OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

戸畑祇園大山笠

2012年07月30日 | 今日このごろ
戸畑祇園大山笠

昨日(7月29日)夕刻の戸畑祇園を見に行った。日程をよく調べておかなかったので、土曜日の「競演会」ではなく、各山笠の運行を見ることとなった。まだ明るいうちに戸畑駅に降り、浅生通りに行くと、180メートルほどをしめ切って、二つの山笠が置いてある。その周りに揃いの衣装の人が数百人路上に座り込んでいる。山笠は戸畑祇園のおなじみの姿ではなく、小さな幟山笠である。
誤解していたので、浅生通りから区役所までの全部を往復するものと思っていたが、観客の動向を見るとちょっと様子が違う。区役所前と駅前の両方に観客がいるのだが、その間にはいない。何人かの方にどこで何がどうなるのかを聞いてやっと今日の祭りの様子を少し理解した。結局駅前に戻って提灯山笠の姿に変わるところを見た。


1 提灯山笠の組立が始まる

ちょうど暗くなり始めた頃、頂部の周りに下につける提灯のセットが集められる。中央にやぐらを組んでいく。デジカメの写真なので明るく見えるがもう少し暗い感じ。提灯の照明はろうそくだから、すこしまたたく。


2 やぐらの組み立て

一気にやぐらの頂上に先端の提灯を持ち上げる。結構バランスが難しそう。


3 全体の形ができて行く

先端を固定すると、ここからは手際よく下の提灯列が取り付けられる。ちょうど暗くなって見栄えが良い。


4 山笠を担いで往復する。後は若戸大橋のシルエット

8時頃、でき上がったところで、座り込んでいた皆さんが担いで往復する。今日はこの道路の150メートル程だけ。昨日は各所から集まった8基の山笠が揃って区役所前の順回路を回ったのだが、この日は一ヶ所2基だけなので、それほど元気が良いわけではない。
人の多いところは苦手なので、ちょっと見ただけで帰宅。

今回は臨時投稿。次回は8月2日を予定。7月は4日ごとの投稿を守った他に2回の臨時投稿をしたので合計10回。多数のアクセスに御礼。できたらコメントをしていただけるとうれしい。

篠山市で恐竜発掘事業に参加しました その2

2012年07月29日 | 旅行
篠山市で恐竜発掘事業に参加しました その2
Digging dinosaurs at Sasayama City, Hyogo Prefecture 2011: Part 2

丹波市に来て、恐竜化石発掘事業にボランティア参加している。
2日目も、朝から同じ作業をする。候補となる石の小割りだが、割りやすい石はまるで食パンの厚切りのように板状に割ることができる。一方機嫌の悪い石は最初のひと割りすら容易ではない。均一ではない石に限って丸くて手がかりが無い。割っていっても化石らしいものはほとんどない。生痕化石かと思われるものや、干上がった痕跡である乾裂があったので、一応採集しておく。しかしお目当ての化石骨はおろか、巻貝や二枚貝も無い。今回掘り返す所の半分以上を掘り上げた。
作業に参加していたのは、博物館の学芸員と篠山市のボランティア、それにユンボの運転手と私。全部で15人ぐらいである。皆さんまじめで、成果が上がらないのに黙々と作業を進めておられるから、ひとりだけさぼるわけにも行かない。時にザッと夕立があるが、涼しくなるわけではなく、かえって蒸し暑くなる。
昼食は、近くのコンビニで買ってきて、公園内に復元・移築してある大きな農家の縁先を借りて食べる。風通しが良く、軒も深いので気持ちが良い。昼休みはここでうたた寝をする。
午後も同じ。とうとう何もないままにこの日が終わってしまった。一日目と比べるとずいぶん楽である。身体が慣れてきたのだ。
3日目、昼過ぎにここを発って帰宅するので、今日こそ何か見つけようとの気持ちでスタート。しかし何もない。11時過ぎになって向こうの方で大きな声が上がる。ついに一個の脚の骨が見つかった。私ではなくて残念だが。化石骨は関門層群の見慣れた黒い断面とは印象が異なっていて、表面に白い鉱物ができている。丹波市の化石骨もそうだった。後にこの化石は、最初に見つかった膝の部分の延長にあたるということになった。


5 化石骨発見でみんなが集まる
Discovery!


6 発掘場所の全景
Place of digging

発見を機会に、一段落した所でみなさんに挨拶して帰宅。この地点はこれからも発見が可能である。発掘も再度行うことになりそう。
篠山・丹波地区の白亜紀前期の地層・篠山層群では、有名な丹波竜産地を含めて4か所から恐竜化石が発見された。今後期待のできる地層だが、他の恐竜化石産地と比較して亀化石が少ないことや足跡化石が未発見であることが目立つ。研究者の間では篠山市内における哺乳類化石の発見が大ニュースで、恐竜などかすんでしまうほどの出来事なのだが、一般にはあまり知られていない。トカゲなどの他の脊椎動物の産出も見逃せない。北九州の関門層群とよく比較され、無脊椎動物では同じ種名が使われている。他に無いので仕方なく使っているのかもしれないが。関門層群の今後の発見のヒントになると思うので何度か訪れた。


7 丹波市下滝の丹波竜発掘(2007年2月)
Another place of digging in Tamba City, Hyogo Prefecture, 2007

実は私は丹波竜や哺乳類の発見に敬意を表して、丹波市に恐竜関連の図書の寄贈を行った。図書は現在丹波市山南の恐竜化石工房で公開されている。ちょっと行きにくい場所なのだが、興味のある方は一度ご覧頂きたい。恐竜関連のイベントも行われているらしい。


8 寄贈した図書
Display of dinosaurs books donated by OK at Sannan, Tamba City

(この項目終り)

篠山市で恐竜発掘事業に参加しました その1

2012年07月25日 | 旅行
篠山市で恐竜発掘事業に参加しました その1
Digging dinosaurs at Sasayama City, Hyogo Prefecture 2011: Part 1

今回はちょっと古い話で、ちょうど一年前に行われた発掘に参加した記録である。事業を行ったのは兵庫県立人と自然の博物館で、そこにご迷惑をかけるといけないのでしばらく遠慮していたが、一年経ち、関係者の了解もあったので記録しておく。それに、先月古生物学会で丹波竜の下あごの発見の研究報告があった際に、この発掘の成果についても言及されたので、思い出された次第。
発掘場所は、篠山市の県立丹波並木道中央公園の中。篠山市の西部の丘陵地帯を切り開いた公園で、切り崩した岸石中からアマチュアの方が小型肉食恐竜の膝からひじの辺りの化石骨を見つけたことから、他に骨がないか掘ることになったもの。発掘は数日間行われたが、私の参加したのは2011年7月25日から27日までの3日間だった。
北九州から篠山に行くとなると、意外に時間がかかり、昼前には到着できない。昼頃篠山駅に迎えに来てもらって、現地へ。篠山駅から並木道公園までは車ならすぐ。広い公園で敷地の中に段差があって、そのうちの一つの段を作るために運び込まれた岩塊から化石が出たので、そこを掘り直して一個一個見直そうというもの。駐車場のすぐ上だからこのうえもなく便利である。


1 発掘場所
Place of digging

今回の対象場所は、フェンスで囲われた細長い土地で、そこをユンボで30センチ程掘り下げる。写真の右側(南側)の斜面を削った石で埋められているようだ。


2 ありそうな岩塊をチェック
Check by matrix of rocks

出てきそうな石は、岩質で見分ける。最初に発見された標本と同様のちょっと混じり物の多い石をチェックしてゆく。


3 軽く水洗い
Washing

当然泥まみれなので、洗って見落としの無いようにする。


4 水洗い
Washing

候補となる石をきれいに洗ってから、こぶし大にまで割って、化石の無いことを確認する。私がやったのは、主にこの小割りである。40年以上愛用の、エスティングハンマー(チゼル)を持参したので割るのには疲れないが暑い。
ちなみに、私の家にあるハンマーは、これの他に、エスティングの同じようなチゼルの小型ハンマー(旅行用)、それにタガネ撃ち用の玄能2本(特に使い分けはない)、クリーニング用の小さな金槌の計4本。他にも以前使っていた岩石ハンマー5~6本などがあるが、使わない。岩石用のピックなどは、もっぱら庭の芝生の通気穴開け用に成り下がってしまった。
午後から参加したが、何とも暑い。やや曇ってはいるものの、また、小割りをする場所にはテントで陽射しを避けているものの、蒸し暑くてすぐに飲み水が無くなって行く。午後だけなのにバテ気味であった。なんとか終業までもちこたえて、ホテルへ送っていただく。篠山駅からすぐのホテルだが、篠山の市街地ははるかに東に行った所であり、駅前はほとんど何もない。横にあるレストランで夕食。夕食後は歩く所もないので、ホテルでテレビを見るしかない。

(つづく)

30年前の夏

2012年07月21日 | 昔の旅行
30年前の夏
Summer of 30 years ago

前回20年前までさかのぼったので、もうすこしさかのぼってみた。
30年前の夏には何をしていたのだろうか?
就職後間もない1982年の7月末には岐阜県の福地温泉にいた。就職後数年経った頃で、化石の採集のための出張だった。福地温泉は卒業研究でお世話になった場所で、デボン紀・シルル紀の化石層が天然記念物に指定されている。指定地を避けてデボン紀の石灰岩の化石を探した。幸運にも三葉虫の良い標本を一個見つけた。


6 30年前に採集した三葉虫。July 1982. KMNH標本
Devonian trilobite Crotalocephalus from Fukuji, Gifu Prefecture.

天候に恵まれず、多数の標本というわけにはいかなかった。

40年前の夏には何をしていたのだろうか?
学生時代の1972年7月には福地温泉で化石ガイドのアルバイトをしていた。早起きして裏山に登り、夜明の北アルプスを撮影した写真がある。


7 夜明の北アルプス。July 1972.
Sunrise of the Hotaka and Yari peaks.

小さな私立展示館があって、そこに来る観光客に化石の解説を行ったり、お土産屋さんの店員をしたりしていた。リクエストがあれば、化石採集に同行することもあった。この年8月には大阪教育大学の学生さん達を案内した。


8 学生さん達を一の谷へ案内。Aug. 1972
Student excursion to fossil sites at Fukuji in 40 years ago.
(顔部分を画像処理しました。)

このころは、北海道を中心とした蒸気機関車の撮影に熱中していた。この年も温泉のお客様が一段落した8月末から北海道に行った。詳しくは「最後の蒸気機関車」シリーズを。

50年前の夏には何をしていたのだろうか?
1962年当時は高校1年生。このあたりになるとほとんど記録が無い。仲間と岐阜県土岐市辺りに化石採集に何度か行っていたようだ。初めて化石を採集したのは、さらに5年さかのぼった1957年(小学校5年生)。夏休みの宿題として、父に連れられて岐阜県大垣市の金生山にペルム紀石灰岩を見に行った。その時はウミユリとフズリナ、それに名のわからない巻貝を採集できたくらいだった。写真は55年前に初めて採集した化石。ただ私ではなく父が採ったのだろう。


9 岐阜県金生山産ペルム紀ウミユリ。Aug. 1957.
Permian crinoids from Ogaki City, Gifu Prefecture, one of my first fossil collections.


10 岐阜県金生山産ペルム紀巻貝。Aug. 1957.
A Permian snail from Ogaki City, Gifu Prefecture, one of my first fossil collections.

二度目は中学校の理科の先生に指導されて瑞浪の化石を採りに行ったのが1959年(中学校1年生)。写真はその時採った化石。ただし同行したS先生からいただいたもの。瑞浪の豊富な中新世化石に驚いたが、腕力がなく悔しい思いをした。


11 岐阜県瑞浪産ユキノアシタ。Summer of 1959.
Miocene Cultellus from Mizunami City, Gifu Prefecture

後に大学院修士課程ではこの瑞浪産の化石を題材にしたのだから縁が深い。
(この項おわり)

今月からこのブログのプロバイダーが、ブログのアクセス数上位3万までの順位を表示するようになった。当ブログの順位がちょうどそのあたりで、日によって順位が出たり(3万位以内)出なかったりする。全数は170万ぐらいだから上位2パーセント以内には入っていることになる。もう少しデータが出てきたらまとめて報告しよう。とくに1パーセント以内に入ったら。
アクセス御礼!できたらコメントを。

梅雨明け

2012年07月19日 | 今日このごろ
梅雨明け
End of the rainy season

まだ気象庁の発表はないと思うが、私としては北九州の梅雨は今日(19日)明けた。毎年蝉の鳴き声で判断しているが、ニイニイゼミが梅雨明けより前に鳴き出し、アブラゼミとクマゼミが鳴き出すと梅雨明け、と感じる。今年のニイニイゼミは2週間ほど前から聞こえていた。アブラゼミは本日、クマゼミも1匹だけ弱い声で鳴いていた。


1 クマゼミの抜け殻 7月19日
A cast-off shell of a cicada, Cryptotympana.


2 鳴いているアブラゼミ 7月19日
A singing cidada, Graptopsaltria.

といっても、早朝のことは知らないので、朝鳴くクマゼミはもうすでに鳴いていたのかもしれない。
10日ほど前に隣家の煉瓦積みにアゲハチョウの蛹が付いた。見つけたのは孫で、大きな幼虫型の前蛹だったが、2日ほどで煉瓦と同じ茶色の蛹に変わっていた。この家にはミカンやカラスザンショウが無いので、周りを見ると、幅7メートルほどの道路の反対側にナツミカンの樹がある。そこから歩いてきたのだろうか。


3 アゲハの蛹
A pupa of swallowtail butterfly, Papilio.

豪雨が止んだ日の昼頃、気がついたら羽化したらしく蛹が空になっていた。孫は隣に止まっている黒いアゲハチョウを朝見たそうだ。


4 脱皮殻
A cast-off shell of the pupa.

さてここで問題。このアゲハはどの種類か?蛹の突起の形で分かるそうだが、私は知らない。「黒いアゲハ」でありそうなのは。クロアゲハ・カラスアゲハ・ミヤマカラスアゲハ・ナガサキアゲハ・モンキアゲハの5種類もある。ナツミカンが食草とすると、ナガサキアゲハ・モンキアゲハのどちらかかな?結論が出ないので、分かる方の御教示を待つ。

今回は季節ネタなので、臨時の投稿。次回は21日(「10年前の夏」のつづき)を計画しているが、このところコンピュータが不調なのでどうなるか分からない。原稿はいっぱい用意してあるのだが。