OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

おおみそか 今年のデータ

2011年12月31日 | 今日このごろ
おおみそか
今年一年が早くもおわってしまう。このブログを見ていただいている皆さんの応援に感謝する。来年もよろしく。
というわけで、2011年のデータをまとめておく。
○2010年全国制覇した鉄道は、2011年3月開通した九州新幹線にすぐに乗車したし、すぐ後の3月末開通の名古屋地下鉄の延伸部に5月に乗車した。現在「完乗」タイトルを保持している。しばらく新線の開業がなさそうだし、2012年度開業予定の広島県可部線は新線ではなく復活なので開業しても乗りに行く必要はない。次の開業は2013年度のものがある。他に東北の被災地の鉄道が違う所に復活したら未乗車部分が出来る。また八ッ場ダム関連でもそういう事がありうる。
○震災の関係もあって遠くへの旅行が少なかったので、県境越えの回数は59回と少ない。2003年の48回以来の少なさである。1965年からの平均82.7と比べても、ずいぶん少ない。記録のある県境越えは、通算3888回。ただ、古い所の記録はずいぶん欠落がある。
○最後に訪問してから長くたつ県はワースト1が山形県(最後の訪問2005.1.23)、次いで島根・鳥取・長野・新潟(以上は2006年に訪問)その次に四国4県と山梨・和歌山(以上2007年)が続く。逆に山陽新幹線は毎年利用しているので、山口・広島・岡山・兵庫・大阪、それに京都・滋賀・愛知の各府県はここ12年間毎年通過・訪問している。
○市町村は、全数1920のうちこれまでに1634(85.10%)を訪問。主要4島の市町村に限ると、88.25%である。2011年初めにはそれぞれ85.01%、88.20%なので少しだけ増えた。これは10月に姫島に行ってきたときに訪問。他に合併などで少し動いた。行っていないところは、村が多くて今後訪問できそうな所は少ない。訪問率を増やせそうなのは市かな。主要4島の90%あたりが当面の目標。
○ 2万五千分の一地形図は4320図幅中2705を訪問(62.6%)島を除くと66.9%で、やっと3分の2。地形図の記録はHP閲覧が難しくなりそうで、データの存続が危ぶまれる。
○海岸線接近は、10km のオーダーで91%ぐらい。2011年は鞆付近と国東半島を制覇。鉄道を完乗しているのだから、今後はバスの利用が鍵になる。
○一級河川は全数109のうち、静岡県の狩野川だけ渡ったことが無い。
○ブログは4日に一度の更新を2011年後半はおおよそ守ることができた。このペースでしばらく続けたいが、5日に一度に変更を検討中。コメントが少ないのが残念。みなさんよろしく。
よいお年を。


越冬蝶

2011年12月27日 | 今日このごろ
越冬蝶

秋からよくウォーキングに出かけている。暖かい日を選んで歩くので11月に入ってもモンシロチョウが見られるが、越冬するチョウもよく見かける。写真を試みるが敏感な種類は撮れない。撮影できても、位置や姿勢がよくないのも多い。


キタテハ(再掲)10月11日若松
海岸に近い小道で撮影。花(センダングサかな)にとまっていたし、時々翅を広げるので撮影しやすかった。


クロコノマチョウ 11月28日小倉南区徳吉西
暗い木陰で撮影。民家に近い山道に熟柿が落ちていたのでそこに寄ってきていたのか?すくなくとも二頭いた。とても敏感で近寄れない。腕を伸ばしてズームで撮影したので手ブレが起こっている。


アカタテハ?12月5日小倉南区蒲生
店の横のごみ箱にとまっている。方向は変えてある。撮影は簡単だったが翅を広げてくれない。すこしでもと思って指で触れたらいやいや少しだけ動いていたが、急に飛び立ってしまった。種類の分かる方ご教示下されば幸い。

ここ数週は蝶を見ていない。さすがに寒いので、蝶が出てこないからではなく、わたしが歩かないから。

鰭脚類フィギュア 第20回 角製・骨製・材料不明

2011年12月23日 | 鰭脚類フィギュア
鰭脚類フィギュア 第20回 角製・骨製・材料不明

きれいな鉱物が終わって、他の材料のものを紹介する。前のプラスチックのところに入れるべきだったものもある。


水牛 アシカ

長さ10センチ。水牛の角の先端を顔の部分にして用いている。だから下面は中空の角芯の円すい形の穴がある。バランスが良くないので前に倒れがち。眼は彫り込んだ穴にガラス玉を埋めこんである。水牛と鰭脚類の共存するところってあるのだろうか?


黒アザラシ

長さ11センチ。材料不明。右後肢に「BOMA c」と何かのシンボルマークが彫り込んである。下面にシールが重なって2枚有り、下はバーコード(国名はアメリカ)、上は「Galaxy」「$11.50 EA」とある。他にも丸い金色のシールが貼ってあり、「VOMA」「Made in Canada」「Fait au Canada」と印刷してある。BOMAをネットで調べると、イヌイットのソープストーン彫刻が出てくるのでその関係か。ソープストーンというのは滑石である。ここに紹介する彫刻はナイフで簡単に傷がつき、軟らかそうなので滑石かもしれないが余りにも均一なので人工物かもしれない。カナダ製品をアメリカで購入したということか?
なお、ここまで二つの写真はフィギュアが黒いのでバックを黒にしなかった。


骨製 アシカ

長さ4センチ。骨製と思われる。腹部下面に「Jerry T.」と彫り込んである。シールが貼ってありそれには「$60」「Jerry Tungiyan」と書いてある。この名前をネットで検索するとよく似た彫刻が出てくるので、アラスカにいた彫刻家(2003年死去)の作品であることが判った。何の骨を使っているのだろう?



ヌマタセイウチ

長さ9センチ。たぶん硬石膏製。全体が空色、「眉毛」と鼻先が黄色、牙が白に着色してある。ちょっと「人相」が悪い。腹部下面に「ヌマタセイウチ」と彫り込んである。沼田町化石館の販売グッズで現在もネットででてくる。「ヌマタセイウチ」は、1987年に北海道沼田町幌新太刀別川河床から発見された犬歯などのことだろう。これに関する文献は1995年に発表されているがそこでは「セイウチ科・属種不明」という取り扱いなので「ヌマタセイウチ」は種名(和名)ではなくて愛称であろう。沼田町化石館では、これの他にマグネットとして「セイウチ」「アシカ」の2種類を販売している。それらはマグネットの項目で紹介する予定。


錬りもの アシカ

長さ5センチ。型取りではなく手先でつくったもの。灰色一色のプラスチックでできていて、眼に黒い点がいれてある。形は粗雑。


穴あきアシカ 4点

長さ2.5センチ。プラスチック製だが海でもまれたガラス(最近はシーグラスと言うのだそうだが、日本では海草と同じ発音なので好きではない。ビーチグラスならいいが。)風の表面に仕上げてある。首を前後に貫通する大きな穴があけてある。おもちゃのネックレスなどのビーズの材料の中に入っていたもので、他に貝などのピースもあった。一応、色違いということで2種4点と計上する。

今回紹介したのは7種10点。通算112種138点。関係国は18国。

姫島の牙化石

2011年12月19日 | 化石
姫島の牙化石

前に掲載したように、大分県姫島の丸石鼻でステゴドン類の牙(切歯とも門歯ともいう)を見つけた(10月26日)。掘り出すのが難しくて、40センチ弱あったが根本に近い方の10センチ強を失った。発見時の様子はすでに掲載したが再録しておく。


1 発見時の象牙化石(再録)

家に持ち帰って包みを開き、1週間以上乾燥した。内部に隙間が多くてこれを固めないとクリーニングができない。


2 乾燥し、一部を固めた標本

ふつうアクリル系の樹脂を浸透させることが多い。バインダーなどの商品名で売られている溶液だが、ロットが大きくて個人では使いがたい。フローリングに塗る「フローリングワックス」というのがあって、乳白色の水溶液であればこれが近い成分である。(本当は水溶液ではなく、細かな粒子が浮かんでいるものである。)しかし、この標本は水に浸けるとボロボロといってしまいそう。そこで瞬間接着剤を使うことにした。当然費用が増すので、今回は百円均一のものを用いることにした。安いからと侮ってはいけない。今回必要なのは浸透性の良いものだが、他にも通常より少し粘性の高い物や、もっと粘って流れないもの、少量使うための1グラムずつ小分けしたものなどの用途に応じた各種の製品が手に入る。浸透性の高いものにもいろいろあったが、二種類を4回にわたって(使い切って次々と必要になった)購入。総額は2000円に近いところまでと思う。
 接着剤を標本に次々とたらしていく。粘性の高いものだと、表面に膜を作ってしまってすぐに入らなくなるが、浸透性の高いものだとどんどん入る。大体固まったところで、大きな断片を接着するが、この時は一般のかたさのものを用いた方が良い。
 標本の表面は鉄質のノジュールに覆われて硬い。ところが牙はボロボロと崩れるほど軟らかいので、表面のクリーニングは一部壊しては内部に接着剤をいれる、という繰り返し。


3 クリーニング途中の標本

 完成したら、先に取っておいた小さな破片をできる限り付けていく。付けたらそこにも接着剤を浸透させる。最後にヒビや穴をティッシュペーパーで埋めてまた接着剤。一度接着剤を付けたら、固まるまで手を付けない方が良いので、数時間は放置するようにした。「瞬間」というわけにはいかない。


4 丸石鼻産 ステゴドン類切歯(牙)

そしてでき上がったのがこの標本。上下と左右の4面を撮った写真。最大長256ミリ、一番太いところで直径62ミリ程の標本である。左が前方であるが、左右どちらの牙かはわからない。断面形は円ではなくやや下が尖った卵形の傾向があるように見える。

象化石の産地に行って実際に見つけることができるなんてなかなか無い。家からも約3時間と近いので、日帰りも可能なところ。また行こうかな。


鰭脚類フィギュア 第19回 その他の鉱物(2)

2011年12月15日 | 鰭脚類フィギュア
鰭脚類フィギュア 第19回 その他の鉱物(2)

今回は宝石にも使う種類の鉱物のものを紹介する。すべてミネラルフェアで入手したもの。国は確かでない。


オパール原石 アシカA

長さ5センチ。下面に「2」とサインペンか何かで書き込んである。オパールは写真で赤みがかって見える部分で、青白色のものでは無く黄色や緑の目立つメキシコオパールである。背中や顔など数ヶ所に点在している。それ以外のところは茶色・桃色などの流紋岩である。


オパール原石 アシカB

長さ3センチ。書き込みなどは無い。上と同様の石だが、オパールは首の一か所だけ。技法も石の質も少し異なる。


ルビー アシカA

長さ2センチ。質の悪いルビー製。下面にシールが貼ってあり「29.」と書いてある。重さかな?眼は黒く書き込んである。


ルビー アシカB

台の最大径3センチ。上と同じようなもので、下面にシールが貼ってあり「84」と書いてある。やはり眼は黒く書き込んである。両方ともたぶんインド産。


アイオライト アシカ

台の長さ4センチ。これもたぶんインド産。技法はよく似ている。下面にシールが貼ってあり「アイオライト」「値段」が書いてある。写真では少しはみ出してしまった。やはり眼は黒く書き込んである。アイオライトは日本語では菫青石といい、それほど珍しくはないが雲母化していることが多く、薄青の透明感のあるものは日本ではほとんどない。雲母化した白いものは「桜石」として知られる。


琥珀 アザラシ

台の長さ4センチ。不透明な琥珀製。たぶんポーランドあたりのバルト海産。こういった琥珀は、外側が濃い色になることが多く、カメオのようにそれを利用して制作されることもある。これは背中を濃い色にしようとしたのかもしれない。

今回紹介したのは6種6点。通算105種128点。ついに100種を超えた。関係国も、確かでは無いが16メキシコ、17インド、18ポーランドが増えて18国とかなり多くなった。