OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

9月の藍島 その2

2011年09月30日 | 今日このごろ
9月の藍島 その2

24日に訪れた藍島のつづき。
漂着物ベルトをたどっていくと、タツナミガイを見つけた。数年前の観察会で参加者の採集したこの貝が判らず、悔しい思いをした。めったに見られないが、どういうわけか10メートルほどの間に8個も打ち上がっている。


タツナミガイ

タツナミガイはウミウシの一種で体内にこの殻を持っている。巻き貝の系統だからこの向きの殻しかなく、逆向きのは多分無い。上下のへりが折り返しのような二重になっている。体内の殻だからだろうか、強度は無く壊れやすい。しかし、以前このブログで報告したアメフラシの殻(http://blog.goo.ne.jp/okayoshi610creta/e/0b4b03f3c18f82c78a63cde41e387477)と違ってちゃんと石灰化している。そういえばその時(2011年5月30日)も台風通過直後の藍島千畳敷だった。少し場所は違うけど。

次はメノウ探し。


千畳敷のメノウ1

千畳敷のメノウ2

数個を見つけたがとくに多いというわけでは無い。上の「メノウ1」は風化して表面が白くなっているが切断すれば美しいかもしれない。
北端の千畳敷が面白くないので南端の瀬崎に移動。30分ほどかかるが暑くないし、山道は風が弱くて、いろいろな生物がいて楽しい。ただし、久しぶりのハイキングに体力を危惧して前日テスト歩行をしたのだが、気持ちの良さについ10キロメートル以上を歩いてしまい、筋肉痛がある。


アサギマダラ

南端の貝ベルトも残念ながら貝が少ない。そこで潮間帯を見る。


タイドプールのムラサキウニ


ギンカクラゲ 右は影

タイドプールの一つにギンカクラゲが2個浮いている。一つは壊れて半分だけ、もう一つも上面が剥がれているようだ。ギンカクラゲの漂着のあるときには多数打ち上げられることが多いのだが、今日は他に見当たらない。

結局この日の成果はタツナミガイとメノウ少々。化石が無くてちょっと物足りないが、気持ちの良い一日を過ごしたということで満足しておこう。

9月の掲載はこれで終わり。予定通り4日に一度ぐらいの掲載をした。来月も同じようにしたい。
お読みになった方のコメントがあると嬉しい。よろしく。

9月の藍島 その1

2011年09月27日 | 今日このごろ
9月の藍島 その1

9月24日、台風も去って涼しくなったので藍島を訪れた。目標は漂着物と海岸生物、それに少し化石。
北九州は台風のコースからは外れたが、強風が吹き、22日までは海が濁っていて漁も無かったという。今日は快晴で風も弱く波もあまりない。10時30分発の藍島渡船で出発。三連休の土曜日だが乗船客は少ない。潮もちょうどよいので快適に過ごせそう。


藍島に渡る

船着き場から「縦貫道」をたどって北端の千畳敷へ。潮も引いて広い岩棚が見える。ところが漂着物は意外に少ない。


千畳敷右側の岩棚

大量のワカメが打ち上がっている場所もあるが、貝殻は少ない。カイメンがたくさんあるが、持ち帰るものでは無い。


海綿類

シカの下顎がころがっている。門歯はないが臼歯列はそろっている。持ち帰りはやめよう。家に帰ると意外ににおうものである。


シカ右下顎

崖下の風の弱いところにウスバキトンボが多い。この写真で見えるだろうか?以前には岩棚に無数のウスバキトンボの翅が落ちているのを見たことがある。


ウスバキトンボ

続く

鰭脚類フィギュア 第14回 岩石

2011年09月23日 | 鰭脚類フィギュア
鰭脚類フィギュア 第14回 岩石

石製の鰭脚類フィギュアは多くない。しかも材料の石の名前は判別しにくい。入手時に産地を詳しく聞いて記録する必要があったのだが今となっては遅い。


トラバーチン 大

長さ13センチの大きなもの。材料は緑色のオニックス・トラバーチンである。オニックス onyx は、縞メノウの事だが、石材としては沈殿物であるトラバーチンの縞状のものもそう呼ぶ。鉱物名としては方解石か。小倉のインポートフェアで中近東、たぶんイランの商人から買ったもの。おなかの右下に大きな欠けたところがあって(写真にも写っている。)値切った記憶があるが、国は確かではない。いずれにしても鰭脚類のいない国なので、そのせいか前肢は犬みたいである。モデルはアシカかな?


トラバーチン 小

長さ5.5センチ。材料は右半分が茶色、左が緑色のオニックス・トラバーチン。入手場所はたぶんどこかのパワーストーン屋さん。産地不明だが上のものと似たところもあるので中近東か?やはりモデルはアシカのようだ。


中国礫質石灰岩 アシカ

長さ8.5センチ。全体に見られる球状のものは、内部に構造がなく、化石ではない。たぶん石灰質の礫岩であろう。腹部下面に数字の6が大きく刻んである。アシカ類のように見えるが確かではない。


中国ウミユリ化石 アシカ

長さ7.5センチ。全体が古生代の石灰岩でできている。石灰岩にはウミユリ茎部の化石がびっしりと入っている。それ以外の化石は見られない。このような石灰岩は中国四川省の石炭紀ぐらいの地層に見られる。この彫刻は1980年代に中国から見えた客人のおみやげで頂いたもの。玉を支えていることからアシカのようであるが、後肢は垂直になっていて魚のような条鰭が刻んである。前肢もヒレになっていない。


白トラバーチン アシカ

長さ6センチ。白から薄茶色の透明感のあるトラバーチン製。下面は大型の機械丸鋸で切断した面をそのまま使っている。産地はわからない。


白石灰岩 アシカ

長さ6.5センチ。黄色みがかった白い石灰岩でできている。石灰岩には化石や構造はみられない。耳が大きくてちょっと変だがアシカだろう。首のたるみはほかにあまり見られない造型。だからアシカ類をあまり見たことのない人の作品だろう。

今回紹介したのは6種6点。通算78種101点。今回で100点を超えた。関係国は前回までの11か国に中近東のたぶんイランが加わる。次回からきれいな鉱物をつかったものを紹介していく。

鰭脚類フィギュア 第13回 金属製

2011年09月19日 | 鰭脚類フィギュア
鰭脚類フィギュア 第13回 金属製

今回は金属製のものを紹介する。金属の種類は判らないが、いずれも磁石にはくっつかない。


韓国 セイウチ

長さ12センチ。青銅風の色になっている。胴体は鋳物と思われ、鰭脚は金属板を溶接して作っている。1997年9月に韓国に行った時に購入。口の幅広さからセイウチを模したと思うが、確かではない。牙の入る穴などはない。


金属 のっぺらぼう

長さ9センチ。銀色鏡面で、眼などの造型はなくのっぺらぼう。後肢下面に点刻で文字があり「Hosutv」「1200」とある。筆記体なので「Hos」までは確かだが、後半「utv」「は「afv」などかもしれない。これらの語はネットでも判らない。またシールが貼ってあって「$17.99」とバーコードが見える。バーコード(8桁)の国名はアメリカらしい。


金属カードさし

長さ5センチ。左右二つの型の鋳物で、後ろの方にカードをさすための切れ込みがある。当初銀色だったがすぐに輝きが悪くなってしまった。後肢は背腹方向に延びていて魚みたいに見える。刻印などは無い。一緒にイルカ形のも入手した。


金属アザラシ

長さ2センチ。銀色で胸に小さな穴がある。アザラシとしたが、顔つきからの判定で確かではない。刻印などは無い。


銀?ペンダント アシカ

前肢から後肢までの長さ2センチの小さなペンダント。アシカの部分の体は薄く、右側は平だが毛皮らしい細線は両側にある。後肢は背腹方向に延びている。鼻先で橄欖石か色ガラスを金属で巻いた玉を支えている。その上に小さなリングが溶接してあって、さらに2穴のリングがはまっている。小さなリングの裏面に非常に小さな刻印が二つあって「AD」および「925」と読める。また2穴リングの側面にも小さな刻印があって「925」のように見える。925が「銀925」の意味なら銀細工でスターリングと呼ばれる銀92.5%の標準的な材料である。アシカの首の下あたりの胴体に小さな穴が貫通しているのはなぜだろう。

今回紹介したのは5種5点。通算72種95点。関係国は前回までの11か国のまま。次回からはいよいよ岩石・鉱物関係に入る。

関係国は1アメリカ・2中国・3ドイツ・4ポルトガル・5イギリス・6日本・7韓国・商標登録地8香港・9スウェーデン・10ノルウェー・11ニュージーランド。

鰭脚類フィギュア 第12回 木製

2011年09月15日 | 鰭脚類フィギュア
鰭脚類フィギュア 第12回 木製

今回は木製のフィギュアを紹介する。いずれも文字の記入はなく、産地などはわからない。


親子アシカ

長さは親が11.5センチ、こどもが6.5センチ。前肢は平に地面に着かないで突き立てている。着色は均一に茶色。一組で台に付いていたがはずした。たしか小倉のインポートフェアで入手したもの。


木製アザラシ

長さ11.5センチ。前肢・後肢・鼻先は濃い茶色に塗ってある。前肢はレリーフのように体にくっついている。判らないのは口にある×である。よく見るとその両側に小さな穴が3対あけてある。ヒゲの彫り込みも3本なので、この穴は毛根を示すのだろうか?後肢の形や前肢の位置からアザラシであることは間違いない。


木製ゴマフ横寝

長さ7センチ。木彫。頭部背面と鰭脚が黒く着色してある。体に多数の斑点がある。まちがいなくゴマフアザラシだろう。


木製アシカ

長さ9センチ。色の違いのある木材を使って彫刻したもの。片方は小倉、もう一方は福岡市で入手したのだが、作風はほとんど同じ。鰭の線などに違いがあるので2種類とした。腰の辺りの線が不自然で、中国南部やフィリピンなどのアシカのいない地方で作られたものかもしれない。


アシカ寄せ木

長さ6.5センチ。前半身・後半身と左右の前肢(腹部でつながっている)の3つの部品を組み立てている。実は重心がとれていないので置くと前に倒れてしまう。この写真はテープで留めて撮ってある。

今回ご紹介したのは、6種8点。通算67種90点。関係国は前回までの11か国から増えていない。