偶然に、「チャンネル桜」の動画「国連の本当の姿」を観たのは、平成30年10月4日でした。あれから11日間「この落差」に驚き、今回で15回目になりました。
おかげで沢山勉強させてもらい、本日第一回目の「国連人権委員会」へと戻りました。
1. 中 国 Ms. リー・ヤンドウアン委員
2. アメリカ Ms. ゲイ・マクドゥーガル委員
3. ベルギー Mr. マーク・ボシュイ委員
4. 韓 国 Ms. チョン・ジンソン委員
5. スペイン Mr. ニコラス・マルガン委員
6. ガテマラ Mr. カリー・ツザイ委員
7. コートジボワール Mr. ダイアビー・バカリ委員
8. ハンガリー Ms. リタ・イザック委員
この8名の委員たちが、日本の人権差別の酷さについて、あることないこと、とんでもない日本攻撃と批判をしていました。そこから、この長いシリーズが始まったのですが、肝心なことを伝えるのを忘れていました。
委員会には、日本政府の関係者も出席していて、委員たちの話を聞き、政府の立場を説明していたのです。
日本の人種差別を糾弾する会議ですから、冒頭に、外務省国連担当大使である大鷹正人氏が挨拶をし、会議の最後に、大鷹氏のほか関係省庁の担当官が、委員の批判に応えるという形式でした。
一方的な委員たちの思い込みに対し、政府を代表する官僚諸氏が、どのように答えるのかも私の大きな関心事でした。
「外務省は、弱腰すぎる。」
「外務省は、キチンと反論をしない。」
と、噂は耳にしていたのですが、実際に目で見たのは初めてで、貴重な経験をしたと思っています。
出席していた政府の担当官は正確に覚えていませんが、4、5名だったと思います。発言していたのは、大鷹氏の他二人です。若い男性と女性でしたが名前の表示がなく、省名だけが画面に出ました。若い男性が法務省で、若い女性が内閣官房の担当官でした。
会議の冒頭で大鷹氏は、国連担当大使らしく生真面目な顔で、英語で話しました。手元のメモに時折目をやりながらの、下手な英語でしたから、すこしガッカリいたしました。
だが私は会議の最後に行われた、大鷹氏を含めた担当官諸氏の説明には、全く失望しました。なんと、彼らは全員日本語で説明し、しかも国会の答弁同様に、機械のように、ひたすら喋るという酷いものでした。
会議場の二階に数名の通訳がいて、彼らの言葉は、同時通訳されているのですが、こんなことでは、日本の説明が会場の委員たちに伝わるはずがないと確信いたしました。
「外務省は、弱腰すぎる。」
「外務省は、キチンと反論をしない。」
批判は、まったくその通りでした。外務省どころか、法務省も、内閣官房も、まるで熱意がありませんでした。
熱意どころか、当事者意識も感じられない棒読み答弁でした。
・ヘイトスピーチに罰則がなくても、別の法律がありキチンと対応している
・公務員の採用については、一般職の地方公務員に差別はなく、特別の職務に関わる公務員だけに国籍条項がある
などと、日本人の私が聞いていても、言い訳がましい稚拙な説明でした。ましてこれが、二階席にいるの通訳たちにどのように受け止められ、どんな通訳がされているのか、不満いっぱいの委員会でした。
・国連の報告書は、人権委員会の審議のための材料であり、国連の立場を示すものではない。
・委員会の決定は、勧告とか、提案というものに過ぎず、政府を縛るものではない。
・外圧のために、日本の新聞やNPOは捻じ曲げた報道をしている
と、こういう意見を言う学者もいますが、現実は、ねじ曲げられた報道が世間に流布され、私たち国民を痛めつけています。
説明をした担当官たちは、おそらく優秀な官僚で、全てを理解した上での答弁だったのかもしれません。ここで私は、故人となられた平泉渉氏の意見を思い出しました。長くなりますが、もう一度紹介します。
息子たちには、一言も漏らさず聞いて欲しいと思います。
・日本の国際的地位が落ちた大きな原因の一つが、英語力の欠如にあるという話があります。
・日本のリーダーたちが、誰も英語が分からない。通訳を介してやればいいのだと言う政治家もいますが、今はもうそんな時代ではない。
・大事な国際会議の場では当意即妙の対話が重要なのに、会話もできないリーダーが、国際人と言えるのだろうか。
・今の日本は時代の流れとして、国民が英語をやらねばならなくなっています。書物を理解するための英語でなく、日本人の意見を、世界に発信するための、道具としての英語なんです。
・日本人の発言が出ないから、日本の意見というものが世界に伝わらない。
・中国や韓国は、世界から学ぶために英語をやっているのでなく、自分たちの考えを、世界に伝えるためやっています。
・だから日本人は、世界で中国人や韓国人に、やられてしまうのです。
・日本語に安住するのでなく、世界の共通語を予備として持つことの重要性に、気づかなくてはなりません。
国際会議の様子をテレビで見ても、他国の首脳は、気軽に談笑しているのに、日本の総理だけが孤立していました。民主党の政権時代、国内では官僚を怒鳴り散らし、「イラ菅」と恐れられていた菅直人総理も、国際会議では、仲間はずれの悪ガキみたいに小さくなっていました。
話しかけられても、照れ隠しの笑いでしか応じられなかった氏の姿が忘れられません。
菅氏に限らず麻生元総理も、沢山英語を喋っていたが、ほとんど相手に通じない日本語英語だったと、意地悪な話もありました。
偉そうに言っている私にしても、しどろもどろの英語しか話せず、外国旅行をした時はほとんど通じませんでした。
・英語が重要だというのは、喋っている国の多さと、人口の多さなんです。欧米は、もちろん英語が通じますね。ASEAN諸国だって、ほとんど英語圏ですよ。
・インドネシアが人口2億人、インドが13億人、中国が15億人、韓国が5000万人。
・ざっと数えても、これだけの人口が、英語の習得に向かっています。韓国などは、防衛のための英語習得を、国を挙げて目指しているのです。
・日本人は、英語を使って国を守るという気概を持たなくてはなりませんね。もっと言葉の大切さを、認識すべきなのです。
平泉氏が亡くなる年の動画ですから、いわば「日本人への遺言」みたいなもので、心に残る言葉でした。
私は身勝手な人間ですから、自分で努力する気はありませんが、せめて国連に出席する官僚諸氏には、平泉氏の言葉を省庁の壁に貼り付け、朝晩合唱するくらいの気概が欲しいと思います。
優秀な官僚諸氏が、なぜ国連でこんないい加減な答弁しかできないのか、動画を見た、元外務官僚の馬渕睦夫氏が、興味深い意見を述べています。予定外ですが、次回は、馬渕氏の意見を紹介します。