬を支え、「上海紀聞」や「アレキサンドリアの風」などを写文によって世に問い、独自のスタンスで写真に挑んでいる写真家です。
普段はちょっと歩き難い処をカメラを携えて巡りながら、写真談義を取り交わしたいものです。
是非ご参加ください!

―JIA建築家写真倶楽部主催―
申し込み・問い合わせ先― 鎌倉設計工房(担当:藤本)
FAX:045-316-1453 
集合:6月18日(土)13:00 JR桜木町南改札口

沖縄へ(7) 白亜の緑ヶ丘公園前トイレ

2016-05-21 18:49:51 | 沖縄考
国際通りからふいと車が横道に入った。
左手に緑に満ちたこんもりと盛り上がった公園前の道路に沿って、白い彫刻とも建築ともいえない建造物が建っている。この通りはニューパラダイス通り、ロマンに満ちたネーミングだ。

ベンチを組み込んだ休憩スペースとトイレとのコラボ。日本トイレ協会の主催による昨2015年11月に開かれたトイレシンポジウムで紹介され、「那覇市緑ヶ丘公園エントランススペース意匠選定設計競技で」選ばれて構築されたとのことだ。

設計者は、国建に所属する若手建築家の二人、案内してくれた根路銘さんも若い建築家が育つことに笑みを浮かべる。

星薬科大学でのDOCOMOMO Japanの総会

2016-05-15 23:20:28 | 建築・風景
昨5月14日(土)、星薬科大学のディスカションルームで開催された、今年度のDOCOMOMO Japanの総会に参加した。数年前に幹事長役を渡邉研司東海大学教授に引き受けてもらい、DOCOMOMO Japan創設や発展に寄与して抱いた阪田誠造氏、亡くなられた林昌二氏などに続いて、その折名誉会員に推挙されたが久し振りに会う若きメンバーがそれなりの役割を担っていることにホッとしたり、心強く思ったりもしたものだ。

この校舎は、1924年(大正10年)若き日のアントニン・レーモンドの設計によって建てられた。
レーモンドを伴なって帝国ホテルの設計のために来日したF・Lライトやキュビズムの影響が見てとれ、日本の建築の軌跡・変遷を考える上でも貴重な建築であるとして、昨年、DOCOMOMO Japanの選定建築として選定された。数年ぶりに訪れて改めて感じたことは、レーモンドにこの建築の設計をさせたこの学校の創設者星一(ほしはじめ)の存在を抜きにしては、この建築を語ることはできないと言うことだった。

中原街道からの、見事な銀杏並木を通り抜けると、訪れた僕たちや学生達を迎えてくれる本館の前に設置されているこの学校の創設者`星一(はじめ)の銅像の、右手の遥かな先を、微かに微笑んで見遣るその姿に、その想いが込められているのだと感じ散れる。

一昔前になるが、レーモンド事務所のOBから声がかかり、2度ほどこの建築を見学させて戴き、写真を撮らせてもらったことがある。久し振りに訪れたが、時代に即してエレベーターが設置されたものの、階段のないこの建築のスロープを含めて、この本館のすべてが見事に手入れされていて、建てられてから92年を経たとは思えない。

要は外観を半円球とした鉄骨造による大講堂。植栽を取り込んだステンドグラスからの採光が味わい深いが、当初のものではなくて、薬草をモチーフにして後年取り付けたとの事で、さもありなんとも思ったものだ。

久し振りに臨んだ総会で報告されたDOCOMOMO Japanの活動報告を聞き、参加したメンバーを見て世代が変わっていくことを実感したが、台湾やマカオのDOCOMOMOへの加盟に尽力をするなど、本部からの要請があって各国のモダニズム建築20選の選定を日本からもと要請されて組織化し、ブラジリアの大会でアジアでは初の加盟をした国際組織の中で、僕たちのJapanが、益々様々な役割を果たしてるようで、心強い。

2015年アカデミー作品賞・脚本賞「スポットライト」を観て!

2016-05-08 20:55:00 | 文化考

この連休の初めに、来宅した娘と共に、`世紀のスクープ`と副題のある映画「スポットライト」を観て衝撃を受けた。

カタログにはこうある。「The true story behind the scandal・・・」。ボストン グローブ紙の記者たちが、巨大権力の"大罪・スキャンダル"を暴いた衝撃の実話!と副題的に記載されている。
巨大権力とはローマ教皇が束ね統治する聖域バチカンとリンクしている神父連のことで、ボストンのカトリック教会での幼児虐待を捉えた実話に基づいているとある。
一週間を経てこの映画を想い起こしながら一言だけでも書いておこうと思った。

ボストンの、妻帯しない男の(性の)世界、つまりこの映画で捉えられた人の日常生活に深く根付いている宗教の秘めたる世界の一側面、とも言い難いのは、このカタログには《スポットライト》報道後調査した、この神父達による児童への性的虐待が判明した全米の都市や、各国とその地域名のリスト207箇所名が記載されていることだ。
その数には溜息が出るが、同時にJapanの名がないのにホッとした。

ところでこの映画の画面を思い起こしながら頷いたのは、15年前になる2001年9月11日に勃発した同時多発テロ「9.11」、ニュヨークのWTCビルの倒壊の映像が一瞬とは言え映し出されたことだ。そしてこの時代の出来事なのだと得心する。
更に終演後に映し出されるキャスト共に、この映画の舞台となった教会の司教が、バチカンに招聘されたとの一言が映し出されることに、ある意味やるせない映画の製作者の心根が感じ取れた。

このカタログには、この映画放映後のエピソードも紹介されていて、様々なことを考えさせられた。
例えば、全米各地で教会が賠償金で破綻」「ついにローマ教皇が辞任」などの小見出しのある報告文と、「タブーに切り込む記者たちの背中を押すもの」と題した一文などに、映画に捕らえられた関係者とその世界、その後の宗教界の様相もうかがえて、思わず考え込んでしまった。

更に想い起こされるのは、俳優連の演じる記者連、志は強くても、同僚の考えをしっかりと受け止めるそのスタンスやその振る舞いにも心打たれた。
俳優の余りにもと言いたくなる記者の日常を演じるその演技が旨いからなのだろうか!

<カタログの表紙を表示したいと思ったが、掲載禁止との記載があるので断念、文章だけとする>

沖縄へ(6) 和やかな日差しの中の奥竹島のハーリー

2016-05-07 14:36:37 | 沖縄考
小学生時代を過ごした熊本県天草郡下田村北(現・天草市下田)の天草灘に注がれる下津深江川の河口で、かつて毎年行われていた、部落対抗戦で沸き立つ「ぺーロン」の様子が、蘇ってきた。
南城市の海沿いを走ると現れる奥竹島。150メートルほどの短い橋を渡ると、簡単な屋根をかけた船置き場が現れ、そこに「ハーリー」が置かれていたからだ。

下田でも、長崎でも「ぺーロン」と呼称されているが、此処沖縄では「ハーリー」である。
此処でのハーリーは、例年旧暦の5月4日に行われるとのことだが、今年は6月4日(水)、豊魚や航海の無事を祈願する海神祭として根付いていて、海人(うみんちゅ)の島の伝統に思いを馳せた。

ところでこの島の名物は「てんぷら」である。てんぷら店が軒を並べ、大樹の木陰では、家族連れの人たちが、旨そうにウースターソースをかけた`てんぷら`を頬張っている。衣が厚くてもちもち、がイメージコトバ。`おやつ`なのだそうだ。
春の日の中の「ハナリ奥竹」離れ島奥竹の一齣だった。

夢を育む`ISLAY STORM`

2016-05-04 20:49:50 | 愛しいもの

この休日、スコットランド・マイラ島のシングルモルト・スコッチ ウイスキイ「アイラ島の嵐:」を愛飲している。 一頃、`ラフロイグ`や`ボウモア`にぞっこんになっていて、味わいの違うこの二つのボトルを欠かしたことはなかったが、何せ今の僕には少々高価になってちょっとつらくなっていた。
そこで探し出したのが`アイラ島の嵐`「ISLAY STORM」(40%VoL)である。

嵐の荒海を波を蹴立てて乗り切るヨットのイラストに惹かれたということでも在ったが、そのイメージが膨らんできて、それだけでも遥かなるアイレイ、マイラ島への想いが膨らんでくる。
スコットランド、イングランド、ウエールズ、アイルランドの様々な課題に満ちたこの連合王国の様に好奇心が刺激されるが、とは言え、その様相について一概には述べにくいし、ここでは敢えて述べることでもないだろう。

口に合う、味わい深く、ロマンに満ちて!とだけこのISLAYを、ボソボソと述べておく。ウイィ!