OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

11月の馬島 その1

2011年11月26日 | 今日このごろ
11月の馬島 その1

潮の良い日に晴れると海に行きたくなる。ここ二日ほど冷え込んで、北風が強かったから、漂着物が面白いかもしれない…..というわけで、11月22日(火)馬島に向かった。以前行った若松海岸で痛めたのか、それとも姫島の自転車こぎが悪かったのか、少々股関節が痛いので昼過ぎまでの3時間弱だけの浜歩き。少し寒いが天気が良くて陽の当たるところは暖かい。この日に備えて準備したU社の非常に軽いダウンが有効。
船着き場から峠を越えて砂浜へ。


1 漂着物の少ない砂浜

期待した漂着物は少なくてがっかり。気温も上がってのどかな浜を歩く。どういうわけか砂に足を取られたカマキリが一匹。


2 君はなぜここいるのだ?

貝類は少しだけ。きれいなビワガイがある。磯にさしかかると、小石が多くて化石を探すが不調。


3 ビワガイ


4 転石中に化石を探すが、無い。

無いときは無いので、先に進む。
(つづく)

鉄道ICカード

2011年11月22日 | 鉄道
鉄道ICカード

11月18日に、SUICA のサービス開始10周年だとの記事があった。同様のカードを積算すると1億枚を超える発行枚数だという。すでに国民一人当たり1枚に近いわけである。こんな短期間で社会に定着した新機構は数少ない。
最初東京地区で導入された時のことは全く覚えていない。ところがつい先日、博物館のショップで鉄道展にちなむグッズの中にスイカ開始時に配られた宣伝カード(2001年)を見つけて購入した。宣伝カードのことで価値があるわけでもなく、たった100円だったが、たまたま数日後に前述のSUICA のサービス開始10周年という記事があって、良いタイミングであったと感じた。


スイカ開始時に配られた宣伝カード(2001年)。

スイカを初めて購入した時に、その便利さに驚いたが、当時は限られた範囲にしか使えなかった。当時はパスネットの時代だったが、チャージのできることが新鮮だった。利用できる範囲は限定されていた。それが今や全国の多くの鉄道に利用可能になったのも驚くばかり。乗り換え時の便利さはすごい。全国鉄道乗り潰しの時には重宝した。その後も機会があれば購入することにしているが、私の興味あるのは鉄道関連だけだから、バス会社だけしか使えないのは今後は集めるのをよそう。
あまり知られていないが、本家スイカのほかに「分家」ともいうべき「モノレールスイカ」と「りんかいスイカ」というのがある。それぞれ東京モノレールと東京臨海高速鉄道の発行するもので機能はスイカと同じ。従ってどれか一つ持っていれば十分であるのだが。


スイカ。左の二つはデザインや右下の切れ込みが異なる。

スイカにも種類があるらしいが細かいことは不明。他に何かの記念ICスイカというものがあるかもしれない。住んでいる都市以外の記念カードをいちいち入手するのは至難のことなのであきらめることにする。


記念スゴカ4種。左上から時計回りに、スゴカデビュー・スゴカ一周年記念・ピタパ イコカ共用記念・ニモカ スイカ共用記念。

スイカ以外の大都市の複数鉄道にかかわるものを挙げると、東京圏のPASMO、名古屋圏のTOICAとmanaca、関西圏のICOCAとPiTaPa、が「大手」というべきもの。それに福岡・北九州圏の三種を加えるべきか。


イコカ・トイカ・マナカ。ピタパとパスモは未収集。

福岡圏のSUGOCA、nimoca、はやかけん は鉄道やバス乗車に関する限りほとんど同じ機能になった。私の生活にはSUGOCAを用いていて、JR・西鉄バスに用いている。北九州モノレールはテストを実施したが導入はまだ。北九州市営バスは「ひまわりバスカード」というのがあるが、「回数乗車券」という扱いで他とやや異なる。


左上から時計回りに、スゴカ・ニモカ・大分交通バスの「めじろんニモカ」・はやかけん。

「大手」以外のICカードに次のものがある(鉄道のみ)。括弧内は使用できる鉄道線で、発行者はそれと同じとは限らない。Kitaca(JR北海道札幌地区)SAPICA(札幌市営地下鉄)NORUCA(福島交通)せたまる(東急世田谷線)でんてつハイカード(日立電鉄)LuLuCa(静岡鉄道)ICa(北陸鉄道)passca(富山ライトレール)Ecomyca(富山地方鉄道市内線)らんでんカード(京福電鉄)Hareca(岡山電気鉄道)スカイレールICカード(スカイレール)IruCa(高松琴平電鉄)ICい~カード(伊予鉄道)ですか(土佐電鉄)RapiCa(鹿児島市交通局)。


左上から時計回りに、岡山のハレカ・土佐電鉄の「ですか」と、・北九州市営バスの回数券「ひまわりバスカード」広島県内のバス各社で使用できるパスピー。

ここまでで27種類。以上参考:Wiki他。今後も発行されていくだろう。ご存知のように、カードを保持するのに500円かかるので(定期券など例外はある。)収集にはかなりのお金がかかる。収集したのは「大手」ではPASMOとPiTaPa以外のもの。11種中9種なのでまあまあ。しかし「大手以外」では入手したのは16種中2種(Harecaとですか)と成績が悪い。現地に行かねば手に入らないのでやむを得ないかな。KitacaとSAPICAは欲しいな。北九州モノレールの導入が遅れているのはなぜだろう。
なお、写真はすべて私が所持するもの。定期券類や引き落としのできる多機能・特殊なものはリストから除いた。

鰭脚類フィギュア 第16回 水晶

2011年11月18日 | 鰭脚類フィギュア
久しぶりに 鰭脚類フィギュア 第16回 水晶

水晶細工というのは、入手の機会はあまりない。すべてミネラルフェアで入手したもので、たぶんブラジル産だろう。細工のレベルもいろいろある。


ブラジル水晶

長さ5.5センチ。透明な水晶製。後肢下面にシールがあって、読みにくいが「MADA IN BRASIL」とあるようだ。「Brasil」はポルトガル語表記で、「Made in」と英語で来るなら英語表記の「Brazil」の方が良い。


ローズクォーツ アシカ

長さ5.5センチ。薄いピンクのローズクォーツ製。ローズクォーツは紅石英とも呼ばれ、水晶中の不純物が色を出している。ミネラルフェアで入手した。上と同じシールが貼ってある。彫刻技法もデザインもほぼ同じで、たぶんブラジル産。


黄水晶 アシカ

長さ1.5センチ。集めた中で最小。黄色の透明鉱物でたぶん黄水晶(シトリン)だろう。小さいので工作はあまりなく、形はよくない。たぶんブラジル産。


アメシスト アシカ

長さ4.5センチ。薄い色のアメシスト製。質は良くない。これもたぶんブラジル産。

 
水晶彫り込み

水晶の最大長さ7センチ、アシカの長さ3センチ。水晶の錐面に近い面を一面研磨してそこにアシカの形を彫り込んだもの。50ドルと書いたシールが貼ってあったが、今回良い写真を撮るために剥がした。水晶の他の面(柱面・錐面)も磨いてあって、自然の結晶面ではない。

 
水晶彫り込み金

これも水晶の最大長さ7センチ、アシカの長さ3センチ。同じく彫り込んだものだが、こんどは内部に金泥を塗り込んであり、ずっと見やすい。造型もよく、金色のアシカが水晶の中に閉じこめられたように見える。水晶の磨き方はいい加減で、自然のままの柱面も見られる。これら二つとも、ミネラルフェアで入手したがその後は見かけない。これら「彫り込み」のものは、「フィギュア」の中に含めるのもどうかと思うがまあいいでしょう。

今回紹介したのは6種6点。通算89種112点。14番目の関係国ブラジルが参加した。

姫島へ(その3)

2011年11月14日 | 旅行
姫島へ(その3)
 

27日(木)、また自転車を借りて10分ぐらいで北西の岬である観音崎へ。ここは国の天然記念物の黒曜石の場所である。岬は旧火口の火口壁の一部でここに黒曜石が露出しているという。


12 観音崎手前のがけ。

50メートルほどの登りがあるので敬遠して手前の指定地外の石浜で探して見ると少しは転がっている。姫島の黒曜石は灰白色で、他の産地のものと全く外見が違う。それで、考古遺跡の石器の中に見いだされ、近年の微量分析技術の発達以前から産地が特定できることから交易圏の推定などの論議がされてきた。
来たところを戻り、船着き場を通り越して西端の「ス鼻」に向かう。ス鼻はナウマンゾウの産地であるが、まだ潮が引かないので望み薄。途中国東半島を遠望すると、なだらかな裾野と侵食された中央部がよくわかる。


13 両子山(左右に縮めてある)。

写真は大体二分の一に左右を縮めてある。何しろ非常に傾斜が緩い。国東半島の半径が15キロぐらいなのに対して両子山の標高は約720メートル。傾斜は1キロに対して48メートルぐらいだから、箱根登山鉄道なら直登してしまう。
ス鼻はやはり満ち潮で見るところが無い。


14 ス鼻。

また10分自転車を飛ばして船着き場に戻る。貸自転車の時間を2分ほどまけてもらって、1時間の料金を払い、すぐ前のフェリー乗り場へ向かう。


15 第二姫島丸。

次の10時25分発のフェリーにちょうど良い時刻なのだが、一つ問題がある。これに連絡する国東ゆきのバスが、伊美港に寄らない便なのだ。歩いて7分ほどの車庫にある「伊美」バス停発で、他の便は港に寄るのに。港で聞くと約10分ほどの距離だが急がないと乗れないという情報。パチンコ屋裏の細い道にあるという。
乗船したのは行きと別の第二姫島丸。第一よりも小さく見えたが、調べて見ると総トン数などほとんど同じ。製作年の違いによるのだろうか。フェリーが少々遅れて、降りたのが発車時刻の7分前。早足で乗り場に急いでちょうど発車時刻にバス停に到着。すぐに国東行が発車する。調べてなかったらとても乗れなかった。姫島の方は何か聞くととても親切に教えていただけるので助かった。
国東市行のバスは、両子山のすそ野の指のように伸びた尾根を多くのトンネルで抜けてゆく。


16 姫島遠望。

左側に行ってきた姫島が見える。右側の高い山が290メートルほどの矢筈岳、左のが100ほどの達磨山、中央の低いところに船着き場がある。
30分ちょっとで国東の町に入る。運行経路は複雑で杵築方面への乗継は重複経路が長いのでどこでもいいという。結局車庫で降りて45分ほどの待ち合わせ。なぜか同一会社なのに乗継の時間が長い。大分行のバスに乗車して1時間弱で杵築バスターミナル、さらに乗り換えて杵築駅に向かった。杵築駅でも到着した時に小倉行きの特急が出ていくのが見える、という不親切な乗継。駅前の小さな食堂で、遅い昼食をとって時間を潰し、1時間後の特急で帰宅した。
印象としては思ったより家から行きやすく、自家用車なら日帰りで十分。今後も訪れてみよう。何といっても象牙化石を採集できたのは目覚ましい成果である。今後も象化石の採集できそうな全国でも数少ない場所である。

今回の旅行で、国東半島の海岸線をまわった。「全海岸線制覇」(海岸線から10キロメートルまで近づくとそこを制覇したことにしている。)はまだまだ遠い夢であるが、一つクリアしたことになる。全国で44か所あったのが43か所に減った。九州では佐田岬など6か所が残っている。制覇していないところは日本主要四島の8.92%で、今回9%を切った。知床岬の先端など、事実上ほとんど不可能なところもあるが減らしたい。
また二万五千分の一地形図の訪問は、浜・竹田津・香々地・姫島・富来浦・鶴川・下原の7葉に初めて足を踏み入れた。島しょを除く九州の訪問率はずっと上がって75.9%に達した。残念なことに。国東半島中央の両子山図幅と、南岸の住吉浜図幅には足を踏み入れなかった。次の機会にぜひ。
なお、大分交通のICバスカード「めじろんnimoca」を入手した。


姫島へ(その2)

2011年11月10日 | 旅行
姫島へ(その2)

丸石鼻からの帰途、大きな転石の表面に象牙が出ているのを発見。最初は白い転石か珪化木かもしれないと思ったが、象牙特有の構造があるので間違いなさそう。掘り出しを試みたが、非常に風化が進んでいてボロボロである。長さは40センチ弱、直径7センチほどの小型の牙である。採集は失敗といっていいぐらい割れてしまった。


6 象牙化石発見!

写真に見えている側は白くて丈夫そうだが、向こうに進むと薄茶色の風化した泥のような物に変わってしまう。その先は礫層に切られているので、向こうが地層の上位。一部を採集したが、家で長時間乾燥してから処理する必要があり、それでも形が見えるようになるかどうか。
場所から考えて唐戸層かと思われるが転石なのではっきりしない。アケボノゾウの門歯と考えていいのだろう。私自身の象化石の発見は2回目。最初は秋吉台西台の採石場内の裂罅堆積物中から、親指の爪ぐらいの長鼻類エナメル質を見つけただけだから、最初といっても良いぐらい。現在の日本では、瀬戸内海に船を出さない限りそうそう象化石が見つかるものではない。恐竜の方がよほど見つけやすい…..かな?。

歩きにくい丸石の上を戻ってやっと自転車の所にもどる。次はアサギマダラの休息地の訪問。
姫島には5月と10月にアサギマダラがやってくる。渡りをする蝶なので、その中継地となっているのだ。春の方が数が多いそうだ。春と秋とは姫島でも違う場所に集まる。春の休息地は先ほど自転車を停めたあたりだが、秋は途中から東に向かう道の峠にあるトンネルの手前とのこと。分かれ道に立派な看板があって見落とすことはない。春と秋で場所が違うので、看板の赤字の部分は貼り替えられるようになっている。


7 分かれ道の看板。

標高は50メートルあり、途中から自転車を押して坂道を500メートルほど進む。一度下ってすぐまた登ると右側にちょっとした広場があってフジバカマがたくさん植えてある。


8 蝶の休息場。

先客が二人。その回りをアサギマダラが舞っている。近づくと花に止まっていたのもひらひらと離れるが、人を警戒することも少なくまた花に寄る。ずいぶん大きさに違いがある。ちょっと見たところ100匹ぐらいいるだろうか。


9 フジバカマにとまるアサギマダラ。

中には蝶の渡りを研究するためにフェルトペンで数字や記号が記入してあるものもいくつかいる。後で聞いたところでは、ここで記入したものだそうであるが、研究のためとは言えちょっと無粋。


10 マーキング個体。

聞いたところでは、このフジバカマの御花畑は、蝶を呼ぶために植えた物だそうだ、とくに前から集まる場所ではなかったそうだ。後で船着き場近くの一番人家が密集しているところを回ったときに、空き地に数本のフジバカマを植えた場所があったが、そこにもアサギマダラが数頭いた。人為的に休息地を作れば、集まることもあるわけである。

アサギマダラの乱舞にも飽きてきたので、3時過ぎに快適な下りを通って宿へ。宿は集落の北の方にある旅館で、島内に一つしかない信号機のそば。到着して、すぐそば象の化石が展示してある「離島センター」なるものがあることを聞きつけて訪問。島の西端「ス鼻」から昭和30年頃発見されたナウマン象の化石や、近くの海底から網にかかったナウマンゾウ・シガゾウの標本が展示してある。そこにずっと以前に会ったKさんも来ていただいて、標本の補修や展示方法について少々アドバイスをする。この島に3種類もの長鼻類が産するというのは興味深い。


11 展示してあるナウマンゾウの門歯

夕食は名産のクルマエビが出ておいしかった。夜はヒマな時間をつぶす場所がない。島内にはカラオケぐらいしかないそうだ。近くにある温泉にも行かず、もちろんカラオケも行かないで休む。寝つこうと思ったら隣の3人の男性が呑み始めて、ずっと大声で話し続け1時半過ぎまで寝られなかった。旅館タイプはちょっと苦手。

明日は国東半島を回って帰宅の予定。

(つづく)