OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

紫川の地層 1

2018年10月31日 | 化石
紫川の地層 1

 今年夏は台風の接近や豪雨が多かった。気が付いたら、紫川の河床礫が洗い流されて露頭が出ている。草も少ないから地質を見るチャンスと思って、中流域を歩いた。

1 水流が岩を洗っている 2018.10.28

 まずは上流側の桜橋から虹山大橋までについて、堤防から地層の見えるところをマークした。ほとんど上から見ただけで、走向・傾斜も測ってない。詳細を調べるのには、クリノメーターを持っていく必要があるが、恥ずかしいことに部屋を探しても見つからない。数十年使ってないから。下の予察的ルートマップに記入してある走向はおおよそである。
 数時間かけて踏破。桜橋までは自宅から徒歩35分、虹山大橋から自宅までが徒歩50分。幸いにして虹山大橋のそばに喫茶店があるから、終わったところで一休みして帰宅。

2 簡略化したルートマップ
記号は上から D 堰 B 変質した火成岩? A細粒砂岩 S 桜橋

 どうやら、Dのところにあった堰を取り除いたためにその上流の土砂が減ったようで、これより下流の様子は前と変わりなく、露頭も少ない。Aの黄色は堆積岩で、化石の可能性がある。とくに桜橋に近いところでは層理面が見える。Bのあたりは、露頭が広く露出していて、水面下にも見えるが、残念ながら化石の出そうにない地質である。北九州市発行(1969)の2万5千分の一地質図では、紫川付近は沖積色に塗られていて、河床の露頭は無視されている。1998年の「小倉付近の地質」(地質調査所)の図服範囲からは外れる。1959年の地質図で、近いところの山地・丘陵が「玢岩類」となっているからこの露頭に露出するのはこれだろうか?

3 Bの橋から上流側を見る 2018.10.28

 上の地図よりも下流には露頭がほとんどないが、下南方二丁目あたりに層理のはっきりした堆積岩があって、有望。ただしその露頭は中洲にあって接近が難しそう。
 私が興味あるのは化石だけ。そこで、A付近(桜橋下流)の露頭に絞って詳しく観察した。

4 桜橋下流の露頭 2018.10.30

(つづく)

右に何が書いてあるか?

2018年10月30日 | 変なもの
右に何が書いてあるか?(臨時投稿)

 自宅近くで見た幼稚園バス。ボディーに書いてある文字の右には何と書いてあるか? 

バス後部 2018.10.28 小倉南区

 2017年7月1日の本ブログで、トラック右側面の英語表記の会社名が、英語なのに右書きになっている珍しいものを紹介した。英語のはともかく、日本語の、それも短いものはしばしば見られるが今回紹介しているバス車体の文字も右書き。全体の姿は次の写真。

バス右側面 2018.10.28 小倉南区

 名称は、「学校法人 こども園 きっずこくらみなみ」である。スマイル顔の花をかたどったシンボルマークの下のローマ字頭文字はKKMでいいのだろう。もちろん左側面の文字は左書きになっている。「みなみ」が読めるために、一瞬混乱する。
 最近ネットで、「スジャータの名の入った車の表記が右書きから左書きに変更されている」という話があった。たぶん車右側面も徐々に左書きに統一されていくのだろう。
 写真を撮影した帰途、横にいたタクシーの右側面の会社名(2文字)も右書きだった。すぐ横にはTAXIと書いてあったが。

「AB志井」記録 その18

2018年10月28日 | 化石
「AB志井」記録 その18

 この記録は、連続講座「AB志井」に出てきた標本を順に並べたものである。なお、未公表の標本については、画像のサイズないし解像度を下げたものにした。あしからず。

第六回「私を魅了した化石」 2018年6月12日(前回の続き)

標本6-23 松ケ枝洞窟のサイ下顎
産地 北九州市門司区恒見
時代 更新世
文献 徳永, 1930; 進藤, 1941; 岡崎, 2007
発見 不明 進藤氏?
保管 九州大学博物館

6-23 松ケ枝洞窟のサイ下顎
Lower jaws of Dicerorhinus cfr. nipponicus Shikama

標本6-24 九州工業大学(元)のサイ上顎臼歯
産地 北九州市門司区恒見
時代 更新世
文献 岡崎, 2007
発見 博物館O 1990
保管 北九州市立自然史・歴史博物館

6-24 九州工業大学のサイ上顎臼歯
Upper molars of Dicerorhinus cfr. nipponicus Shikama

標本6-25 五色龍歯(正倉院御物)
産地 インド?
時代 更新世
文献 鹿間, 1955

6-25 五色龍歯 写真は正倉院HPから
6-25 Goshiki-no-ryushi (a molar of Palaeoloxodon namadicus stored as traditional medicine since 8th century). 
正倉院HPでは種名が「ナウマン象」と誤記されている。

 このシリーズでは連続講座「AB志井」で解説を行った標本の写真を示した。北九州市の脊椎動物を中心に解説したから、全部で86点のうち同市内産のものが38点、同市外の福岡県内14点と6割近くを占める。他には山口県(7点)岐阜県(8点)が多い。外国のものは9点で、アメリカがやや多い。地質年代で見ると、最も多いのは漸新世で36点、なかでも芦屋層群とその相当層が29点を占める。次に多いのは更新世のもので、17点、次いで白亜紀前期で、関門層群のもの(12点)。
 分類群では、長鼻類が21点と最も多い。次いで19点の鯨類で、他には11点の無脊椎動物、10点の爬虫類、同じく10点の鳥(すべてプロトプテルム類)と続く。これら以外も限られていて、奇蹄類(5)鯨以外の偶蹄類(4)魚類(4)海牛類(1)地質現象(1)であった。
 ほとんどの写真は私が撮影したが、一部印刷物やネットから拝借したものがある。不都合があれば当方で判断の上削除するのでご連絡いただきたい。

「AB志井」記録 は今回で終了。

1970年の北海道旅行 その8 摩周湖

2018年10月25日 | 昔の旅行
1970年の北海道旅行 その8 摩周湖
Trip to Hokkaido in 1970. Part 8. Lake Mashu

Abstract: The Lake Mashu is famous for its high transparency and beautiful scenery. I walked a part of outer rim of the lake caldera.

 6月22日1145に摩周第三展望台に着いた。天候は快晴。霧の摩周として有名だが何度か行った経験では湖面はいつもよく見えた。この日は4時間ほど摩周湖外輪山を歩いた。

8-1 摩周湖 1970.6.22
Lake Mashu
 摩周湖の写真をたくさん撮ったが、みなさんお馴染みの景色なので、一枚だけ。

8-2 摩周外輪山のシラカバ 1970.6.22
White birch

8-3 エビネ? 1970.6.22
Calanthe

 第三展望台から外輪山の稜線の小道を反時計回りに4キロほど歩いた。東側にある中央火口丘の摩周岳の火口内壁が見えるところに達した。

8-4 摩周岳火口 1970.6.22
Crater of Mashu-dake volcano

 少し戻ったところに、摩周湖の岸に降りる小道があった。現在摩周湖は透明度を守ることなどのため湖面に近寄ることが禁止されている。多分当時も禁止されていたのだろうが、表示もなかったので降りてみたが、何ということもなく急坂を登って外輪山稜線に戻る。

8-5 摩周湖の昔の地形図 1957年6月発行「摩周湖」5万分の一

 1545第一展望台発のバスで1615弟子屈に着き、1621発の釧網本線貨客混合列車(C58が牽く)に乗車。このころ釧網本線の列車は郵便車・客車・それに貨車を一緒に連結した混合列車が多かった。次の写真は翌日撮影した混合列車で、機関車はC58だった。

8-6 釧網本線の混合列車 原生花園駅 1970.6.23(再録)
Mixed train of freight and passenger cars.

 斜里1800着。斜里駅も後に改称されて現在は知床斜里。斜里で宿泊。

「AB志井」記録 その17

2018年10月22日 | 化石
「AB志井」記録 その17

 この記録は、連続講座「AB志井」に出てきた標本を順に並べたものである。なお、未公表の標本については、画像のサイズないし解像度を下げたものにした。あしからず。

第六回「私を魅了した化石」 2018年6月12日(前回の続き)

標本6-19 千畳敷の海牛脊椎骨
産地 若松区千畳敷
時代 漸新世
文献 岡崎, 1984
発見 博物館F 1982.8.2

6-19 千畳敷の海牛脊椎骨
6-19 Two caudal vertebrae of a dugongid from Wakamatsu. Oligocene.

標本6-20 馬島の奇蹄類脛骨
産地 小倉北区馬島
時代 漸新世
文献 未公表4
発見 亀井・多田隈・高津氏 1984.6

6-20 馬島の奇蹄類脛骨
6-20 A tibia of a perrisodactil from Umashima. Oligocene.

標本6-21 稲築のアミノドン類歯
産地 嘉麻市稲築炭鉱 
時代 始新世
文献 祝原, 1963;岡崎, 2010
発見 田振氏 1953

6-21 稲築のアミノドン類歯
6-21 A lower premolar of an amynodontid from Kama City. Eocene.

標本6-22 直方のアミノドン類犬歯
産地 嘉麻市稲築炭鉱 
時代 漸新世
文献 岡崎, 2010
発見 黒河氏 2007.1.28

6-22 直方のアミノドン類犬歯
6-22 A canine of amynodontid from Nogata City. Oligocene.