OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

アオイガイの修復

2017年07月31日 | 今日このごろ
アオイガイの修復

 4月24日に藍島で見つけた壊れたアオイガイを修復した。採集時の様子から考えるとずいぶんいい感じだが、けっこう大きな穴が空いていた。この穴を埋める試みをした。

1 拾ってきた破片(再掲)スケールは5cm

2 組み立てたもの(再掲)

 ここまでは、以前投稿した。今回はまず、十年以上前に採集したほぼ完全な別の標本のシリコン型を作成した。

3 必要部分のシリコン型を作成

 この型を穴の外側にあてて、型の内側にティッシュペーパーを濡らして貼っていく。だいたいできたら乾かして、そっと型を外す。

4 ティッシュで作った土台

 そこに瞬間接着剤を染み込ませて「土台」とし、固まったらさらにティッシュを貼って色調が貝の色と似てきたら終了。遠目にはなんとか形はできている。

5 だいたい完成

6 側面

 今回は波状の肋の再現は諦めて、全体の透明感と薄い殻の感じの再現を試みた。写真1や写真2と比べれば、ずいぶんよくなったが、まだ不満。もう少し工夫すれば波模様もできるかもしれない。例えば最初の「土台」を作るときに、ティッシュに水を含ませるのではなく、水性ボンドを含ませるとか。最初から瞬間接着剤を使うと、シリコンとの分離が悪い、それにしても自然の造形は美しくて、まねるのは難しい。

ホンビノスガイ

2017年07月28日 | 今日このごろ
ホンビノスガイ

 旦過市場を通ったら、魚屋さんにホンビノスガイが並んでいた。数年前からこれがあることに気づいていたが、写真を撮ることができたのでここに掲載する。ホンビノスガイは北米大西洋側原産で、1998年ごろに東京湾に侵入し、よく繁殖している。すでに東京付近では普通に出荷されるほど漁獲の対象になっている。大阪湾でも繁殖しているらしい。学名はたぶんMercenaria mercenaria (Linnaeus, 1758)で、もとは日本産の近縁種とともにVenus 属に入っていたのでビノスガイの名が使われた。日本の種類は東北以北に生息するMercenaria stimpsoni (Gould, 1861)。表面の同心円状の肋が日本の種類の方がはっきりしている。

旦過市場 2017.7.25
 Venusは美の女神ビーナス。音を合わせて「美の主」としてビノスとなった。日本貝類学会の機関誌が「Venus」である。ホンビノスガイはアメリカでは食用として好まれ、クラムチャウダーなどによく使われるという。日本のビノスガイは食用としてはあまり評判が良くない。
 旦過市場では「千葉県産」という札が付けてあった。貝の種類は札が無い。この貝を私はまだ食べたことはない。市場に並んだ別の店には「ハマグリ」があったが、模様はちょっと在来のハマグリとは違うように思った。現在大陸の種類との交雑が進んで在来のハマグリを目にすることは少ないというネットの記事もある。博物館にある古いコレクションのハマグリは貴重なものとなったのだ。

化石のお話

2017年07月25日 | 今日このごろ
以前から企画していたお話の会を開催します。
参加ご希望の方は、できればこのブログにコメントしていただくか、私のアドレスをご存知の方はご連絡ください。おおよその人数を知りたいので...
申し込みがなくても参加頂けます。万一満席の場合には(そんなことはないと思いますが)ご迷惑をおかけするかもしれません。

講座名 「化石・恐竜のAB志井」

   小倉には、いろいろな時代の化石がみられます。恐竜も発見されました。それぞれの化石について解説をいたします。

日程 計画回数  6 (隔月)
偶数月の第2火曜  午後7時から 1時間半から2時間程度
会場 小倉南区 志井市民センター (駐車場有)地図参照
参加費 講座参加は無料ですが、部屋の使用料・冷暖房費を分担してください。
主催 小倉南化石を語る会
講師 岡崎美彦 北九州市立自然史・歴史博物館名誉館員

第1回 8月8日(火)小倉の化石
第2回 10月9日(火)日本の恐竜
第3回以後 日時・テーマ未定

皆さんのご希望があれば、化石観察に出かけるかもしれません
解説は、大人の方を対象といたしますが、お子さんが参加されるのはかまいません。

ご注意
  次回以降の計画は、下記のブログに掲載しますのでご確認ください。

  ブログ 「OK元学芸員のこだわりデータファイル」
     http://blog.goo.ne.jp/okayoshi610creta
  「OK元学芸員」で検索すればすぐに出てきます。

小倉方面からおいでの方についてご案内します。
お車の方は、県道257号線の北九州高専のすぐ先です。
お車でない方は、西鉄バス「志井車庫行き」34番の「志井六丁目」で降車、進行方向に少し進んでください。
右側の進入路の入り口に市民センターの看板があります。その奥に市民センターがあります。(市民センターの建物は、道路からほとんど見えません。)

先日一部の方に誤った情報を申し上げました。以下のように訂正いたします。おわびいたします。
正しくは 会場の市民センターは、高専と志井小学校の間にあります。

父の遺した写真 49 ヘリコプター

2017年07月22日 | 鉄道
父の遺した写真 49 ヘリコプター

 小牧空港で何かのイベントで撮ったのか、ヘリコプターの写真がある。

49-1 小牧空港の大型ヘリコプター 1963.5.07

 このヘリは、機体番号がJA9509と記してあるのでそれから調べてみた。1963年川崎重工製作とあるから、就航間もない写真。所有者は「エアーリフト社(後に社名をカワサキヘリシステムに変更)」となっているが、エアーリフト社の創業は1967年だから、写真の時の所有者はわからなかった。登録が1969年だから、製作したものの売れていなかったのかも知れない。でもそうなら飛べるんだろうか? 機種はKV107、愛称「長良」の記入がある。2006年にアメリカに売られたそうだから、その時43歳! ヘリコプターって長寿なんだろうか。ひょっとしたら今でも飛んでいるかも知れない。

49-2 小牧空港の小型ヘリコプター 1963.5.07

 機体番号はJA7051で、愛称「まなづる」。ベル47Aという機種で、1959年末の登録、1967年3月に廃棄されているから、こちらは約7年とやや短命。ずっと中部日本新聞社の所有だった。「まなづる」という愛称のヘリコプターは他にもあるので注意を要する。

49-3 小牧空港のヘリコプター 1963.5.07

 デモ飛行に離陸する大型ヘリコプター。
 航空機はこれでおしまい。他に新三菱重工業の戦闘機の写真(製作工場と滑走路の機体)があったが、これは会社側の撮影のものなので、ここに出すのは差し控える。次回から他の交通機関を紹介する。
 写真の転載はご遠慮いただきたい。

椅子の張り替え

2017年07月19日 | 今日このごろ
椅子の張り替え

 いつも使っている机前の椅子は、数年前に家具店で買ったものだが、安ものだから張ってあるフェイクレザーがひび割れてきた。

1 肘掛のひび

 すでに座面は2年ほど前にひどくひび割れたから、シーツを切って上張りしてあるが、今回は肘掛け。背もたれはいつもムートンを掛けているから傷んでいない。肘掛けの材料は百均で買ってきたフェイクレザー。40cmかける30cmのものを長手に半分に切って使う。

2 フェイクレザー

 ネジを回して肘掛けを外す。

3 肘掛けの裏側

 止めているのはホッチキスのようなもので、所持しているM社の「ホビーホッチキス」というのが使えそう。ラジオペンチでホッチキスの針を抜くとこんな感じ。プラスチックの本体は、多孔質のもので出来ていて、ステイプラーが効く。

4 外張りを外す

 レザーの内側に灰色の薄いスポンジがあり、さらに肘の当たるところにはウレタンのような緩衝材が付けてある。位置をずらさないようにレザーを付ける。

5 針止め

 余分なレザーを切り取って完成。

6 できあがり

 実際には片方ができたところで針が無くなりそうだったから、N日曜大工店で替え針を購入。日を改めてもう一方を完成。

7 片方はまだ。

 手触りは十分に良くなった。見栄えはまあまあかな。材料費はフェイクレザー108円(一枚)、ステイプラー替え針410円(使ったのは20円分以下)。