ねこ庭の独り言

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日本の神々の謎 - 2 ( 『古事記』 と 『日本書紀』 )

2018-10-23 23:48:42 | 徒然の記

 大切なことを忘れていました。神話を理解するには、『古事記』と『日本書紀』について、あらかじめ知っておく必要があります。自分だけでなく、子供たちのためにも調べました。

 1. 古事記 (西暦712年)

  日本最古の歴史書である。その序によれば、和銅5年 ( 712年 ) に、太安万侶が編纂し、元明天皇に献上された。古事記の原本は現存せず、幾つかの写本が伝わる。成立年代は、写本の序に記された年月日により、 8世紀初めとされる。内容は、神代における天地の始まりから、推古天皇の時代に至るまでの、様々な出来事(神話や伝説などを含む)が、記載される。

 『古事記』は『日本書紀』とともに、後世では『記紀』と総称されるが、内容には一部に違いがあり、『日本書紀』のような勅撰の正史ではない。日本神話を伝える、神典の一つとして、神道を中心に日本の宗教文化、精神文化に多大な影響を与えている。『古事記』に現れる神々は、現在では多くの神社で、祭神として祀られている。 

  2. 日本書紀 (西暦720年)

  『日本書紀』は、奈良時代に成立した、日本の歴史書である。日本に伝存する最古の正史で、舎人親王らの撰で、養老4年(720年)に完成した。神代から、持統天皇の時代までを扱う。漢文にて記述されている。全30巻。

  『日本書紀』の編纂は、当時の天皇によって、作成を命じられた国家の大事業であり、皇室や、各氏族の、歴史上での位置づけを行うという、極めて政治的な色彩の強いものである。編集方針の決定や、原史料の選択は、政治的に、有力者が主導したものと推測されている。

 以上ネットから、要点のみを紹介しました。

 世に出ている神話の原典は、「記紀」が中心となっています。神様の名前ばかりでなく、原文は漢文ですから、神話の著者は、並大抵の学識者ではないと思います。神様の読み方くらいで音をあげる私とは、比較できない立派な学者です。武光氏だけでなく、安達氏、山崎氏、戸部氏についても、簡単に批判してならないと、自分を戒めながら先へ進みます。

 「日本神話の中の最高神は、天照大神である。しかし大神 ( おおみかみ ) は、最初に現れた神ではない。」

 「最初に出現した神は、天御中主尊 ( あまのなかぬしのみこと) である。天の中央にいる支配者という意味であり、最古の神にふさわしい。」「しかしこの神が、神話の中で活躍する場面はない。この神は、天の中心を支配する神、といった哲学的な神と評価できる。」

 この天地創造の時代の神様について、息子たちにどのように伝えればいいのでしょうか。天文学的に言い、人間の住む地球が生まれる前の宇宙 ( 天界 )  を、想像してもらいたいと、そんな風に言えば伝わるのでしょうか。しかもその宇宙 ( 天界 ) が一つでなく、少なくとも四つあります。私の、おぼつかない理解で説明しますと、

  1.   天御中主尊 ( あまのなかぬしのみこと ) 系統の宇宙 ( 天界 ) 

  2. 可美葦牙彦舅尊 ( うましあしかげひこじのみこと ) 系統の宇宙 ( 天界 ) 

  3. 国常立尊  ( くにのとこたちのみこと ) 系統の宇宙 ( 天界 ) 

   国常立尊に始まる、神代七代の神々は、巨人の姿をした神である。高天原とは違う、もう一つの神々の世界にいて、人々を見守る存在とされる神だ。巨人でなければ、下界を矛でかき回すことなどできない。

  4.   高天原 ( たかあまらがはら )  系統の宇宙 ( 天界 ) 

   伊弉諾命 ( いざなぎのみこと ) が、右目を洗ったときに、天照大神が生まれた。このことは、大神 ( おおみかみ ) が、人間と同じ背丈の神様であったことを、うかがわせる。巨人の目から生じた小さな美しい神々が、高天原という、新たな神々の世界 ( 天界 ) を作ることとなる。

  と、こういうことでしょうか。このあたりが、キリスト教や仏教といった、一神教との違いなのでしょうか。一神教なら、中心となる神様が最初に来て、神話はその神様を中心に展開いたします。私は過去に、聖書しか読んだことがありませんので、イスラム教やヒンズー教がどうなっているのか知りませんから、断定できませんが、少なくとも、日本神話のように様々な神様は出て来なかった、という気がいたします。

 『古事記』は、上記 1. 2. について叙述していますが、さすがに『日本書紀』は、大和朝廷の正史だけあり、3.の国常立尊  ( くにのとこたちのみこと ) 系統の宇宙から、記述されています。

  私のような凡俗には、武光氏のオーソドックスな、学問的解説がなかなか理解できません。息子たちのため、分からないまま、先生の叙述を紹介します。
 
 「『日本書紀』の本文は、国常立尊  ( くにのとこたちのみこと ) を、」「最初に出現した神として、あげている。そこでは国常立尊が、 天御中主尊 ( あまのなかぬしのみこと ) より、古いものとされたことが分かる。」
 
 「『日本書紀』の本文は、国常立尊は、天地の間に出現したと記し、この記述こそが、国常立尊を始源神とする神話を特徴づけるものである。そうすると、卵のようなどろどろした天地を分け、国を立てた巨人が、国常立尊ということになる。」
 
 ここまで書いて、一区切りとします。スペースも余裕がなくなり、自分の理解も余裕がなくなっています。奈良時代の本ですし、神話でもありますので、謙虚に受け止めるしかありません。125代続く天皇家の神話ですから、先ずは、読み進むことに意義があると思い、明日も続きを紹介します。
 
 本はやっと、15ページ、前途遼遠です。
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