今回から、治療の記録を記す。6回ほどかかる予定。
I. はじめに
この記録は、私が5年半ほど前に始め、最近終了した癌治療の経過について記したものである。私自身の記録とする他に、同じような治療を受けておられる方々のご参考に役立てばと思って書いたもの。記録にあたっては、固有名詞はイニシャルで記した。
治療中元気づけてくださり、ご心配いただいた家族や友人の皆さんに感謝する。また治療や診断をいただいた医療関係者の皆さんに深く御礼申し上げる。入院中にいろいろと教えていただいた同じ階の患者の皆さんに感謝する。とくに私が退院後間も無く亡くなったOさんに感謝を述べ、ご冥福を祈る。
治療の経過を、次の4つの時期に分けて記す。
1 体の不調から癌の確認まで (2015年10月から2016年4月)
2 手術から退院まで (2016年4月)
3 抗癌剤治療 (2016年5月から12月まで)
4 経過観察 (2016年12月から2021年5月まで)
最後に現在の状況と、いくつか気になること、それに今回の治療で知ることができた最近の検査方法の知識などを記す。
いろいろと専門でないことを記したから、多くの間違いがあるだろう。ご指摘をいただければ幸いである。
II. 経過
1 体の不調から癌の確認まで
2015年10月ごろから、たびたび食事の後に腹痛を感じた。激しい痛みではなかったが、何かこれまでにない異常を感じた。そこで、11月に胃腸科で診察を受けたが、検便の結果潜血があり、内視鏡検査を薦められた。その医院では内視鏡検査を扱わないということだった。行きつけの内科医院で事情を話して紹介状をいただき、K国立病院機構で検査を予約した。
実際の検査は、予約の空きが無かったため2016年1月になった。前日夜から絶食して、当日下剤を飲み、検査に臨んだ。睡眠導入剤で眠り込んだ状態で検査を受けた。結果を通知された時、薬がまだ効いていたから私の記憶はないが、妻が聞いてくれた。
なお、最初に使った睡眠導入剤は、何か私に合わないところがあったらしく、点滴針を入れた左手甲の静脈が硬くなったから、医師にその旨申し出た。二回目からは別の薬剤に変更され、その後は異常無かった。カルテに記録されていたから、その後5年間に数回行った内視鏡検査でも変更した薬剤を用いた。左手の静脈の硬化はまもなく解消した。
大腸内にポリプ(複数個)があったため2016.2.15に入院してポリプの除去を行った。初日家で下剤を飲んで消化器をきれいにし、入院した。内視鏡手術だから、ストレスは少ない。翌日から軽い食事をし、3日目にはやや普通食に近い食事が出た。しかし、私の(濃い目好きの)舌には合わない。
2016.2.16の食事。大腸内視鏡手術の直後だから消化の良さそうな薄味のもの。「5分菜食」というもの。
2016.2.17の食事。おかゆになり、やや普通食に近い。「軟菜食・全粥」という分類が書いてある。
除去したポリプの一個に癌が見つかった。大腸癌の治療指針では、ポリプの内部だけの癌はそれを除去すればよいとされ、その境界は、ポリプの傘部分から根元側1mmまでという。私の場合は、ちょうどその境界部分までにとどまっていた。医師から、「どうされますか」と聞かれたが、もちろん可能性があるのなら検査を受けたいと答えた。この時受けた検査は、CT(造影CT)の他MRI検査(主に調べたのは肝臓)・エコー(各部)・上部消化管内視鏡検査であった。MRIは、磁気を使って体内の水素原子の状態を図化する方法であるが、この時には「肝臓に癌はない」との診断結果であった。エコーは、超音波の体内での反射を利用して組織の境界を知る手段で、この時の検査では肝臓に癌の転移がある可能性を見出した。上部消化管内視鏡検査は、喉の刺激に敏感な私は事前に恐れていたのだが、喉にジェルのような薬を吹き付けられ、さらに睡眠導入剤を点滴されると何の記憶も苦痛もなく終了した。その結果、胃・十二指腸に癌は見出されなかった。
I. はじめに
この記録は、私が5年半ほど前に始め、最近終了した癌治療の経過について記したものである。私自身の記録とする他に、同じような治療を受けておられる方々のご参考に役立てばと思って書いたもの。記録にあたっては、固有名詞はイニシャルで記した。
治療中元気づけてくださり、ご心配いただいた家族や友人の皆さんに感謝する。また治療や診断をいただいた医療関係者の皆さんに深く御礼申し上げる。入院中にいろいろと教えていただいた同じ階の患者の皆さんに感謝する。とくに私が退院後間も無く亡くなったOさんに感謝を述べ、ご冥福を祈る。
治療の経過を、次の4つの時期に分けて記す。
1 体の不調から癌の確認まで (2015年10月から2016年4月)
2 手術から退院まで (2016年4月)
3 抗癌剤治療 (2016年5月から12月まで)
4 経過観察 (2016年12月から2021年5月まで)
最後に現在の状況と、いくつか気になること、それに今回の治療で知ることができた最近の検査方法の知識などを記す。
いろいろと専門でないことを記したから、多くの間違いがあるだろう。ご指摘をいただければ幸いである。
II. 経過
1 体の不調から癌の確認まで
2015年10月ごろから、たびたび食事の後に腹痛を感じた。激しい痛みではなかったが、何かこれまでにない異常を感じた。そこで、11月に胃腸科で診察を受けたが、検便の結果潜血があり、内視鏡検査を薦められた。その医院では内視鏡検査を扱わないということだった。行きつけの内科医院で事情を話して紹介状をいただき、K国立病院機構で検査を予約した。
実際の検査は、予約の空きが無かったため2016年1月になった。前日夜から絶食して、当日下剤を飲み、検査に臨んだ。睡眠導入剤で眠り込んだ状態で検査を受けた。結果を通知された時、薬がまだ効いていたから私の記憶はないが、妻が聞いてくれた。
なお、最初に使った睡眠導入剤は、何か私に合わないところがあったらしく、点滴針を入れた左手甲の静脈が硬くなったから、医師にその旨申し出た。二回目からは別の薬剤に変更され、その後は異常無かった。カルテに記録されていたから、その後5年間に数回行った内視鏡検査でも変更した薬剤を用いた。左手の静脈の硬化はまもなく解消した。
大腸内にポリプ(複数個)があったため2016.2.15に入院してポリプの除去を行った。初日家で下剤を飲んで消化器をきれいにし、入院した。内視鏡手術だから、ストレスは少ない。翌日から軽い食事をし、3日目にはやや普通食に近い食事が出た。しかし、私の(濃い目好きの)舌には合わない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/3a/f19299ff36251f5c976ed0050d578f06.jpg)
2016.2.16の食事。大腸内視鏡手術の直後だから消化の良さそうな薄味のもの。「5分菜食」というもの。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/90/b511a0f3b0db2ca69aae5af1456eeb18.jpg)
2016.2.17の食事。おかゆになり、やや普通食に近い。「軟菜食・全粥」という分類が書いてある。
除去したポリプの一個に癌が見つかった。大腸癌の治療指針では、ポリプの内部だけの癌はそれを除去すればよいとされ、その境界は、ポリプの傘部分から根元側1mmまでという。私の場合は、ちょうどその境界部分までにとどまっていた。医師から、「どうされますか」と聞かれたが、もちろん可能性があるのなら検査を受けたいと答えた。この時受けた検査は、CT(造影CT)の他MRI検査(主に調べたのは肝臓)・エコー(各部)・上部消化管内視鏡検査であった。MRIは、磁気を使って体内の水素原子の状態を図化する方法であるが、この時には「肝臓に癌はない」との診断結果であった。エコーは、超音波の体内での反射を利用して組織の境界を知る手段で、この時の検査では肝臓に癌の転移がある可能性を見出した。上部消化管内視鏡検査は、喉の刺激に敏感な私は事前に恐れていたのだが、喉にジェルのような薬を吹き付けられ、さらに睡眠導入剤を点滴されると何の記憶も苦痛もなく終了した。その結果、胃・十二指腸に癌は見出されなかった。