OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

1993年のニュージーランド研究旅行 その9 オタゴ大学

2016年07月31日 | 昔の旅行
1993年のニュージーランド研究旅行 その9 オタゴ大学
Research trip to NZ, 1993: No. 9 Otago University

 オタゴ大学(University of Otago)は、ニュージーランドでも最も古い大学(1869年創立)で、ダニーディンにある。



9-1, 9-2 オタゴ大学構内
Campus of the Otago University
 構内は美しく、観光客も見られる。石造りの建物が多く、黒い火山岩と白い堆積岩を巧みに使って見栄えがする。

9-3 地質学教室に入るドア
A door to the Department of Geology

9-4 廊下に掲げられたスタッフ表
Staff list

 地質学教室の建物も古く、ドアはハンドルの位置が高い。中に入ると廊下は意外にせまく、曲がりくねっている。地下にある化石処理の機械の音が一階にまでかすかに聞えてくる。そこでは技師のGさん(故人)が器用さと根気の良さ、それに大変な好奇心ももって、化石を処理し、レプリカを作製している。
 トイレは広くて便座は奥の方にある。ドアをノックされたらどうやって返事をするのかとうとう分からずじまいだった。博士の部屋の前にちいさな展示室があって、多くの化石標本が並んでいる。

9-5 展示されていたサメの歯の化石。
Exhibited fossil shark tooth


父の遺した写真 8 名鉄線

2016年07月28日 | 鉄道
父の遺した写真 8 名鉄線

 父の撮影テーマは社会化教材だから瀬戸線以外の電車が走っている写真は少ない。名鉄線では今回の3枚の写真以外には、近く、はっきりと写ったものがない。

8-1 名鉄西枇杷島駅 平和ビルから 1968.7.1

 平和ビルは現存するようだ。写真を撮ったビルから振り返れば国鉄東海道本線や東海道新幹線が見えたはず。写真手前の名鉄本線の右方向が新名古屋。陸橋は県道67号線で、その向こう右に遠く見える電車は犬山線。本線の左側に曲って行く線は犬山線ヘの渡り線や係留線として現在も使われている。父はこのころ西枇杷島町(現・清須市)に勤務していた。

8-2 名鉄二ツ杁駅 1968.8.10

 二ツ杁は、西枇杷島の一つ岐阜よりの駅。東から撮った写真で、電車は河和行きの上り。このビル(二ツ杁ビル)は現存しない。

8-3 玉ねぎ栽培 横須賀町 1958.3.2

 玉ねぎ畑のむこうを、常滑線の電車が走っている。「横須賀町」としか書いてないので、河和線の可能性もある。
写真の転載はご遠慮いただきたい。


1993年のニュージーランド研究旅行 その8 研究

2016年07月25日 | 昔の旅行
1993年のニュージーランド研究旅行 その8 研究
Research trip to NZ, 1993: No. 8 Fossil research

 2月2日1725にダニーディンに到着。博士のご自宅に案内される。家は傾斜地にあって、道路から見ると平屋に見えるが、下り傾斜を利用して「地下室」にあたる階がある。庭はすべて低い位置にある。きれいに整えられて、花が咲いている。

8-1 庭から見たご自宅
The Home of Dr. F.

 この日から数日間(見学旅行の一泊をはさんで)部屋を一つお借りして滞在することになる。家族のことは今回は記さない。博士は朝車でオタゴ大学に出かけ、研究(といってもこの間はほとんど私たちのために時間を割いて下さった。)をする。昼食の他、10時と15時にティータイムがある。教室の一つに研究者がほとんど全員集まり、思い思いにコーヒーや紅茶を飲む。

8-2 ティータイム
Tea time at Geology Department

 夕刻、一端自宅に帰るがたいていはもう一度研究室に戻って研究を続ける。というのも、ニュージーランドには「夏時間」があって、この季節は時計が一時間早くなっている。だから夕方の定時ごろは「昼間」であり、夏時間9時ころまで明るい。
 私たちも博士と行動を共にした。教室内での行動は自由、標本の見学・撮影は自由、コンピュータの関連データ読み出しも自由。このあと数日間使って、多数の標本・文献を参照することができた。

8-3 保管されている化石標本。
Fossil whale specimen

 私が九州で研究していた化石鯨は、ニュージーランドのある標本に似ている、と考えていた。最初にその標本、それに近縁の数種類を調べた。大変に参考になったのだが、同時にそれらとはちょっと違う種類であることが明らかになった。

8-4 ニュージーランドの鯨化石標本
Fossil whale specimen

 写真の一番手前の頭の骨、それにその左上にある標本が近いかな、と思った種類。でもこれらは少し進化の進んだ種類で、むしろ右奥の床に置いてあるものがかなり近い。
 昼食は大学の近くにあるレストランへ。夕食も同じように食べに行く。


久しぶりの藍島 3

2016年07月22日 | 今日このごろ
久しぶりの藍島 3

 海岸は風があって気温も街中より大分低く、日陰は快適であった。予定通り13時30分の船で小倉へ。

9 日陰で一休み 2016.7.14

10 帰りのこくら丸 2016.7.14

 何か島で会議のような行事があったらしく、市の職員などが乗船してきた。いつもなら昼の便はガラガラなのだが、今日はすこしだがお客さんがいる。島にいた時間は2時間20分、時間が短いから疲労もそこそこだった。
 小倉に着く直前、右側に新しいサッカースタジアムがおおよそ外見を現わし始めている。トップリーグに進むのは難しそうだが。

11 ギラバンツ・スタジアム 2016.7.14

 化石採集の「試運転」がうまくいって、望外の良い標本が採集でき、ごきげんな一日だった。小倉駅で喫茶店に入って一休みの後帰宅。

12 採集した標本 2016.7.14 スケールは5センチ

 表面が風化で失われているが、脊髄孔の周りに骨の表面があり、滑らかなのでプロトプテルム類の可能性が高い。脊髄孔が小さいので後方の脊椎骨。たぶん尾椎で、そうだとするとやや大型のプロトプテルムである。側突起は表面で少し摩耗しているが。中に埋もれてほとんど壊れていないようだ。なお、骨の周りの色の着いた部分が、発見時岩の表面だったところ。その周りの色の薄い部分は、採集時に割り込んだところ。裏側には化石は露出していない。採集方法がうまくいってお手本のような標本と、自画自賛。
(この項目おわり)


久しぶりの藍島 2

2016年07月19日 | 今日このごろ
久しぶりの藍島 2

 化石を彫り出すのは、藍島のように硬い砂岩ではちょっとめんどうである。

5 溝掘り 2016.7.14

 すわり込んで作業開始、化石の周りに溝を作る。

6 溝完成 2016.7.14

 溝が浅ければ、下にまだ化石が続いている所で割ってしまう。

7 やっと採集 2016.7.14

8 採集した標本 2016.7.14

 これは、たぶんプロトプテルムの尾椎骨。これまでにあまり見つかっていない部分なので、翌15日博物館に寄贈済み。
(つづく)