OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

9月の石割り

2014年09月29日 | 今日このごろ
9月の石割り

学芸員在任中に収集した恐竜などを含む関門層群の化石含有岩塊数トンが、博物館の屋外に保管してあるが、何もしていないことは怠慢であると反省して、化石研の友人の協力を得て少しずつ小さくしていっている。
 夏の間暑すぎて中断していたが、涼しくなったので、28日(日)午後に久しぶりの作業を行なった。好天に恵まれすぎ?て、日ざしが暑かった。一番硬そうな一メートルほどの岩塊に挑戦していただいた。


作業のようす。

主な武器は大ハンマー。最初の30分ぐらいほとんど効果がなくどうなることかと思ったが、岩塊を倒して平らな面を上に向けたことが功を奏して、ひびが入った。一度割れ始めたら、あとはあっけないくらいに簡単で、すべて30センチぐらい以下に分解できた。その間に三個ぐらいの骨化石が見出された。


ずいぶん小さな石が多くなった。

 私は、小さい岩石に挑戦。厚さ2~3センチぐらいの薄い岩片に割っていって骨の有無を調べ、入っていない岩片を土嚢袋に入れて廃棄場所に運ぶ。二時間程で想定した5袋を捨てて、本日の作業を終了。私の方では8個ぐらいの小さな骨化石を取り上げた。あまりめぼしい化石はない。


私の作業。黒いパレットにある石を割って、要らないものを左に積み上げる。


袋に詰めて廃棄物置き場へ。

 残る一抱えほどの岩塊は約10個。最初の半分以下にしたが、もっと小さい岩がたくさんあるので、要らない部分を捨てていかねばならない。つづきはまた。
 ご協力戴いたT・H・Kさん、学芸員のOさんにお礼申し上げる。


何を書いてきたか? その4(補遺)

2014年09月27日 | 化石
何を書いてきたか? その4(補遺)(臨時投稿)

 印刷物の一覧ができたので、製本も進みそう。また、別刷りもきれいに整頓できた。別刷りは、在職中のものがたくさんあったが、大部分を捨ててしまった。最後の頃のものと、退職後のものはある程度手持ちにしているから、必要な方に提供できるだろう。古いのも少数だけ保存している。このブログは、表面上匿名であるが、研究分野の近い方は、とっくに誰だか分っておられるだろうからご請求にお応えすることができるだろう。もちろん、別刷りを作製したのは学術論文やそれに準ずるものだけだから全体の半分以下しかない。


整理した別刷り。左上が古いもの。ごく最近のは量が多いからここに写っていない。

 最近は、別刷りという形ではなくPDFで配布されることが多い。ごく最近の学術論文は、PDFを用意しているが、古いものをPDF化するところまでは考えていない。ただ、ふたつの未公表提出論文(卒論と修論)についてはデジタル化してある。卒論はデボン紀に関するもので、そのうちの三葉虫記載部分だけは大学の紀要に英文にして掲載された。修論は中新世の哺乳動物化石のレビューで、受理された後にタイプし直して複数のコピーを作製し、関係の方に配ったが、これも別にデジタル化した。どちらもデジタル化にあたって、ミススペルなどを訂正して作製してある。内容が古いから見たい人はいないと思うが。これらとは別の博士論文は提出後に改善して印刷公表してあるから提出文はデジタル化していない。見直したらスペルミスなど多かったのも気に入らないし。
 「リスト」に288件の文章があると記した。「年齢かける4」より少しだけ多い。これには、署名のある新聞原稿など入れてないものがあることがわかっているので、追加したい(ニュースに対する紙上のコメント・談話等は「書いて」いないので、入れない)。リストと別に、このブログには今回で393回の投稿をすでに行っている。リストで抜け落ちているものなどを加えると、合計600件近くの「書いたもの」があることになる。来年末には「年齢かける10」に達するかもしれない。なお、「リスト」にある288件の総ページ数は1600を超える。ただし、共著のものも多いし、数行だけ、というのもあるから、実質私の書いた量は分らない。
 これらの件についてご質問・ご要望があれば、私にメールするか、ここにコメントをいただきたい。


何を書いてきたか? その3

2014年09月25日 | 化石
何を書いてきたか? その3

 私の「書いたもの」を調べている。その3回目。こんどは、対象とした生物の分類群を見てみよう。まず、大きな分類群で分けてみた。


どの分類群について書いたのか。横軸は印刷年。軟体動物は頭足類とそれ以外に分けた。

これも当然のこととして、哺乳類が最も多い。爬虫類がそれに次ぐ。それ以外は少ない。とくに植物と生痕に関してはほとんど記していないことが分る。両生類も少ないが、これは普通のことであろう。
 分類群の比率を見るために、円グラフにしてみた。


どの分類群について書いたのか。上の印刷年代の図よりも分け方が粗い。少ないところは、少ない方から 植物 他無脊椎動物 魚類+両生類 節足動物 である。

 地方別にみたとき、約半分が福岡県だったのとよく似ていて、約半分が哺乳類に関するものである。次いで爬虫類、鳥。鳥は漸新世のものが多い。分類群はバラエティーに富んでいて、いろいろと手を出していたことがわかる。
 哺乳類が一番多いので、これをもう少し細かく分けてみた。


どの哺乳類について書いたのか。横軸は印刷年。偶蹄類を鯨とその他の分けた。

 やはり専門の鯨に関するものが一番多いのは当然。「哺乳類一般」を除いた哺乳類110件中40%弱にあたる。次いで多いのが長鼻類で30%弱。三番目は奇蹄類に関するものだった。意外に少ないのが「鯨以外の偶蹄類」で4件しかリストに無い。瑞浪や滋賀県の脊椎動物化石をレビューした時にはたくさんのシカなどの偶蹄類を挙げたが、これらの文は長鼻類などの他のものと一緒に書いたものだから、「哺乳類一般」の項に含まれている。
 ついでに爬虫類も分けてみた。


どの爬虫類について書いたのか。横軸は印刷年。

 1991年に地元で恐竜が見つかってから、それに関して書く機会が非常に多くなった。カメも一緒に出てくるし、新生代のカメもいくつか扱ったことがある。「他の爬虫類」には翼竜類や首長竜類に関するものがある。


何を書いてきたか? その2

2014年09月21日 | 化石
何を書いてきたか? その2

前回、書いたものが「どんな地質年代に関するものか」を記した。ちなみに、カンブリア紀を1、オルドビス紀を2(該当無し)・・・完新世を16として、平均(絶対年代ではない)をとると、約11.30となる。このとき、年代のはっきりしないものは除いてある。11が始新世、12が漸新世である。1970年代から十年ごとの平均値もほとんど同じで、とくに古くなるとか新しくなるということはない。最初のころの専門が、デボン紀と中新世、最後の頃が白亜紀と漸新世であるからちょうど同じになったようだ。
 今回は「どこの地方のものを書いたか」調べた。県別のリストを作って各県の件数を数えた。


県別の件数。地図の島と湖はほぼ省略。黄色の都府県は0件。

この地図外では、沖縄県は0件、外国は、中国8件、アメリカ5件、韓国3件、ニュージーランド2件、ドイツ1件。あたりまえだが圧倒的に福岡県が多くて半分近くを占める。二番目も岐阜県で11%とかなり多い。関東以北(=地質なのでフォッサマグナ以東)はほとんどなくて、8件にすぎない。それらの中で本質的なのは、北海道の首長竜に関するものだけ。


地域の分布。記入していない二つは、一番少ないのが四国、次が関東以北。

なお、外国のものは、始祖鳥のように標本を解説したもの(中国・アメリカ・ドイツ)と、行ってきた結果を書いたもの(韓国・ニュージーランド・中国の一部)に分けられる。
 印刷年代順に分けると、在職中はもちろんほとんど福岡県で、プロットした三角形がつながってしまっている。


印刷年代と地域の関係。上の円グラフより分類がやや細かい。

 この図では、関わった県:岐阜・福岡・三重・滋賀を独立、それ以外をだいたい地方別にした。「西九州」には長崎・佐賀・熊本が、「南九州」には大分・宮崎・鹿児島を入れた(沖縄は該当無し)。
次回につづく


何を書いてきたか? その1

2014年09月17日 | 化石
何を書いてきたか? その1

退職後4年経ったので、これまでに書いてきたものを整理し始めた。目標は、書いたもののリストを作ること、できるだけそれらを集めて製本しておくこと、できたら別刷りを整理して御要望に応じてお送りできるようにしておくこと、である。すでに、研究論文的なものについては著作リストが作ってあった(ファイルはファイルメーカープロで作製)が、今回は範囲を広げて雑文などもできる限り集めようと思い立ったのだ。9月までの半年で大部分終了したので、その結果を記しておこう。
 集めたタイトルは288件。印刷されたものに、三つの提出したMS(卒論・修論・博論)を集計した。最初のものは卒論(MS)で1972年。論文的なものはこれまで4冊に製本してあって、111件。


製本した私の著作。下から1(1973-1977)2(1977-1982)3(1982-1998)以上がB5版。一番上にあるのがA4版で4(1985-2005)、それぞれ背表紙に名前と年が金押ししてある。

 製本していないのが、現在進行中のA4のものが51件と、主に雑文で今回集めたB5版のものが121件。リストにはタイトルが分っているのに、コピーが無いものが5件。おもに講演要旨である。また、製本済みの中に、印刷屋さんの手落ちで、別刷り中に乱丁があって、他人の文章を入れたものを納入されたために私の文章の記録がないのが数頁ある。これら不足の6件は皆さんに御協力をお願いしておいおい集めることにし、今回はまず書いたものがどんな地質年代のものかを整理してみた。次の図がその成果で、横軸は公表時期、縦軸は地質年代である。年代は下から 年代なし、カンブリア紀・オルドビス紀(該当無し)・シルル紀・・・と来て、第三紀からは暁新世(該当無し)・始新世・・・完新世、の順にプロットしてみた。


どの地質年代について書いたのか。横軸は印刷年。地質年代はもちろん下ほど古い。

 卒論はデボン紀、修論は中新世、学芸員時代は更新世・漸新世・白亜紀を扱ったから、それらが列をなしている。一方、オルドビス紀と暁新世は0件、カンブリア紀・石炭紀・三畳紀はそれぞれ1件しかない。(図では年代を数値に置き換えてグラフ化したつごうで、よぶんなすき間がある。)
 作ってみた印象としては、かなり広い範囲の時代の文章を記してきたことになる。学芸員時代は古生代がほとんど無く、漸新世と白亜紀ばかりで、まれに更新世が入る。
 今回専門外の方には御興味の無いことを記した。「こだわりデータファイル」を標榜しているのでたまにはこんなのも記したい。御意見をいただければうれしい。次回につづく。