「東海の象化石」ふたたび
ずっと昔、名古屋の「東海化石研究会」会紙に、「東海の象化石」というシリーズを連載していた。名古屋とその周辺から報告された長鼻類の化石を、時代の新しいものから順に解説したものであった。
その第一回は1981年8月の同会紙22号に掲載された記事で、名古屋東別院で、江戸時代(たぶん1854年)に発見された標本について記したものだった。この標本を見せて頂いたのを機会に、シリーズの開始をしたので、第一回には象全体の解説を含めている。
その後、ブスクが研究した関東地方の標本(その結果をアダムスが報告した)について記した第二回、三河菱池などのものについて記した第三回がある。
ブスクが研究した関東地方産の象化石(Adams, 1868)
第四回から第八回まではナウマンゾウについて解説し、第九回(1988年7月)のステゴドン類を記したところで、連載を中止した。理由は仕事が忙しくなったためだが、その第九回にちょっとしたミズがあっとことと、予告せずに救済したことこと、さらに、まだ全部の化石が登場していないことが、ずっと気になっていた。
2011年に、大分県姫島でゾウの牙の化石を見付け、それについて同会紙に書く気になった。ついでに「東海の象化石」シリーズを再開することにした。ちょうど、途切れたあたりの種類の象の牙だったから、良い機会であった。退職後の暇な毎日だから、最後まで一気に原稿を書いてしまった。
さすがにそのまま続けた形にするのは気が引けたので、「東海の象化石・ふたたび」という連載題にして、六回分の原稿ができた。同会紙は年一回の発行だから、六年分である。2012年に姫島のゾウの牙(当ブログで報告済)について、「ふたたび」第一回を記したが、この回は「東海の…」とするのとはちょっと違ったものだった。
そして、東海シリーズにふさわしい内容を再開する、ふたたび・第二回が先日発行された。もちろんステゴドン類のアケボノゾウあたりからの再開である。「アケボノゾウ」として慣れ親しんでいるこの名称は、実は「アカツキゾウ」が正しいのかも知れない。
松本彦七郎が命名したアケボノゾウ(松本, 1915)
このままいけば、2017年に第六回が終るが、なにしろ四分の一世紀の中断だったから(第一回から数えれば三分の一世紀を超える!)、以前のシリーズに訂正や追加がしたいところがあるので、それを第七回(補遺)として記すかも知れない。それは2017年に決めよう。
追記;「ふたたび・第二回」の別刷りは、非常に限られた方にしかお送りしていないので、お読みになりたい方は当方までご連絡を。
ずっと昔、名古屋の「東海化石研究会」会紙に、「東海の象化石」というシリーズを連載していた。名古屋とその周辺から報告された長鼻類の化石を、時代の新しいものから順に解説したものであった。
その第一回は1981年8月の同会紙22号に掲載された記事で、名古屋東別院で、江戸時代(たぶん1854年)に発見された標本について記したものだった。この標本を見せて頂いたのを機会に、シリーズの開始をしたので、第一回には象全体の解説を含めている。
その後、ブスクが研究した関東地方の標本(その結果をアダムスが報告した)について記した第二回、三河菱池などのものについて記した第三回がある。
ブスクが研究した関東地方産の象化石(Adams, 1868)
第四回から第八回まではナウマンゾウについて解説し、第九回(1988年7月)のステゴドン類を記したところで、連載を中止した。理由は仕事が忙しくなったためだが、その第九回にちょっとしたミズがあっとことと、予告せずに救済したことこと、さらに、まだ全部の化石が登場していないことが、ずっと気になっていた。
2011年に、大分県姫島でゾウの牙の化石を見付け、それについて同会紙に書く気になった。ついでに「東海の象化石」シリーズを再開することにした。ちょうど、途切れたあたりの種類の象の牙だったから、良い機会であった。退職後の暇な毎日だから、最後まで一気に原稿を書いてしまった。
さすがにそのまま続けた形にするのは気が引けたので、「東海の象化石・ふたたび」という連載題にして、六回分の原稿ができた。同会紙は年一回の発行だから、六年分である。2012年に姫島のゾウの牙(当ブログで報告済)について、「ふたたび」第一回を記したが、この回は「東海の…」とするのとはちょっと違ったものだった。
そして、東海シリーズにふさわしい内容を再開する、ふたたび・第二回が先日発行された。もちろんステゴドン類のアケボノゾウあたりからの再開である。「アケボノゾウ」として慣れ親しんでいるこの名称は、実は「アカツキゾウ」が正しいのかも知れない。
松本彦七郎が命名したアケボノゾウ(松本, 1915)
このままいけば、2017年に第六回が終るが、なにしろ四分の一世紀の中断だったから(第一回から数えれば三分の一世紀を超える!)、以前のシリーズに訂正や追加がしたいところがあるので、それを第七回(補遺)として記すかも知れない。それは2017年に決めよう。
追記;「ふたたび・第二回」の別刷りは、非常に限られた方にしかお送りしていないので、お読みになりたい方は当方までご連絡を。