ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

この落差 - 16 ( 国連人権委員会で活躍する害務省官僚 )

2018-10-15 09:43:31 | 徒然の記

 偶然に、チャンネル桜の動画「国連の本当の姿」を観たのは、平成30年10月4日でした。あれから11日間、「この落差」に驚き、今回で16回目になりました。

 おかげで沢山勉強させてもらいまして、本日第一回目の、「国連人権委員会」へと戻りました。 

    1. 中  国    Ms. リー・ヤンドウアン

    2. アメリカ    Ms. ゲイ・マクドゥーガル  

    3. ベルギー    Mr. マーク・ボシュイ    

    4. 韓  国    Ms. チョン・ジンソン

    5.   スペイン    Mr. ニコラス・マルガン

    6. ガテマラ    Mr. カリー・ツザイ

    7. コートジボワール Mr. ダイアビー・バカリ

    8.   ハンガリー    Ms. リタ・イザック

 この8名の委員たちが、日本の人権差別の酷さについて、あることないこと、とんでもない日本攻撃と、批判をいたしました。そこから、この長いブログが始まったのですが、肝心なことを伝えるのを忘れていました。委員会には、日本政府の関係者も出席していて、委員たちの話を聞き、政府の立場を説明していたのです。
 
 日本の人種差別を糾弾する会議ですから、冒頭に、外務省国連担当大使である大鷹正人氏が挨拶をし、会議の最後に、大鷹氏のほか関係省庁の役人が、委員の批判に応えるという形式でした。極端な委員たちの思い込みに対し、政府を代表する官僚たちが、どのように答えるのかも、私の大きな関心事でした。
 
 「外務省は、弱腰すぎる。」「外務省は、キチンと反論をしない。」と、そんな噂は耳にしていたのですが、実際に目で見たのは初めてで、貴重な経験をしたと思っています。出席していた政府の役人は、もう正確に覚えていませんが、4、5名だったと思います。発言していたのは、大鷹氏の他二人で、若い男女でしたが、名前の表示がなく、省の名前だけが画面に出ました。若い男性が法務省で、若い女性が、内閣官房の役人でした。
 
 会議の冒頭で大鷹氏は、さすがに国連担当大使らしく、生真面目な顔で、英語で話しました。手元のメモに時折目をやりながら、下手な英語でしたから、すこしガッカリいたしました。だが、私は最後に行われた、大鷹氏を含めた役人諸氏の説明には、強く失望いたしました。なんと、彼らは全員、日本語で説明し、しかも国会の答弁同様、機械のように、ひたすら喋るだけという酷いものでした。
 
 会議場の二階に、数名の通訳がいて、彼らの言葉は、同時通訳されているのですが、こんなことでは、日本の説明が会場の委員たちに伝わるはずがないと、確信いたしました。
 
 「外務省は、弱腰すぎる。」「外務省は、キチンと反論をしない。」
 
 こうした批判は、まったくその通りでした。外務省どころか、法務省も、内閣官房も、まるで熱意がなく、熱意どころか、当事者意識も感じられない棒読み答弁でした。ヘイトスピーチに罰則がなくても、別の法律があり、キチンと対応しているとか、公務員の採用については、一般職の地方公務員に差別はなく、特別の職務に関わる公務員だけに国籍条項があるとか、日本人の私が聞いていても、言い訳がましい稚拙な説明でした。ましてこれが、二階の通訳たちにどのように受け止められ、どんな通訳がされているのか、不満いっぱいの委員会でした。
 
 国連の報告書は、人権委員会の審議のための材料であり、国連の立場を示すものではない。委員会の決定は、勧告とか、提案というものに過ぎず、政府を縛るものではない。外圧のために、日本の新聞やNPOは、捻じ曲げた報道をしていると、こういう意見を言う学者もいますが、現実は、ねじ曲げられた報道が世間に流布し、私たちを痛めつけています。
 
 説明をした役人たちですが、彼ら自身はおそらく優秀な官僚で、全てを理解した上での、つまらない答弁だったのかも、しれません。ここで私は、3年前に観た動画で、今は故人となられた平泉渉氏の談話を、思い出しました。長くなりますが、もう一度引用します。息子たちには、一言も漏らさず、聞いて欲しいと思います。
 
 「日本の国際的地位が落ちた、大きな原因の一つが、英語力の欠如にあるという話があります。」「日本のリーダーたちが、誰も英語が分からない。」「通訳を介してやればいいのだと言う、政治家もいますが、今はもう、そんな時代ではない。」

 「大事な国際会議の場では、当意即妙の対話が重要なのに、」「会話もできないリーダーが、国際人と言えるのだろうか。」「そんな話でしたが、とても大事な意見ですね。」「今の日本は、時代の流れとして、国民が英語をやらねばならなくなっています。」

 「書物を理解するための英語でなく、日本人の意見を、世界に発信するための、道具としての英語なんです。」「TPPの場にしたって、日本人の発言が出ないから、」「日本の意見というものが、世界に伝わらない。」「中国や韓国は、世界から学ぶために英語をやっているのでなく、自分たちの考えを、世界に伝えるためやっています。」「だから日本人は、世界で、中国人や韓国人に、やられてしまうのです。」

 「日本語に安住するのでなく、世界の共通語を、予備として持つことの重要性に、気づかなくてはなりません。」

 国際会議の様子をテレビで見ても、他国の首脳は、気楽に談笑しているのに、日本の総理だけが孤立していました。民主党の政権時代、国内では、官僚を怒鳴り散らし、「イラ菅」と恐れられていた菅総理も、国際会議では、仲間はずれの悪ガキみたいに小さくなっていました。話しかけられても、照れ隠しの笑いでしか応じられなかった、菅氏の姿がまだ忘れられません。

 菅氏に限らず、麻生元総理だって、沢山英語を喋っていたが、ほとんど相手に通じない日本語英語だったと、意地悪な話もありました。偉そうに言っている私にしても、しどろもどろの英語しか話せず、外国旅行をした時は、ほとんど通じませんでした。

 「英語が重要だというのは、喋っている国の多さと、」「人口の多さなんです。」「欧米は、もちろん英語が通じますね。」「ASEAN諸国だって、ほとんど英語圏ですよ。」

 「インドネシアが人口2億人、インドが13億人、中国が15億人、韓国が5000万人。」「ざっと数えても、これだけの人口が、英語の習得に向かっています。」「韓国などは、防衛のための英語習得を、国を挙げて目指しているのです。」

 「日本人は、英語を使って国を守る、という気概を持たなくてはなりませんね。」「もっと言葉の大切さを、認識すべきなのです。」

 氏が亡くなる年の動画だったと記憶していますが、いわば氏の「日本人への遺言」みたいなものです。ずっと心に残る言葉でしたから、こうして折があると、私の中で再生されます。

 私は身勝手な人間ですから、自分で努力する気はありませんが、せめて国連に出席するような官僚諸氏には、平泉氏の言葉を省庁の壁にでも貼り付け、朝晩合唱するくらいの気概が欲しいと思います。

 どうして、優秀な官僚諸氏が、国連でこんないい加減な答弁しかできないのか、動画を見た、元外務官僚の馬渕睦夫氏が、興味深い意見を述べています。次回は、これにつきましてご報告いたします。

コメント (2)
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