ねこ庭の独り言

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伊藤貫氏の意見紹介 - 6 ( 田中氏の疑問と馬渕氏の意見 )

2023-07-11 17:48:59 | 徒然の記

   1.「馬渕睦男 VS 伊藤貫 ( 1 ) 」         2. 「馬渕睦男 VS 伊藤貫 ( 2 ) 」

 憶えている人も多いと思いますが、平成15年から平成23年までの約8年間アメリカはイラク戦争をしています。いわゆる湾岸戦争で、独裁者と言われたフセイン大統領をアメリカ主導の裁判にかけ、絞首刑にしました。この間に米国が送り込んだ軍は、15万人と言われています。

 田中英道氏の疑問は、70パーセントの国民が反対しているのになぜ8年間も戦争が続き、15万人の大軍が送れたのかについてでした。二人のやりとりを、そのまま紹介します。

 田中氏

  ・うーん、その意見は分かるんだけどね。だからこそ、なぜイラク戦争は起こったかという問題ですよ。

 伊藤氏

  ・イラク戦争をやったのは、もちろんイスラエルロビーですよ。ネオコンとイスラエルロビーです。

 田中氏

  ・だからそこなんですよ、問題は。

 伊藤氏

  ・だけど、戦争は失敗したでしょ。

 田中氏

  ・失敗はしたけどね。15万人も軍を送ったということ。そこにはボトムの国民の人たちも参加したわけですよね。

 伊藤氏

  ・失敗してますます国民が、孤立主義的になったんじゃないですか。

 議論は水掛け論になりますが、伊藤氏が言うようにアメリカの外交政策が、ユダヤロビーとエスタブリッシュメントとアメリカ国民の3要素で決定されるのなら、大軍を送る戦争が、なぜ8年間遂行されたのかに疑問が残ります。田中氏の異論は、米国の外交政策は3要素の絡みで決定されていると言えないのではないか、と言う指摘でした。

 議論が平行線になりそう、というより、伊藤氏が力任せに主張するので馬渕氏が間に入りました。何度か伊藤氏が割り込もうとしますが、馬渕氏が宥めます。氏が異議を唱えようとするたびに説明を加えますから、結果として伊藤氏の話と同じ長さになりました。

 息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々には、そのまま伝える方が大事であると考え、スペースを気にせず、省略せずに紹介します。

 「伊藤先生の話に50%賛成なのですが、残る50%は違う考えを持っています。なぜかと言うと、先生はアメリカ国家というもの、つまりずっと国家単位で考えておられるからです。」

 「ところが今世界を動かしているのは、国家単位だけではないのです。国家も重要ですが、アメリカは必ずしも国家単位で動いていないんですよ。」

 「なぜかと言いますと、いわゆるグローバリストと称するウォール・ストリートの資本家たちの動きというのは、アメリカ国家とは関係ないんです。そこを見ないと、何で米中が手を結ぶのかがわからない。つまり私流にいうと、中国共産党の幹部とグローバリストはウマが合うんですよ。彼らは人民を搾取する・・とは言い過ぎですが、他の者のことなど知ったこっちじゃない、自分たちの金儲けができさえすれば良いと考える連中ですね。」

 馬渕氏のディープステイト論については、何度か別の動画で見ていますが、まとまった意見を聞くのは初めてで、学徒としての関心も湧きました。

 「それは戦前も、そうだったんです。あの時は蒋介石がアメリカの資本家と組んで、人民を搾取しました。国民の銀を、全部取り上げました。そんなことができるのが中国人、と言ったら一般の中国人には悪いけれど、いや一般の中国人は犠牲者なんです。」

 「中国のエリートが、外国のエリートと組んで中国人民を支配するというのが、戦前の中国の姿であり、今の姿なんです。だからそれを見ないと、米中結託とか米中管理とか言っても、間違う危険性があります。」

  共産主義も資本主義も行き着くところまでいくと、トップ同士の考えが一致します。

 「他人のことなど知ったことではない。自分の利益 ( 金儲け )が手に入れば良い。」

 保守と革新、資本主義とマルクス主義、皇国史観と唯物史観などと、互いに対立している勢力が常にありますが、突き詰めて考えると、人間の業である「我欲」に行き着くのはでないかと最近考えます。対立し、別々のもののように見えても、実は根っこが同じだったということ。だから馬渕氏の意見に、似たものを感じます。

 社会主義国と言われる中国・北朝鮮の指導者たちと、ウオール街のグローバル資本家たちの思考を氏が解説していますが、これに経団連の幹部と、日本共産党の幹部を加えたい誘惑に駆られるのは私だけでしょうか。

 「伊藤先生が言った、アメリカのエスタブリッシュメントはユダヤ人です。ロックフェラーはユダヤ人ではないけれど、ユダヤ人家族の一員です。」

 「だからCFRが、アメリカの外交政策をどんどん先に出して引っ張っているんですね。」

 伊藤氏はロックフェラー財閥を意識して、ユダヤ金融資本家と違うエスタブリッシュメントを語ったのでしょうが、馬渕氏が一蹴しました。氏のディーブステート論で一番曖昧だったのがロックフェラー財閥でしたので、ここまで明言した馬渕氏に意外感を持ちました。CFRについては初めて聞きますので、ウィキぺディアで検索してみました。

   〈 CFRとは 〉

   ・1921 ( 大正10 ) 年に設立された、外交問題・世界情勢を分析・研究する非営利の会員制組織

   ・アメリカの対外政策決定に対して、著しい影響力を持つと言われている超党派の組織

   ・外交誌『フォーリン・アフェアーズ』の刊行などで知られ、会員はアメリカ政府関係者、公的機関、議会、国際金融機関、大企業、大学など

   ・名誉会長 : デビッド・ロックフェラー  会長 : リチャード・ハース

 ロックフェラー財閥がユダヤの家族というのなら、伊藤氏のエスタブリッシュメント論の一角が崩れます。シリーズの4回目で紹介したコメント1. は、この時のものです。もう一度紹介します。

 〈 コメント1 . 〉

   ・聞き応えのある討論。伊藤氏の解説が尤もだと聞いていたら、馬渕氏による捕捉&反論は伊藤氏のを上回ってるように聞こえるんだが…。この2人だけで数時間討論させて欲しい。ずっと見てみたい

 馬渕氏の意見の続きは、次回の紹介といたします。

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