日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

晩秋の北海道で(2) 八重山から市内を巡って`真駒内滝野玲霊園`へ

2017-11-30 12:12:50 | 自然

前項に記した「札幌市大」での学部生と羽深研院生への講義を足掛かりにしての訪札。これを期に、札幌在住の女性建築家へのヒヤリングと共に、嘗(かつ)て訪れたことがあるものの、時を経て予てから気になっていた「八重山」の風情や、モエレ公園`イサムノグチ`の帰し越し方を改めて味わいたいと想っていた。

 更に、市内を巡った後の、安藤忠雄の設計による`真駒内滝野玲霊園`の大仏殿。上部左手の突起は、大仏の頭。案内してくれる盟友MOROさんの車で、四方山話をしながらの(言わば)建築ツアー。そして陽が落ちる頃、小樽の「プレスカフェへ」。至福の一日を味わう。

<追記:この一稿、UPしたばかりなのに追記とは思うものの、北海道は雪模様で、上記写真の風情を味わうのは、春が来てからということになる。帰郷してから半月しか経っていないのに、世は変わる!などと記しておきたくなった。次の訪札、おそらく1年先、間が長いなあと、ちょっぴり息をつく。溜息である!>

 ―写真は本文と繋がらないこともありますが、一連の稿の一つとしてご覧ください―


晩秋の北海道で(1)札幌市立大学での講義

2017-11-23 17:59:07 | 建築・風景

此の秋の訪札、例年の札幌市立大学の羽深久夫教授研究室の院生への講義・建築談話に併せて、午前中に組まれている羽深教授の学部生(2年生)への講義の時間も拝借して、学生と建築を語り合いたいと思い立った。 

教材として、例年使っている鎌倉の近代美術館で収録した故鈴木博之東大教授とやり取りした建築談話「日本のモダン建築100選:20世紀の文化遺産」をまず観てもらう。このDVDは2004年の収録、時を経たので大丈夫かと改めて検索してみたが、建築の抱える問題・僕達が常に考察しなくてはいけないテーマの原点が此処にあるような気がし、羽深教授の同意を得て今年もまた、と言うことになった。 

しかし学部生の反応はいまいち。取りあげた建築と登場いただいている建築家が(その時代を率いてきたとは言え故人)東京に在住、そしてその近郊に建てた建築、東孝光の自邸「塔の家」や銀座の「三愛ドリームセンター」などなど。そして旧吉田五十八邸。その全てに建てた建築家の想いと時代が内在しているのだが!とは言え、学部生は自身の持っている課題とはつながらないのかもしれない。しかし院生とのやり取りは、彼ら自身が取り組んでいる課題にも関わっているようで、彼らとのやり取りは興味深いものになった。院生の論文が纏まったら送付してくれることになった。 

 写真ー札幌市大の渡り廊下


札幌へ飛び、秋の・初冬の光景を味わい 建築を!

2017-11-09 13:12:19 | 小、中、高、大という時

明後日(11月11日)、北海道へ飛ぶ。秋の深くなった千歳・札幌・小樽の様相を味わってくる。(ところで、住まいのある海老名市、事務所のある東京新宿では、木々の葉っぱがやっと色付いてきたが、既に晩秋という言い方でいいのだろうか?) 

この北海道の旅の主題は、札幌市立大学の院生と学部生に、「味わい深い、建築の存在すること」、そこには「建築家」の居ることを、嘗て鎌倉の近美で収録した(故)鈴木博之教授と語り合った建築談議「日本のモダン建築100選・20世紀の文化遺産を訪ねて」と題した映像を放映し、建築の面白さを伝えることにある。そして、価値観を共有し今年も声をかけて下さった羽深市大教授と共に親しい友に1年ぶりに会えること、更に、その後の一杯が楽しみだ。 

もう一つ、この訪札中に、札幌在住の女性建築家に取材、下記「建築家模様」に登場頂くことにもした。そして小樽のプレスカフェへ!美味いコーヒを味わいながらにこやかなターマス(マスターのこと)とのやり取りが楽しみだ! 

さて市大では、映像を観てもらった後の講義の資料として上記「建築ジャーナル誌」に5年に渡って連載してきた「建築家模様」のセレクトした数編のコピーを配布して簡単に解説し、学生共々語り合いたい(建築談義をしたい)と思っている。学部生と院生への講義は、無論多少仕組みを変えようと思っているが、何はともあれ建築に志を抱いている若き学生とのやり取りが楽しみでもある。 

ところで上記「日本のモダン建築100選」。僕と対談した`鈴木博之`東大名誉教授をはじめ、登場いただいた日本の建築界を率いてきた `林昌二` `東孝光`各氏が逝去されて心寂しくなったが、このDVDを繰り返し見やりながら、その面影と共に人柄や人格を味わっている。

                                                    ー写真:昨2016年の札幌の一齣ー

 


夜の新宿から、秋の日を味わう我が家での一時へ

2017-11-05 18:29:25 | 文化考

 建築ジャーナル誌に連載している「建築家模様」で、僕の盟友を捉えた第60稿をつい昨日脱稿した。一息つき晴天になった秋の日差しに目をやっている。雨天の多かった先月(10月)、11月に入り、残り少なくなってきた秋の日を、我が家の窓から丹沢連峰あたりの夕焼けを味わいながら此の一文を起稿する。 

この週末からは北海道行き。札幌市大での学部生と院生に、建築家の存在をテーマとした講義をする。学部生(2年生、テーマは「北国の建築家」)には、上記北海道の建築家を捉えた「建築家模様」を一つの資料として、北国の風土を形にしていく建築家の存在を、院生には沖縄から札幌までの日本全国の建築家から数名セレクトして紹介し、「人の生きていくこと」を視野に入れながら、風土と建築、そして建築家の存在することの意義を、院生と共に考えてみたい。 

そして、今年の試み、嘗てモダンムーブネントをテーマに、(故)鈴木博之東大教授と鎌倉の近代美術館での対談を収録したDVDを学生や院生に観てもらい、建築家という人種の存在を伝えようと思う。と起稿してきて、ふとこのDVD、一度(数年前に)院生への講議のときに、公開したような気がしてきた。それでもまあいいだろうと、学部生や院生が、此の画像をどう捉えてくれるだろうかと、好奇心が湧いてきた。 

ところで此のブログの画像、秋も深まってきた夜の新宿。日々、こういう都庁の光景の中を通り抜けて我が家へ帰る。此の一文を記しながら夕刻になり、TVでは、トランプ大統領の訪日、総理と共にしたゴルフの様を伝えている。

―追記ー 掲載した写真のこの庁舎の公式名称は`東京都庁第一本庁舎`である。嘗て、日本の建築界を率いた建築家「丹下健三」の晩年の作。日本の(いや世界の)モダンムーブネントを構築、率いてきた丹下健三は、当時著名建築家のよりどころとなっていた日本の建築家組織を、市民対応にも視野を向けて組織改正をおこない、JIA(日本建築家協会:現在の名称)を再構築した。建築の設計に関わる人間ならだれでも入会できる組織に改変、僕でも参加できるのだと恐るおそる設立のイベント(総会)に臨んだことを思い起こす。