学名を提唱する際のルールが命名規約。現在のものは国際動物命名規約(International Code of Zoological Nomenclature)の第4版である。
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137 命名規約 2000 日本語版 表紙
第4版日本語版の出版は2000.10.20、本の著者は「動物命名法国際審議会」、発行は日本動物分類学関連学会である。規約の発効は2000.1.1である。第4版からは日本語版も正文として認められた。それまでは、英語と仏語の正文だけしかなかったが、4版からはいかなる言語でも承認を経て正文を作成できるらしい。日本動物分類学関連学会には現在25の学会が加盟していて、私に関連するものとしては日本古生物学会がある。他に日本哺乳類学会にも以前は加入していた。
新種の命名にあたっては、この規約に従う必要がある。また、用語についても規約に掲載されていて、例えば「模式標本」という用語は、この版から「ホロタイプ」と変更された。また、昔命名された学名を引用するにあたって、このルールに基づいて変更する必要があることもある。例えば、固有名詞に由来する種小名は大文字ではなく小文字で書くことなどは以前から変わりない。ルールブックを手元に置いて、これに従うよう熟読するのが望ましい、のだが、実際には内容は理解しづらくて正直に言えば拾い読みしかしたことがない。
これまでの命名規約の歴史は、「国際動物命名規約」初版(1961)第2版(1964)第3(1985)。また、第4版の改訂が何度か発表されている。
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138 命名規約 1999 英語版 表紙
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138-2 命名規約 1999 英語版 内表紙
こちらが英語版。ほとんど読んでいないから、本棚の飾りになってしまっている。
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139 命名規約 1965 表紙
本の表題は、「第15回 国際動物学会議において採用された国際動物命名規約」で、手元のものは1970.4.20発行の3版である。北隆館発行。日本語に翻訳されたもので、原本は1958年に発効された英語・仏語のもの。最初に注意書きがあって、「諸問題の解決の根拠としては、英・仏両語版の正文を引用しなければならない。」としている。その上ややこしいことに最終ページには「この翻訳書準備中に原著の第2版(1964年)が発行された。として幾つかの改定事項が記してある。これが1961年に発行された国際動物命名規約の初版の翻訳である。
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140 国際命名規約提要 1992 カバー
1985年の命名規約第3版の概説である。著者は昆虫学者の渡辺千尚(わたなべ・ちひさ)(1907−1996)。