日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

銘酒:金鶴、千代の光、浦霞、上善如水、そして焼酎閻魔

2014-01-25 18:57:00 | 愛しいもの
嬉しいことに新年を迎えることになると、絶品酒が舞い込んでくれる。

佐渡からの「金鶴」は、活性にごり酒。正しく絶品、言葉がないほどにうまい。
越後の国妙高市に蔵元のある「千代の光」は、しぼりたて生だ。亡くなった母の名にちなんでいただくこの銘酒は、昨年内に一升を空けてしまった。
今年の宮城の地酒「浦霞」は純米大吟醸、お屠蘇として味わった。
「上善如水」。言わずもがな、新潟に向かう途中の地、湯沢の酒。この純米吟醸の箱にはこんな一吟が。ジョウゼンをひと含み口にする・・澄み切った水のようにサラサラで、スルスル素直な飲みやすさ。やがてキラキラと幸せな気分が満ちてくる。うーん!まだ口をあけていないのである。

僕はどちらかというと島酒、琉球泡盛の古酒が好きなのだが、この限定品大分の麦焼酎「閻魔」はほんのちょっぴり黄金色、一口含んで唸ってしまった。焼酎もうまいものものはうまいのだと
そして思わず日本文化は・・・などといってみたくなった。酒を語ることはその国の文化を語ることになるのだと・・
いやそんなことはどうでもいい。ただうまい酒を味わえる喜びをかみ締めたい。

賀状の添え書き

2014-01-18 16:56:41 | 日々・音楽・BOOK
「月日が飛ぶように過ぎてゆく」という賀状の添え書きに、ふと己の新春を振り返り、既に今年の1月も半ばを過ぎてしまったのだと妙な実感を得る。送ってくれたご本人にはいい歳になったとの想いがあるようだが、僕より二周り近くも若い彼女に、それは僕の言うことだと返信したくなった。

先週末に、二つの建築誌連載のゲラ修正をして送ったばかり、次の締め切りは云々と念を押される新春、でも戴いた年賀状を拝見してホッとし、好いお正月になったと思えた添え書きがある。
内田祥哉先生からの一言、「昨年はご苦労をおかけしました」。

「建築家模様」で内田先生のお話をお聞きして掲載、ゲラ修正を戴いたが確認の電話を差し上げた時にはご不在。FAXでお礼の一言をお送りしたがそれでよかったのかと気になっていたからだ。戴いた御本には筆でサインを戴いたが、賀状にはその味わい深い文字が万年筆で書かれている。

そして一緒に保存運動をした、東京女子大学の哲学者・森一郎教授が東北大学に転進される最講義を受講した昨日(1月17日)、久し振りに東女を訪れた。忙中閑あり。
ところが「閑あり」どころか、聴いたこともなかった「ホッブス」というデカルトと同時代の近代哲学者の存在に心打たれることになった。新年、それもまた良しだと開き直る。
この最終講義も、先生の教え子、可愛い!院生からの賀状の添え書きの「来ていただけると先生が喜んで下さる」という案内によるものだ。

社会活動を終焉するので賀状は今年限りにします、という添え書きのされた賀状がある。母校建築学科の1年先輩からだ。功あり名を遂げた人の、にこやかな風貌が浮かび上がり、それもありなんと思ったりする。
もう一通、賀状は今年限りにして下さいとの添え書き。数年前にも一度戴いたが、僕が数十年前に設計した建築のオーナーの奥様からだ。竣工後にご主人が亡くなり、その後その建築も人手に渡ったがお元気でお過ごしされてきたことは知っているものの、長い間お会いしていない。いつまでもお健やかにと一言申し上げたくなった。

同じように、東大病院に家族以外では僕だけがお見舞いを許されたご主人が本社竣工直後に亡くなり、お葬式の時にその建築の周辺を一緒に車で回って斎場に向かったその奥様からは、「つくっていただいた建築も25年を経ましたが丁寧に使い続けており、仕事も順調です」という涙がでそうな添え書きの賀状を戴いた。この小ぶりな建築は僕の代表作の一つである。

身が引き締まるのは、A・レーモンドの設計した東京女子大学の東寮と旧体育館の保存活動でご一緒し、2010年5月15日に日本記者クラブに於いて行った有識者の会による緊急記者会見でも同席・ご意見をいただいた、平野健一郎(早稲田大学名誉教授・東京大学名誉教授)先生からの賀状の添え書きである。

「日本社会がグラグラと崩れていくようです。新しい設計図が欲しいです」。

<写真 久し振りに訪れた東京女子大学>

東海大学病院検診での事始 

2014-01-11 21:27:24 | 日々・音楽・BOOK
大方の人の事始めは、1月6日の月曜日だっただろう。まあ僕の事始めも右に倣い、と言いたいが、朝から東海大学病院行き、泌尿器科の定期検診だった。早めに行った採決室に人が溢れていて驚嘆、お年寄りの多いことにも溜息がでるが、人が見れば僕もその一人なのだろうか(苦笑)。
PSAの数値は0,02で何の問題もないが、こうやって新しい年が始まるのも一興である。

頼りにしているこの病院の職員もきびきびしていて好ましいが、待合室で聞こえてきた患者とやり取している看護師の言い方に苦笑する羽目になった。
「尿の採尿をお取りしてくださいますよう宜しいでしょうか?」。
思わず手帳を取り出して「変な言葉」とタイトルを書いてメモをした僕もどうか!と思わないでもないが、気になる、よろしいでしょうか?という丁寧語?は昨今あちこちで聞く。

午後になったが仕事始め。暮れにやっとこさ片付けてきれいになったPCのある机や製図版がとても気持ちがいい。今年が始まるのだと思う。

7日。七草粥。朝少し早くおきてごそごそとやっていると思ったら新年恒例の妻君の心尽くし。6日、7日と愛知芸大の耐震補強の件で、水津委員長はじめ担当者と頻繁にメールで意見交換を重ねる。

<写真 1月4日賀状を取りに事務所に行った後植田正治写真展を見に立ち寄った東京駅>

新春に! 行雲流水

2014-01-03 13:31:40 | 文化考
妻君と娘はアイパットミニでひたすら熟語検索をして「漢字ナンクロ」に取り組み、はまっている。
「行雲流水(こううんりゅうすい)」がピタッとおさまった。
こんな文言があることを知らなかった。娘の好きなコトバのようで、私の生き方かなあと言う。行雲流水=深く物事に執着しないで自然の成り行きに任せて行動する。

齢(よわい)、古希を数年前に過ごした己を顧みて思った。やっぱり親子だ!娘はミューズが来日すると飛んでいってしまう。WHY? 暮れに持ってきたミューズのライブの画像のDVDを妻君と共にみてその魅力に納得した。僕の生きることの心情を考えていたら、嘗て「水の流れるように」と記したことを思い出した。長崎に赴き、松山と金沢に飛び、名古屋に行く。こだわること自体が「流れるように自然体」なのだといいたくなった。

その娘の持ってきたインド映画「きっと、うまくいく」(オール イズ ウエル)をブルーレイ(DVD)で笑い声をあげ、涙ぐんで見た。嘗てインド映画を見て何故踊るのかと不思議感があったが、その踊りも、そして唄もまた正月に見るにふさわしく見事な出来栄えだ。そしてそのあと、録画してあった「武士の家計簿」を見る。
加賀藩、つい先日水野一郎金沢工大教授に会いに行った金沢を舞台にした、心打つ出来事だった。

さて、今年の初詣も近くの有鹿神社、お賽銭を入れると神主さんがお払いをしてくれた。元旦、いいことがありそうな!
御神籤の運勢の一言・・・「心を正直に行いをつつしみ貧者を慈しみ弱きを助け信心怠りなくばますます思うままなり」。そしてもう一言、「色に溺れ酒に狂へば凶なり」。思わずニヤリとしてしまった。その御神籤は「大吉」だった。

<この馬と蛙の絵は娘の描いた娘からもらったお年玉のポチ袋です>