田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

いまここで、羊皮紙に署名を/さすらいの塾講師 麻屋与志夫

2010-11-29 06:37:02 | Weblog
8  

「悪意の波動を感じるわ、ミイマ」
「わたしも感じる。街で感じる波動の発信源はここだったのよ。殺せ。殺せっていっている」
「刺せ。刺し殺せ。刺せ」
そうGGにもきこえてきた。
いまや翔子たちは、Vのアングラ基地深く潜入した。
「おれには城塞のように見える」
「あなたさっきは、亞空間のように感じるといっていたわ。ここはわたしたちの想像が生みだした世界でもあるのよ。GGは感じやすい人間だからはやくこのV空間になじもうとしているの。だから現実がいろんな様相にみえる。そのどれを選ぶか頭がまよっているの」
「時代感覚もおかしいよ。ミイマとはまだ知りあっていないようだ」
「GG!! しっかりして。これからVと戦うのよ」

街のいたるところで、銃声がしている。
はやく参戦したい。
オブザーバーとしているわけにはいかない。
ものたりない。
闘争本能がそう翔子に語りかけている。
戦いたい。

「Vが翔子には、みえるのか」
「わたしには、ふつうのヒトに思えるけど、やつぱあれはVよ」
「わたしにははつきりと人とは別のモノにみえますけど」
「おしゃべりが過ぎた」

GGと翔子は鬼切丸をぬきはなった。
ミイマはまだバラの鞭をださない。
バラ手裏剣で相対する気なのだ。

翔子とミイマが先を行く。
みるまに、その距離が開く。

「いまからでも……遅くはない。どうだこの羊皮紙に署名しないか。お前は若返ること
が出来る。このままでは死ぬぞ。若いときの夢はどうした。物書きとして大成したくはないのか」

ゴールデン街できいた。

あの悪魔のささやき。

あの悪魔の誘惑。
熱病に罹ったような青春の思いが。
老いた村木に襲いかかる。

「GG。はやく」

翔子がもどってきた。

前方でミイマがバラ手裏剣をなげている。

それをGGはじぶんの体でうけているように痛みを感じる。

バラ手裏剣をうけているのは、おれだ!!

なにがなんだかわからない。

混乱している。

「目くらまし。GGしつかりしてVの目くらましにあっているの」

「これは……Vにできる技てはない。この幻惑はルシファーの技だ」

魔界にいる。

魔界にいる。



今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
 お帰りに下のバナーを押してくださると…活力になります。
 皆さんの応援でがんばっています。

にほんブログ村 小説ブログ ホラー・怪奇小説へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする