OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

時刻表3月号

2024年03月05日 | 鉄道

 毎年JTB時刻表の3月号を購入することにしている。以前よりも発行の日が遅くなってきて、2月の末にならないと書店に並ばない。ネットの時代にはあまり買う人もいないのだろう。

書庫に並ぶ古い時刻表 1995から2016年(2002欠)
 今年は北陸新幹線の金沢から敦賀までの延伸(3月16日)が決まっているから、そこを中心にざっと見た。最初に見るのは地図ページの次、「NEWS」のページ。ひとつ目立つ記事がある。

JTB時刻表 2024年3月号 ニュース1ページ

 上がその部分で、見出し「JR線乗継割引の取り扱い終了について」というたった3行の記事。「JR各社は3月15日に「乗継割引」の取り扱いを終了します。(JR四国・JR九州ではすでに終了しています。)」というもの。
 「乗継割引」というのは、何かというと、(大すじだけ書く)新幹線から在来線特急などに乗り継ぐと(条件あり)在来線特急料金が半額になる、というもの。最近はあまり利用したことがないが、昔は随分使った割引である。これは結構大きな値上げなのだが、目立たないように小さく書いている都市か思えない。巻末の営業案内には一言も書いてないようだ。まだ3月前半中はこの制度は残っているのに。
 昨年の3月号の営業案内を見てみた。

2023年3月号 営業案内53ページ(一部)

 「乗り継ぎ割引」という見出しがあって、(あれ?乗継ではないんだ)二つの小見出し「新幹線と在来線」・「寝台特急(サンライズ瀬戸)と四国」がある。四国の方はこの一年間のどこかで廃止されたようだ。
 かなり大きな割引が廃止されたのを「取り扱い終了」と表現するのもおかしい。この時刻表の「主要駅間の運賃・特急料金早見表」(営業案内15ページ)を見ると、大阪・敦賀間の特急料金は2,390円である。これが半額になるかr(10円未満切り捨て)1,190円も違うのだ。もっと先まで行けば大きくなるが、金沢の場合の計算は、北陸新幹線を使うから比較しにくい方敦賀にしておく。
 この割引を利用(新幹線と在来線の両方の特急券を同時に購入)すると、特急券に次のように記載される。


京都から新幹線に乗り継ぐ 2002.3.29

 新幹線の特急券の方にも同じように記入されるが、そちらは改札で渡されないので手元にない。これはちょっと古い切符で、「乗継」印の手元にある最も新しい切符は2005年9月、松本から名古屋の自由席特急券。東京や名古屋のパック旅行では現れないからあまり使っていない。
 古い切符にはたくさん例がある。まず典型的なもの。

京都 名古屋乗継 1972.12.1

 この日、私は京都から新幹線で名古屋へ、そこから高山まで高山本線急行に乗車した。上宝村(現在は高山市)の福地に冬景色を見るため行った。乗り継ぎ割引を受けるために一緒に京都で購入したから、最下段に「京都駅発行」となっているし、急行の乗車駅がゴム印で押してある。ちなみに名古屋・高山間の距離は166.7km
 次に例外的なもの。

京都 名古屋乗継 1968.8.31

 この日、私は同じように名古屋へ、そこから中央本線で長野まで急行に乗車、飯山戦に乗り換えて飯山までクラブの夏合宿で移動した。当時のクラブは、基本的に現地集合。前の切符と違うのは、この急行券が名古屋駅発行であること。「同時に購入する」はずのものを乗り継ぎ駅で購入するのは普通できないが、京都駅で新幹線特急券を購入するときに、時間がなくて「名古屋で乗り継ぎする」ことを申告して特急券に「乗継請求」というゴム印を押してもらうと、名古屋でも買うことができた。そのときに「乗継請求」印のある切符は当然窓口で引き取られるから、手元に残らない。
 同じ頃、硬券でなくても乗継印のあるものがある。

乗車券に押された乗継印 1968.11.10 

 この券は、名古屋から新幹線で京都へ、そこから山陰本線で綾部に向かい、舞鶴線・小浜線で、若狭高浜まで行ったときの乗車券。旅行の目的は、大学の舞鶴帯の地質を見学する野外実習に参加するため。京都で途中下車しているが、乗り継ぎは当日に限定されている(例外あり)から京都の下宿に寄って旅行の用意をし、すぐに出かけたのか? でもおかしいなあ。若狭高浜まで行った記憶はない。福井県に入る手前の松尾寺駅で降りて、松尾寺の石段の下にある化石産地を見たはず。
 そんなわけで、ずいぶん乗継割引のお世話になったが、それもあと約10日で無くなってしまう。「取り扱いの終了」というが、はっきりとした値上げである。

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