OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

梅雨明けはもうすぐ

2011年06月30日 | 今日このごろ
梅雨明けはもうすぐ

6月28日、いつものウォーキングで今年初めてのニイニイゼミの鳴き声が聞こえた。湿度は高く、また陽射しも真夏ほどではない。梅雨明けも間近。この日は藍島か馬島に行く事を考えていたが、台風5号の影響が残って波が高いことを恐れてウォーキングにとどめた。
家から南に2km、「北九州霊園」というのがあって、急傾斜の山腹を階段状に切り開いて多数の墓石が並んでいる。入口の標高が60メートルぐらい、700メートルほど進んだ車の入る最高点の展望台の標高が150メートルぐらいなので、その差は100メートルもない。と、なめてかかって登ったのだが、700メートルぐらいで100メートル登るというのは大変な傾斜で、暑さもあって途中何度も休んで展望台の東屋にやっと到着。汗が胸をつたう。北に響灘の島が見え、北東に周防灘の北九州空港まで見渡せる。少しかすんでいたが確かに眺望が良い。霊園内で働く方と話をしたが、やはり車で来ることだけを想定している、とのこと。


展望台から見た北の方角。中央付近に自宅がある。

自宅の方向と思われる向きに写真を撮って、帰宅して拡大してみると、自宅の屋根を確認。太陽光発電パネルが光っている。

このあたりの小山には登山路がほとんどないので、「景色の良いところに登る」という楽しみはあまりない。この霊園、管理上の事情もあろうが他に抜ける道がないので引き返すしかない。帰り道は墓石の間のコンクリート階段をたどる。
写真は、帰途見かけた道路脇の擁壁のコケ。ほぼ垂直のコンクリート擁壁にこれだけコケが生えるのなら相当湿っぽいのだろう。


擁壁のコケ。夏になると枯れるのだろう。

学会も行かないし、島も台風で取りやめ。どこか行こうかな?

6月の投稿はこれでおしまい。3日に一度のペースは守ることができたが、原稿のストックが減ってきた。7月は5日に一度に落とすかもしれない。ウォーキングも7月から9月は暑すぎて健康に悪そうなのでかなりペースダウンの予定。歩く日は約10km歩くが、半分以下になるかな。

レールの謎

2011年06月27日 | 鉄道
レールの謎

この写真を見てほしい。列車はどう走るのか?


謎のレール

これは、三重県の三岐鉄道北勢線の終点、阿下喜駅の南にある「軽便鉄道博物館」の線路。北勢線は国内では数か所になってしまった762mmという軌間の狭い線のひとつである。同じ三岐鉄道でも三岐線の方はJRの大部分と同じ軌間(1067)mmなのだが、北勢線は安定感に乏しい狭い幅のレールの上を走っている。二つの線は少し離れていて員弁川の両岸を走る。三岐線が藤原岳の石灰石とその製品であるセメントなどの輸送で、数少ない貨物輸送と旅客輸送のある私鉄という性格なのに対して、北勢線は旅客専門の地方路線という性格で大きく異なる。
写真の右半分は15インチ(381mm)ゲージの線路が並行して走っていて、実は写真の右外でループを描いてつながっている。左の方では、その並行した線路の内側に762mmの線路があって、右の写真外で転車台に達している。左側は平屋建ての車庫に通じている。そうすると右側の四本のレールのうち、内側の二本は両側を使っていることになる。どんな減り方をするのだろう?

写真は2007年の12月に撮影したもの。三岐鉄道の乗りつぶしをするために、まず近鉄富田から三岐線の終点西藤原に行き。上り電車でもどって伊勢治田という駅で降り、北にむかって1kmちょっと歩くと、北勢線終点の阿下喜駅に着く。そこで北勢線に乗って西桑名に向かった。その折に阿下喜駅でこの線路に気付いてホームから撮った写真が上の「謎レール」である。

6月の馬島(その4)

2011年06月24日 | 化石
6月の馬島(その4)

先日採集した骨化石のクリーニング。作業を続けてほぼ完成。


途中3 これで大体完成。

このあとは、「見栄え」を良くする。石の割れ目を分かりにくくするのもそのひとつ。狭い隙間にはティッシュを詰め込んでから瞬間接着剤で固める。


隙間にティッシュを詰め込んだところ。細いピンセットを使う。


瞬間接着剤をしみ込ませると、隙間が目立たなくなる。必要なら接着剤が固化する前に、ここにクリーニングでできた砂を振りかける。

石の外形を整えて出来上がり。3つに割れていた外周を連続的にする。裏側もできるだけ薄くし、また標本のすわりが良いように平らにする。


完成した骨化石。

この形から判断すると、ヒゲクジラ類の前方肋骨で見えているのは後ろ側。右第2肋骨かな?その場合の失われた部分(脊椎側)を白線で示した。


肋骨脊椎側の推定外形

「6月の馬島」はこれで終わり。6月末の汐の良い日に晴れ間があればもう一度島に渡るかもしれない。馬島にしようか藍島にしようか?しかし、暑くなりそうだなあ。
金沢の学会は参加しないことになりそう。

6月の馬島(その3)

2011年06月21日 | 化石
6月の馬島(その3)

採集した骨化石をクリーニングした。


採集時のようす(前に投稿した写真の再録)。

3つに割れていた標本を接着する。接着剤はエポキシ系。実は一度くっつけてほって置いたのだがずれてしまったので、切り離して接着剤をナイフで取り除く、そして再接着、という面倒なことになってしまったので、少し手間取った。


接着した標本。

まず外周が分かる程度に掘る。この標本の場合には、骨の周りに酸化鉄ができているので、近くまで掘るのが簡単。そのかわりに表面の砂岩が分離しにくい。


途中1

この時点で「鳥の叉骨」という最初の推定は誤りとわかった。写真の面に垂直方向のカーブがないので。では何かというと、ヒゲクジラ類の前方肋骨らしい。道具は小さいタガネ。鉄分が付着して分離は悪いがなんとか出してゆく。


途中2。一部の面が出たところ。

次回はこの標本の完成へ。

6月の馬島(その2)

2011年06月18日 | 今日このごろ
6月の馬島(その2)

骨が二つ採れたので満足して先に進む。ウミガメの甲羅が漂着している。腹甲の半分と背甲の後半、前も少し。手足や頭は見当たらない。大きな個体ではない。


漂着したウミガメ腹甲。近くに背甲もあった。

何かの卵が海藻に産み付けられている。何だろう?


何の卵?

この付近岩礁生物もおもしろい。ヨメガカサの集まっているところをちょっと撮影。


こちらは親戚同士?模様が似ている。


こちらは寄せ集め?上の写真の集団と1メートルぐらい離れたところ。

昼の便で帰る。夏になると体力的なこともあって数個採集すると満足して昼の便で帰る事も多くなるかもしれない。
次回は採集した化石のクリーニング。動物種の推定は早くも誤りが分かってしまったが。