初蜻蛉(はつとんぼ)
こういうのはどうだろう。
`初蜻蛉わが先にとびゆきまた還る`
自宅を出て駅に向かう通路で、今年初めての蜻蛉(トンボ)に出会う。昨夜は小雨が降り窓を閉めて寝たが、真夜中、ふと目が覚めてほんの少し開けてみた。涼しい風が通り抜け閉めるのもおっくうで毛布をかぶって寝る羽目になった。蜻蛉に出会う寸前、たわわに花をつけた百日紅(サルスベリ)が、くぐろうとした僕の顔にしたたかに雨粒をこすり付ける。気が付くと新宿超高層の街路のケヤキ並木が色づき始めている。それでも西口中央公園では蝉が声を振り絞って鳴き続けている。蝉殻が小枝に幾つもへばりついているし、歩道には時折ひっくり返った蝉が落ちている。こんなところにいると踏んづけられちゃうよ!とおもって草むらにそっと横たえる。秋が忍び寄ってきたのだ。僕の好きな、好きなはずの秋が・・・
こういうのはどうだろう。
`初蜻蛉わが先にとびゆきまた還る`
自宅を出て駅に向かう通路で、今年初めての蜻蛉(トンボ)に出会う。昨夜は小雨が降り窓を閉めて寝たが、真夜中、ふと目が覚めてほんの少し開けてみた。涼しい風が通り抜け閉めるのもおっくうで毛布をかぶって寝る羽目になった。蜻蛉に出会う寸前、たわわに花をつけた百日紅(サルスベリ)が、くぐろうとした僕の顔にしたたかに雨粒をこすり付ける。気が付くと新宿超高層の街路のケヤキ並木が色づき始めている。それでも西口中央公園では蝉が声を振り絞って鳴き続けている。蝉殻が小枝に幾つもへばりついているし、歩道には時折ひっくり返った蝉が落ちている。こんなところにいると踏んづけられちゃうよ!とおもって草むらにそっと横たえる。秋が忍び寄ってきたのだ。僕の好きな、好きなはずの秋が・・・