OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

馬島産鯨類化石の剖出

2015年02月25日 | 化石
馬島産鯨類化石の剖出

 古い話だが、2011年10月7日に馬島に行った際、鯨類の脊椎骨化石を採集した。その時には、当ブログに報告した(10月13日から4回にわけて掲載)が、3回目に脊椎骨化石の採集のようすを書いてある。

1 2011年に採集した時の写真(再録)2011.10.07

 この化石をおおよそ掘りだしてみた。在職中と違って、機械力を使わないからずいぶん時間がかかってしまった。欠けてしまった所が多かったので、プラスチックで埋めた。写真では白く見える所がプラスチックである。掘ってみたら脊椎骨が腹側を上にした状態で埋まっていたことが分かった。左の側突起夜、椎体の腹側の一部は当初から失われていた。

2 剖出がほぼ終った脊椎骨化石。脊椎骨を前・右背側からみたところ。スケールは5センチ。写真は「斜め写真」だからスケールの長さは正確ではない。

 標本はヒゲクジラ類の後方の胴椎である。鯨類では骨盤と関節する脊椎:仙椎が存在しないから、腰椎と仙椎にあたるものを合せて胴椎と呼ぶ。胴椎の前方は胸椎で、胸椎には肋骨が関節する。胴椎の後方は尾椎で、尾椎にはV字骨が関節する。通常V字骨があるなら、脊椎の椎体の腹側の前後方向の稜は2本、なければ1本であるが、この標本の腹側は発見時上方になっていて、風化で失われていたから、V字骨関節面があったかどうか分らないし、腹側稜の数も分らない。だから、尾椎の可能性もある。ただ、脊髄の通る孔の太さから後方の胴椎だろうと推測した。
 時代は漸新世。地層は芦屋層群である。


孔子鳥化石産出地をたずねて その22 朝陽のホテル

2015年02月21日 | 昔の旅行
孔子鳥化石産出地をたずねて その22 朝陽のホテル
Visit to the Locality of Confuciusornis: Part 22. Party at Caoyang

2000年5月29日、北票博物館に来ている。
 ホテルへの帰路はかなり遅れ、従って夕食も始まるのが遅れた。今日も同じような夕食で万頭風のものに挑戦するが甘いあんの入っているのと何も入っていないのがあり、形で区別されているようなのだが思ったのと違っていたりする。おいしそうなウリがあるが食べてみると甘味が少ない。ぶどうはなかなかのもの。


51 夕食テーブルに飾られた大根の細工物 2000.5.29 朝陽
51 Figure of a dinosaur and dragon of radish.

 イタリアの博物館から来たマフィアの親分のような鋭い目つきの太ったテルッチ(Geogio Teruzzi)氏=ストリア市民博物館=と話す。トマトの好きなMさんは気に入ったのを見つけてご機嫌である。Mさんは同じくイタリアから来た、これぞイタリア人という感じの若いマルコ(Marco Pavia)氏=トリノ大学学生=と話している。夕食の後でダンスと歌のパーティーがあるというアナウンスがあるがどんなものかイメージがわかない。「パーティー」の開始も遅れて9時近くになってしまった。市長の挨拶に始まって中国風の歌、子供達の中国剣舞、カンツォーネ、サキソホンともりだくさん。10時を大分回ってやっと終ったが今日は外に出る時間はない。こんな時間まで子供たちを動員するのだから、やる気は十分である。
 5月29日の行程は、朝陽-四合屯50km四合屯-北票市35km北票市-博物館20km博物館-朝陽60km の合計165km。
 5月30日は朝陽を出て西に向かう。ここでもホテルの皆さんの見送りを受ける。
朝陽市の郊外の化石産出地点で中華竜鳥の産地の朝陽市波羅赤(Boluochi)を見学する。果樹園の中をしばらく歩くと、小谷の斜面にこれまでに見た産地よりちょっと小規模な掘り込みがあってまわりに岩片が散らばっている。解説を聞いた後思い思いに写真を撮ったり岩片をとりあげて化石を探したりする。


52 朝陽市波羅赤の化石産出地 2000.5.30
52 Fossil site of Boluochi, Caoyang City.

 イタリアのテルッチ氏に「昨日のオーソレミオはどうだったか?」と聞くと「It's very Chinese.」という返事だった。


53 朝陽から承徳へ その距離約290km
53 Route from Caoyang to Chengde.



最後の蒸気機関車たち その93 1975年11月

2015年02月17日 | 最後の蒸気機関車
最後の蒸気機関車たち その93 1975年11月
The last steam locomotives in Japan. No. 93 (Nov. 1975)



490N 室蘭本線栗丘駅付近 1975.11.15 D51-60
490-491: Muroran line, near Kurioka Station, Hokkaido.


491N 室蘭本線栗丘駅付近 1975.11.15 D51-60

蒸気機関車の牽く貨物列車がトンネルに消えてゆく。


492N 室蘭本線栗山駅 1975.11.15 D51-149
Muroran line, Kurioka Station, Hokkaido.

後方に長い石炭車の列を牽いている。D51-149も最後までいた機関車で、1976年3月に廃車、その後保存はされなかったようだ。
移動して、前にも撮影した植苗駅付近に行った。事実上最後の撮影であった。


493N 千歳線沼ノ端・植苗間 1975.11.16 ディーゼル特急
Chitose line, between Numanohata and Uenae Stations, Hokkaido

494N 室蘭本線沼ノ端・遠浅間 1975.11.16  D51-番号不明
Muroran line, between Numanohata and Tooasa Stations, Hokkaido

登場蒸機 D51(写真490~492・494)

2020.6.23 写真を入れ替えた。番号の後に「N」が付いているのが改善した写真。

Trivial database of a retired curator, OK.

孔子鳥化石産出地をたずねて その21 北票博物館

2015年02月13日 | 昔の旅行
孔子鳥化石産出地をたずねて その21 北票博物館
Visit to the Locality of Confuciusornis: Part 21. Beipiao Museum.

2000年5月29日、北票博物館に来ている。
 周りに民家の無いところで、なぜこんなところに建てたのか分からない。(このブログを書くにあたって調べてみたら、現在の名称は「遼寧古生物化石博物館」といって、周囲を人工湖に囲まれた岬の先端になっていた。どうもさきほどの「大規模な開発」というのはダムの建設で水没するためだったらしい。)館の内部はほぼ完成していて、5室ばかりの展示室とミュージアムショップがある。ジオラマ風の「つくりもの」の質はいまひとつ。北票の化石を紹介する日本の中日新聞が展示してある。化石標本で何と言っても素晴らしいのは鳥類化石で、種類・数ともに多い。とくにここにある孔子鳥化石のクリーニングは抜群で骨の表面の微細な組織がよく分かる標本がある。


48 孔子鳥(雌) 2000.5.29 北票博物館
48 Female Confuciusornis at Beipiao Museum.

 未公表の恐竜化石もあり、「撮影できません」という説明がある。恐竜専門のセレノ氏(Paul Sereno)他がおおいかぶさるようにして観察している。この標本は後に「尾羽鳥」Caudipteryxとして公表された。


49 未公表恐竜化石を見学する。 2000.5.29 北票博物館
49 Observation of an unpublished dinosaur at Beipiao Museum.


50 未公表恐竜化石を見学する。 2000.5.29 北票博物館
50 Observation of an unpublished dinosaur at Beipiao Museum.

 博物館のショップに行くとカンブリア紀の三葉虫化石、いわゆる「コウモリ石」の標本を販売している。産地は山東省あたりであろうか、表が緑色の布でできたおなじみの箱に入っている。おみやげにいくつか買い求めた。後で確認したが、買った化石は国外への持ちだしに問題がない種類とのことであった。


最後の蒸気機関車たち その92 1975年11月

2015年02月09日 | 最後の蒸気機関車
最後の蒸気機関車たち その92 1975年11月
The last steam locomotives in Japan. No. 92 (Nov. 1975)


栗丘駅の南で撮影を続ける


485N 室蘭本線栗丘駅付近 1975.11.15 D51-53
485-489: Muroran line, near Kurioka Station, Hokkaido

次々と同じような貨物列車がやって来る。この時期になっても、ディーゼル機関車の列車はなく、すべて蒸気機関車の牽引である。こんどはコンテナーが見える。D51だが、番号は読み取れない。


486N 室蘭本線栗丘駅付近 1975.11.15 D51番号不明


487N 室蘭本線栗丘駅付近 1975.11.15 D51番号不明


488N 室蘭本線栗丘駅付近 1975.11.15 D51-60


489N 室蘭本線栗丘駅付近 1975.11.15 D51-60

登場蒸機 D51(写真485~489)

2020.6.23 写真を入れ替えた。番号の後に「N」が付いているのが改善した写真。

Trivial database of a retired curator, OK.