OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

鰭脚類フィギュア 第2回 セイウチもどき

2011年07月28日 | 鰭脚類フィギュア
鰭脚類フィギュア 第2回 セイウチもどき

今回はセイウチと思われるがちょっと変なのを紹介する。現生鰭脚類は2つの群に分けられ、後肢が陸上で前に向くもの(アシカ科とセイウチ科)と陸上でも後方に向いたままのアザラシ科に区分される。セイウチは牙があるので分かりやすい形状なのだが、後肢の形を作るときにアザラシを参考にしたのであろうというものがある。


軟質 セイウチもどき

長さ18センチ。他と違ってよく伸びる軟質のプラスチックでできていて、内部に何か粒状のものが入っているので変わった感触。2005年10月韓国に行ったときに、デジョンの博物館で購入。刻印は「WALRUS」「REG NO PA 11489(HK)」「ALL NEW MATERIAL」「MADE IN CHINA」。後肢は水平に後方に延びているので間違っているとは言えないが、姿勢が悪い。眼も大きくて「人相」が悪い。


中国 セイウチもどき

長さ14センチ。刻印は「MADE IN CHINA」だけ。なんだこれは?鼻孔の下の前面に黒い横線があるが、ヒゲを表現したのか?虎縞に見える。体表の凹凸を作るのに、粗い布目を使っているが目立ってしまって悪い。牙の方向も着色も変。何といっても後肢の方向が垂直対向なのは泳いでいるときならあるかもしれないが、前肢で示される地上の姿として変。


透明セイウチもどき

長さ14センチ。刻印は「MADE IN CHINA」だけ。実は上のものと同じ型からできている。しかし、材質が異なり、うす橙色の透明感のあるプラスチック。とくに腹部は半透明である。着色は雑。眼も牙も橙色一色。鰭の先端だけが黒くスプレーしてある。


鰭丸 セイウチもどき2種

長さ8センチ。左のフィギュアは刻印は「AAA」「WALRUS」「MADE IN CHINA」。右のは「丸くMADE IN CHINA」「C 1991」「WALRUS J CE」。二つは非常によく似ているが鼻孔の向きなどに違いがある。おそらく右手前の方がオリジナルで、左のものはそれから型取りして改変したもの。後肢はアザラシ型で変。AAAマークの意味は不明。


多色セイウチもどき3種

長さ5センチ。6個あるが、3種に分かれ、中央前後の二つがおそらくこの中ではオリジナル。腹部下面に「CHINA」「13」の刻印がある。左列の二つと右列の向こう側の三つは胸部下面に「CHINA」の刻印がオリジナルとは場所も向きも異なる。右手前のものは、牙の着色がないが、刻印は胸部下面の「CHINA」が消えかかっている。作りもこの順で悪くなる。後肢は垂直対向。

今回ご紹介したのは、8種11点。通算13種17点。関係国は前回までの6か国に軟質セイウチもどきの入手国・韓国とその商標登録地香港(中国と別に数えよう)が加わって8か国。第3回はプラスチック製のアシカ科のものに入る。


長時間停まらない列車

2011年07月24日 | 鉄道
長時間停まらない列車

以前、大阪から名古屋に移動したときに、近畿日本鉄道の特急を利用した。大阪上本町から近鉄名古屋までの特急券を買って乗り込んだ。上本町803名古屋着1012なので2時間ちょっとの乗車であった。アーバンライナーネクストという車両。


近鉄アーバンライナーネクスト(近鉄名古屋駅)。

大和八木に途中停車したときに、その次が終点名古屋であるというアナウンスがあった。1時間36分も停車しない。ふと疑問に思ったのだが、こんなに長く停車しない私鉄列車があるのだろうか


近鉄切符

帰って早速ざっと調べてみた(以下見落としもあるかもしれない。JTB時刻表3月号調べ。)。まず新幹線では1時間以上停車しない列車は「のぞみ」新横浜・名古屋など100列車以上もある。しかし1時間30分を超えるのは、上越新幹線の停車しない「とき」一往復のみで、上りが1時間40分、下りが1時間37分。非常に稀だ。
JRの昼の特急でも、1時間30分を超える列車はほとんどなく、「スーパー北斗」15号の函館・東室蘭間の1時間46分(これだけが森に停車しない)と臨時列車の「道南さくらエクスプレス」上り(東室蘭・五稜郭:2時間37分)だけ。

また私鉄は「私鉄時刻表」などを見たが、近鉄の大阪・名古屋特急だけが1時間30分を超える(近鉄時刻表2009年号しか手元になかった。)。パターンは鶴橋・名古屋間(2時間ちょうどから1時間58分:15列車)、乗車した大和八木・名古屋間(1時間45分から1時間36分:7列車)のふたつ。どうせ乗るなら停車しない2時間の便を選ぶべきだったのかもしれない。昼の定期列車で国内最長だったのだ! 大都市間を結ぶ近鉄の特別な位置を感じた。なお、近鉄以外の長い私鉄の非停車区間は小田急の「スーパー箱根」で1時間10分程度の区間である。

ここまで、触れないようにしてきたが、お気付きのように夜行列車にはもっともっと長い区間がたくさんある。「トワイライトエクスプレス」の新津・洞爺間(上り12時間!!下り11時間39分)、「カシオペア」上り函館・仙台7時間21分、下り盛岡・函館5時間46分、「北斗星」の仙台・函館間(上り7時間06分、下り7時間05分)の人気3列車が上位6位まで(5時間以上)を占める。12時間の連続走行っていいなあ。以下1時間30分以上が少なくとも26区間(同一列車の二か所でのものを含む)もある(季節列車などを含む)。もちろん運転士交替などの運転停車はあるのだが、時刻表では判らない。

ついでにそんな長い区間をどのくらいの表定速度で走っているかというと….。
「とき」はもちろん一番速くて約200km/hぐらい。「スーパー北斗」15号は107km/hで意外に速い。近鉄特急は95 km/hほど。夜行列車はやっぱり遅くて70 km/hほどで走っている。「サンライズ瀬戸・出雲」の下りが、浜松・姫路間4時間13分を96.6 km/hで駆け抜けているのは、さすが電車寝台。上記はすべて営業距離なので実際に走る速度ではないが、かなり近いと考えていい。


鰭脚類フィギュア 第1回 セイウチ

2011年07月20日 | 鰭脚類フィギュア
鰭脚類フィギュア 第1回 セイウチ

鰭脚類のフィギュアが目についたら手に入れることにしている。「どうして」と聞かれると困る。最初は鯨にも手を伸ばしかけた。しかし、お土産屋さんに、鯨のフィギュアは多すぎる。それにかわいらしくデザイン化したのは嫌いなのでそういったのが多い鯨は早々に止めた。恐竜も多すぎるし。そんなわけで鰭脚類。保存スペースも限られるし予算も多くない。一応歯止めのために次の条件で集めた。
1 手のひらサイズ以下。だからゴマちゃんクッションは不可。
2 自然の姿を写すもの。だからデフォルメされたアニメチックなのは不可。ガラス製などそうも言ってられないのはあるが。
3 保存のきくもの。だからオットセイチョコレートは(あっても)不可。
4 3と関連して、毛皮加工品は歓迎しない。石・鉱物製は歓迎。
5 磁石で貼り付けるレリーフ的なのは歓迎しないが目につけば入手する。

総数は数えていない。この連載が終わると種類数と個体数が判明する。これまでに集めたものの半分以上はプラスチック製である(たぶん)。形の自由が利くだけに優れたものが多いが面白みには欠ける。種類の認識は成型ものでは刻印があったりして判ることもあるが、たいていは判らないので、あてずっぽう。

初回はプラスチック成型のセイウチを紹介する。見分け方は簡単で、牙が上顎から下方に伸びている。


サファリ セイウチ

長さ12センチほどの比較的大きなもの。刻印は下面に「World Safari Walrus」「c 2004 Safari Ltd., Miami FL」「MADE IN CHINA」「CE」ロゴ。以下では、刻印は「」で改行関係を表し、c,sなどを囲んだ○は省略して示す。「ロゴ」としたのはデザイン化した文字。「CE」ロゴは、EUの基準を満たす製品に付けられた記号。


シュライヒ セイウチ

これも長さ13センチほどで大きい。刻印は下面に「WALROSS 1:32」「CE」のロゴ「Schleich S」「GERMANY c 97」「MADE IN PORTUGAL」と書いてある。ちょっと気になるのは後肢の向きで、通常は前を向くがこれは後ろを向いている。その時に爪が見えているので足の裏を地面に向けていることになるがこれでいいのだろうか?これについては次回「アザラシ型?セイウチ」で再検討。


ブリテンズ セイウチ

長さ7.5センチ。裏側は平面ではなくて凹んでいる。刻印は右前肢に「COPYRIGHT 1975」左前肢に「BRITAINS LTD ENGLAND」。


カロラータ セイウチ

長さ5.5センチ。よくあることだが重複して入手したので、方向を変えて撮影。刻印は下面に「18 c 2004 COLORATA WALRUS」。COLORATAは日本の商社。できは良くなくて後肢の形が鰭状でないのが気になる。


不明 E セイウチ

長さ5センチ。刻印は左後肢に「E」だけ。できは良くない。バリが取ってないのに加えて、牙が茶色とは!塗る手間を省いたな!

今回ご紹介したのは、5種6点。関係国はアメリカ・中国・ドイツ・ポルトガル・イギリス・日本の6か国。第2回は「なんちゃってセイウチ」を紹介しよう。

ティッシュペーパーアオイガイ(その2)

2011年07月16日 | 今日このごろ
ティッシュペーパーアオイガイ(その2)

破損したアオイガイの修復を試みている。
ティッシュにしみ込んだ瞬間接着剤が固まるのを待ってから、内側のシリコンラバーを取り去る。きれいに取り除いたら、内側と外側に更にティッシュを載せていく。欠損部分から余りはみ出さない方があとで楽。この時に瞬間接着剤が多ければより透明感が増し、少ない目なら白色になる。ティッシュをちぎって修復部分を埋めていく。必要な厚さに盛り上げるが、厚すぎるとあとで大変。


ティッシュを載せたところ。

固まったら、ナイフで余分なティッシュを切り取り、さらにルーターで貝殻の形をまねて彫刻する。


彫刻の途中。

少し透明になりすぎたところもあるが大体出来上がり。穴ができたり、周辺の棘の部分のように足りないところは、同様にして盛りつけて、乾いてから彫刻する。


ほぼ完成。少し着色するといい。

表面のツヤの調整は、ツヤを出すには瞬間接着剤をたらしてすばやくふき取っていく。たいていはツヤが出すぎるので、瞬間接着剤用のはがし液をつけてふき取る。これを繰り返していく。少しだけ着色して tissue paper nautilus の出来上がり。やはり、均一な半透明感を出すのには失敗した。でも写真の撮り方によってはかなり感じが出たようにも撮れる。


完成写真。

上の写真、やはり自然の美しさにはその足元にも及ばない。色塗りは失敗。事前にもっと表面を調整しておかないと滑らかに塗ることはできなかった。色塗りだけでもやりなおそうかな?

使った材料 シリコンラバー:若干  ティッシュペーパー:少々  瞬間接着剤:2g 弱  アロンアルファはがし液:微量  絵の具:微量
使った道具 カッターナイフ・ルーター・ダイヤモンドやすり・ピンセット・小筆
かかった費用 瞬間接着剤とシリコンラバーが経費の大部分。200円を超えることはない。材料の内、シリコンラバーはやや高価で、歯科材料店で購入。それ以外は百円均一でも手に入る。道具の内、ルーターはホビー用の電池式の安物なので作業効率が悪い。やすりは最近よく百円均一で売っているもの。やすりの代わりにサンドペーパーを用いると、黒い砂が隙間に入ってあとで取り除くのが大変なので止めた方が良い。

7月に入って、4日に1回の投稿に減らしています。あしからず。今月はこれでいってみて、原稿ストックの量によってまた考えます。


白骨イノシシ

2011年07月12日 | 今日このごろ
白骨イノシシ

7月7日、例によってウォーキングに出かけた。目的地は東にあるトンネルの上にある峠道。といっても、旧道があったわけではなくて、並行して走る高速道路の側道である。通る人もいないので路肩に草が生い茂っている。最初のところがかなりの急坂で、大汗をかく。峠を越えたところで、高速道路の反対側の側道につながるトンネルがある。2万5千分の一には載っていない。反対側の側道は全通しておらず切れ切れで、この部分に行くにはトンネルだけしかない。従って通る人もなく、朝まで降っていた雨の影響か路面を山水が走っている。アスファルト面の水を吸いにイシガケチョウが来ている。


吸水しているイシガケチョウ。

しばらく誰も来たことがないところに、動物の白骨が散乱している。最初は頭骨、つづいて左右の下顎骨、ちょっと離れて大腿骨が一本、少し進むと、後半身の骨が集まっている。動物はイノシシ。第一から第二臼歯が萌出しているが、乳歯が残っているので、だいぶん大きくなった子供のイノシシ。


イノシシ頭骨。


左右の下顎骨。乳歯を使っていて、第三臼歯が未萌出なのが分かる。

帰途は峠を越えずにトンネルを選択。坂ではないので楽なのだが、500メートル以上も景色がなく、またすぐ横を大型車が通り、通過後も騒音が反響するのでウォーキングとしては良くない。
モノレール車庫の横を通った。パークアンドライドの関係で中に入れるのでちょっと進入。事務棟の北側に、以前見た彫刻があるのを知った。この彫刻は、モノレールが今の平和通までだった(当時の駅名は小倉駅)ころ、道路の上の空間に作られた駅の下の分離帯にあったもので、「いのちのたび」という題だったはず。ひらがなか漢字が含まれていたかもしれない。上が圧迫されたうす暗いところだったのもあって評判が悪く、モノレールがJR小倉駅まで延伸された折りに撤去されたのだが、こんなところに保存されていたのだ。撮った写真を拡大して見ると、何か解説板のようなものが見えるので今度見に行こう。なお、博物館の名称とは関係がない。


保存されている彫刻。

モチーフは象か何かの動物とアンモナイトのようにも見える。広くて明るいところで見ると、それほど悪くはない。でも象?の上部が水平にカットされているのはどうかな?以前、駅の下の高さがここまでだったから切れているのだが。