OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

2023年8月のカレンダー

2023年07月29日 | 今日このごろ

8月 Scaldicetus bolzanensis Dal Piaz
文献:Dal Piaz, Giorgio 1916 . Gli Odontoceti del Miocene Bellunese. Parte Nona: Scaldicetus bolzanensis. pp. 87-92, Tav. 1. (ベルーノBellunoの中新統からの歯鯨類)
 ずっと前に入手した復刻版(1977年)をスキャンした。この復刻版はイタリア北部、Veneziaの約80km北にあるBellunoの中新世の鯨化石についての10編のシリーズ(の後半)を再現したもの。それについては、「古い本」ブログその5に掲載した。ここで示した図版は、その9番目(Parte Nona)で、最後のParte Decimaが総括の論文である。 図版にはそのころ頭骨が見つかっていた多くの鯨類が載っていて、壮観である。

Dal Piaz 1916. Parte Decima, Tav. 1

 Scaldicetusは、1867年にDu Busが提唱したマッコウクジラに近い属で、ベルギーのAntwerpからの標本を基にして、新属・新種 Scaldicetus Caretti を命名している。その論文は次のもの。
Du Bus, 1867. Sur quelques Mammiféres du crag d'Anvers. Bulletin de l’Académie Royale des Sciences des Lettres et des Beaux-Arts de Belgique. 1867 (Nos. 9 et 10): 562-577.(アントワープの岩山からの幾つかの哺乳類について)
 著者du Bus (1808-1874)の名前は論文では「le vicompte du Bus」(du Bus子爵)となっているが・インターネットではJonkheer Bernard Amé Léonard du Bus de Gisigniesという長い名前が出てくる。ベルギー王立自然史博物館の初代館長。
 Giorgio Dal Piaz (1872-1962) は、イタリアの地質・古生物学者。Dal Piaz が記した標本は、現在Idiorophus bolzanensis (Dal Piaz)として扱われている。Idiorophus 属はKellogg, 1925が提示した。その論文は次のもの。
R. Kellogg, Remington, 1925. Two physeteroid whales from California. Contributions to Palaeontology from the Carnegie Institution of Washington. Additions to the Tertiary History of the Pelagic Mammals on the Pacific Coast of North America: 1-34, pls. 1-8.(Californiaからの二種類のマッコウクジラ類)
 この論文は、マッコウクジラ類の頭骨の形態に対して検索表を用いて分類手順を記したものである。「検索表」というのは、複数の種類に対して一つずつ着眼点を記してその部分の形態によって分割し、さらにその分割された群に対して次の形態を見ていく、といった手法で最終的に種を知ることができるようにしたもの。便利な方法で、理論的にも良いのだが、化石のように形態の全てが観察できない場合には分割先が不明で複数の道をたどらねばならない。最終的に種が決定できないのはやむを得ない。「検索表」は、当時多くの群に対して提示された。現代の分岐図と似ているようにも見えるが、後者では各形質に派生的であることが求められる点と、一時に複数の形質のチェックが行われることなど大きな違いがある。13ページから始まる検索表では、最終的にScaldicetus bolzanensis を含む8種が出てくる。その種名を見るとIdiophyseter merriami n. gen., n. sp. だけが新属・新種の提示のように見える。Idiorophus patagonicus (Lydekker)が種として出てくるが、新種ではない(新属であるが)ためか、検索表ではn. gen.という記載がない。
 それが出てくるのは6ページで、「Physodon patagonicus Lydekkerを模式種として新属を立て、Idiorophusとする。」としている。そうすると Physodon属がどうなったのか気になるが、あまりにも長くなりそうなので、今回はここまでで止める。

Kellogg, 1925. p. 19. Fig. 1: Idiophyseter merriami 頭骨背面

 Kellogg, 1925 には8枚の図版があるが、Idiorophus属は出てこない。文中図が4図あるが、いずれも新属・新種である Idiophyseter merriami の頭骨のもの。この図は立体感が今ひとつで、マッコウクジラ類の最大の特徴である頭蓋背面の大きな凹みがわかりにくい。とはいっても現生のこの類の頭骨を見たことのある人にとっては凹みがあることを見て取ることは容易であるにしても深さはわからない。この頭蓋前面の凹みは、博物館で鯨の頭を展示するときには悩みの種で、それが見えるように展示するには。標本よりもだいぶん高い位置から見るように設計する必要がある。Kellogg, 1925でも、文中の4枚の図というのはすべて新属新種の Idiophyseter merriami の頭蓋で、上に示した背面の他は後面・側面・腹面であるが、側面図では凹みはその外側の壁に遮られて見えない。

古い本 その147 古典的論文 モササウルス類7

2023年07月25日 | 化石

 次の属はHainosaurusで、前の属に続いてDolloの記載。
⚪︎ Dollo, Louis, 1885a. "Le Hainosaure". Revue des Questions Scientifiques. Tome 18: 285–289. (無題:Hainosaure)
 最初の部分にいろいろな脊椎動物化石の話が出てきて、中にはマンモスまで登場するからどうなることかと思ったが、288ページにHainosaurus. Dollo. という見出しがあって、確かに記載がしてあり、計測値もあるから、これが記載論文である。なお、最初の285ページの脚注に著者の別の論文「Prermiére Note sur le Hainosaure...」という記入があって、そちらが先かと驚いたが、この脚注はなんと改行した先が286ページの脚注につながっていて、そこには「印刷中」と書いてある。その論文は、同じ年に確かに印刷されていて、次のもの。
⚪︎ Dollo, Louis, 1885b Premiére Note sur le Hainosaure, Mosasaurien nouveau dela Craie Brune Phosphatée de Mesvin-Ciply, prés Mons. Bulletin du Muséum national d’histoire naturelle Tome 4, fas. 1: 25-35.(Mons付近のMesvin-Ciplyの褐色チョーク層からの新種モササウルス類Hainosaureについての最初の記録) 
 こちらの発行は5月だが、前のものの発行月はわからなかった。記述から判断して発行順をこのように考えたが、命名規約によれば発行月日の記入していない論文は年末の12月31日発行と扱うべきかもしれない。二つの文章にはかなり同一の部分があって現在なら受理されないだろう。Ciplyはイグアノドンで有名なBernissartの東約20kmにある。フランス国境に近いベルギーである。二つの論文とも図はない。二つの論文とも二名法で一貫して記述されているとは言えない。種名として Hainosaurus Bernardiを明記しているのは後の論文だけ。
Hainosaurus Dollo, 1885a. 模式種:Hainosaurus bernardi Dollo, 1885b
産出地:Ciply, Mons ベルギー 白亜紀

 次の属はPrognathodonPhosphorosaurusで、これらもDolloの命名。この2属は下記のひとつの論文に出てくる
⚪︎ Dollo, Louis, 1889a. Note sur les vertébrés récemment offerts au Musée de Bruxelles par M. Alfred Lemonniet. Bulletin de la Société Belge de Géologie, de Paléontologie et d'Hydrologie. Tome 3. procés-verbaux : 181-182.(最近Bruxellesの博物館にM. Alfred Lemonnietが寄贈した脊椎動物化石についてのメモ)
 短い論文で、Mosasaurusの他にPrognathodon, Oterognathus, Phosphorosaurusの3新属を記録している。そのうちPhosphorosaurusについては、特徴をわずかに述べているが、他についてはほとんど記していない。産出地はUpper Cenomanianの茶色のチョーク層で、Ciplyという地名が記されている。Ciplyは直前のHainosaurus 属と同じ場所で、ブリュッセルの西南40kmほどのベルギー国内である。論文には図はない。 
 この論文でPrognathodonの種がPrognathodon Solavayiとなっている。Dolloは, 同じ系列のジャーナルにMosasaurus類に関連した3論文を発表しているのだが、下記の3番目の論文でPrognathosaurus Solavayiという種類を記している。
⚪︎ Dollo, Louis, 1889c. Premiére Note sur les Mosasauriens de Mesvin. Mémoires de la Sosiété Belge de Géologie de Paléontoligie & d’Hydrologie Tome 3: 271-304, Pl. 9-10.(MesvinのMosasaurus類に関する最初のノート)
 Mesvinという場所は、先ほどのCiplyに最も近い町Monsのことで、やはりベルギーにある。というか、同じ場所のことを言っているのかもしれない。この論文にはPrognathodonは出てこない。論文には二枚の図版があって、1枚目にPrognathosaurusの頭骨の図がある。これは属名の誤記であろう。
 Oterognathusは、後にPlioplatecarpusのシノニムとされた。Phosphorosaurusは現在も使われている。

547 Dollo, 1889c. Pl. 9, Figs. 4-5. Prognathosaurus (sic!) Solvayi 頭骨

 なお、もう一枚の図版には1種類の全身骨格とともに各種の方形骨が比較してあるが、考察は私には難しいのであきらめた。

548 Dollo, 1889c. Pl. 10. Mosasaurids

 種名は、上の全身骨格はHainosaurus Bernardi、中段は各種類の方形骨を2方向から見た図で、左からHainosaurus Bernardi, Mosasaurus Lemonnieri, Plioplatecarpus Marshii, Prognathosaurus (sic!) Solvayi, Mosasaurus Camperi。下段は左がOterognathus Houzauiの下顎と、右の二つがPhosphorosaurus Ortliebiの方形骨。
 なお2番目の論文というのはこれ。
⚪︎ Dollo, Louis, 1889b. Nouvelle note sur les vertébres fossiles récemment offerts au Musée de Bruxelles par M. Alfred Lemonnier. Bulletin de la Société Belge de Géologie, de Paléontologie et d'Hydrologie. 3, procés-verbaux: 214-215.(最近Bruxellesの博物館にM. Alfred Lemonnietが寄贈した脊椎動物化石についての新しいメモ)
 この論文はDollo, 1889aの続きで、短いもの。ここでは正しいPrognathodonの属名が使われている。
 まとめておこう。
Prognathodon Dollo, 1889. 模式種:Prognathodon solvayi Dollo, 1889
産出地:Mons ベルギー 白亜紀後期
Phosphorosaurus Dollo, 1889. 模式種:Phosphorosaurus Ortliebi Dollo, 1889.
産出地:Mons ベルギー 白亜紀後期

私の旅行データ 16 空白域 O

2023年07月21日 | 旅行

 北アルプスの続き。もう一本入り込んでいるのは上高地から明神池まで散歩したコース。

20km−39 上高地付近の梓川から 1970.9.

 「立山黒部アルペンルート」は何度か検討したがまだ訪れていない。トロリーバス部分は法的には「鉄道」に含まれるから、行きたいのだが、天候に恵まれなかった場合を考えてしまうから。

北アルプスのデータ 10km以上の未接近地 [富山県]  2市2町 [長野県]  3市 [岐阜県]  2市 (白馬地区 [新潟県] 1市 [富山県] 1町 [長野県] 1町1村)(これらすべての市町村は訪問ずみ)
面積は10km以上 約726平方km (白馬地区 82平方km)
20km以上 [富山県]  富山市。約2.9平方km (白馬地区 なし)


20km-40 白山 (左の区域は「加賀」)
凡例:緑:10km 黄色:20km 青線 私の旅行経路 青字のPは写真撮影の場所。
地名 大文字:町・集落 To富山 Jo城端 Ka金沢 Kt勝山 Ta高山
小文字:行政区 [富山県] tn砺波市 to富山市 na南砺市  [石川県] ka金沢市ha白山市  [岐阜県]  hi飛騨市 ta高山市 sh白川村 gu郡上市 [福井県] 大野市  (加賀地区 [石川県] ko小松市ka加賀市 [福井県] sa坂井市

 この空白域の縁は、東側が高山本線(1967年9月乗車)、南東側は化石採集に車で出かけた時のコース。

20km−41 化石採集で出会ったケガをしたニホンカモシカ 1990年 御手洗

 南側も一部は化石採集、一部は越美北線(1989年7月)、西側は福井の恐竜博物館から桑島の白亜紀恐竜パークに出張で出かけた時(1989年)に通った。

20km-42 桑島の化石壁 1989

 北から入り込んでいる城端線(2000年9月)にも乗車した。ほかに車で送っていただいたコースがいくつかあるが、正確なコースがわからないので書き込んでいない。

白山のデータ 10km以上の未接近地 [富山県]  3市  [岐阜県]  3市1村 [福井県] 1市  (加賀地区 [石川県] 2市 [福井県] 1市)(これらすべての市町村は訪問ずみ)
面積は10km以上 約979平方km (加賀地区 127平方km)
20km以上 [岐阜県]  白川村。約4.1平方km (加賀地区 なし)


20km−43 美濃山地
凡例:緑:10km 黄色:20km 青線 私の旅行経路 青字のPは写真撮影の場所。
地名 大文字:町・集落 Fu福井 Gu郡上 Ts敦賀 Og大垣 Gi岐阜 
小文字:行政区 [福井県]  ec越前市 ik池田町on大野市 [岐阜県] se関市 ya山県市 mo本巣市 ib揖斐川町  [滋賀県] na長浜市 ma米原市

 やっと中部地方の最後の区域にやどりついた。北縁は主に越美北線(1989年7月乗車)東縁は越美南線(1973年頃乗車:のちに長良川鉄道)、南側を縁取るのは東海道本線(1958年5月)であるが、そこから4本の内部に向かう経路が10kmの境界を形作っている。東から順に山県市への旅行(2012年6月:定期バス)、根尾谷化石採集、樽見鉄道(2007年12月)、伊吹山(1960年代)。また北側から斜めに入っているのは1973年頃にデボン紀化石の採集に行ったところ。

美濃山地のデータ 10km以上の未接近地 [福井県]  2市1町  [岐阜県]  3市1町 [滋賀県] 2市 (これらのうち池田町は未訪問)
面積は10km以上 約1178平方km 
20km以上 [福井県]  池田町・大野市 [岐阜県]   揖斐川町。約7.4平方km 

古い本 その146 古典的論文 モササウルス類6

2023年07月17日 | 化石

 Hecterはまず、前回挙げた属のうち、Mauisaurusを疑問属とした。
 これを疑問属としたことについては近年下記の論文が論じている。
⚪︎ Hiller, Norton, José, P. O’Gorman, Rodrigo A. Otero & Al A. Mannering, 2017. A reappraisal of the Late Cretaceous Weddellian plesiosaur genus Mauisaurus Hector, 1874. New Zealand Journal of Geology and Geophysics, vol. 60, no. 2: 112-128.(白亜紀後期のWeddellianの長頚竜類属Mauisaurusの再評価)
 この論文のWeddellianというのは、ニュージーランドや南極大陸の半分などを含んだ白亜紀後期の動物地理区である。疑問属とした理由は、元になった標本が一個体ではなく、複数の種類が混在していることと、それぞれにはっきりした特徴が認められないこと。著者のうちNorton Hillerは、Christchurch のCanterbury Museumにいる研究者で、1998年にお会いして作業中の長頚竜類化石を解説していただいた。以前は南アフリカで研究していて、ニュージーランドに移ってきたという。

542 Dr. Norton Hiller. Christchurch (NZ). 1998.2.16

 もとのHecterの論文に戻って、これには5枚の図版を伴う。図版は文末にまとめられているのではなく、文中に入れてあるが、ノンブルは飛ばしてある。つまり、338ページの後にPlate 27があって、次の文章のページが339ページ、というように。図版解説は独立していない。各図版の種名を記しておく。
Plate 27. Plesiosaurus australis, Polycotylus tenius
Plate 28. Pl. crassicostatus, Pl. hoodii
Plate 29. Mauisaurus haastii
Plate 30. Leiodon haumuriensis
Plate 31. Taniwhasaurus oweni
 論文のはじめの方にあった種名リストではLiodonを使っているのに、本文と図版ではLeiodonを用いている。この変更については前の項目で記した。

543 Hecter, 1874. Plate 30. Leiodon haumuriensis

 この恐竜からはじまる古い文献調査で、1923年以前に新属を設定した時の標本の産出地は、アメリカ・ドイツ・イギリス・カナダが主で、モンゴルなどもあり、一回だけ登場する国はチェコ・インド・オランダがあったが、それにニュージーランドが加わった。

544 Hecter, 1874. Plate 31. Taniwhasaurus oweni

 まとめておこう。
Taniwhasaurus Hecter, 1874. 模式種:Taniwhasaurus oweni Hecter, 1874.
産出地:Amuri(Christchrchの北方約100kmニュージーランド 白亜紀後期

 なお、Hecter, 1874の論文に続いて次の論文が掲載されている。
⚪︎ Knight, Charles, 1874 On the Teeth of Leiodon. Transactions and Proceedings of the New Zealand Institute, vol. 6: 358-358, 364, plates 24-26.(Leiodonの歯について)
 この論文では、Mosasaurus類の歯が、歯槽の中から生えるという特徴を持っていることを、ニュージーランドの標本の薄片を作って記している。

545 Knight, 1874. Pl. 25. Leiodon haumuriensis 下顎骨と歯の断面

 モササウルス類も19世紀末に近づいて、なじみのない属が続く。次はPlioplatecarpusという属。
⚪︎ Dollo, Louis, 1882. Note sur l’ostéologie des Mosasauridæ. Bulletin du Musée d'Histoire Naturelle de Belgique, T. 1: 55-74, Pl. 4-6.(Mosasaurus科の骨学についてのノート)
 この論文は幾つかのモササウルス類について比較したもので、同時に新属・新種の提示も行っているが、明確に示されていないので以下に間違いがあるかもしれない。60ページの「特徴の比較表」以後の見出しに出てくる種類を簡単に紹介する。なお、この論文では命名者をカッコに入れていても「属が変更された」という意味ではない。現在の使い方とは異なるので注意を要するが論文のまま記す。
1. Pterycollasaurus 新属 模式種は P. maximilianiで、これはGoldfussが記載したMosasaurus Maximilianiを模式種としてたてたもの。
2. Mosasaurus Camperi(v. Meyer) syn. M. Hoffmanni (Pictet)
3. Plioplatecarpus 新属
4. Plioplatecarpus Marshii 新種 産出地はEben (near Sussen; environs of Maestricht)となっている。
 Maastrichtはオランダの都市で、南西側をベルギーとの国境に囲まれているが、どちらにもSussenという地名が見当たらない。ただ、Maastrichtの中心から5kmほど南西に行ったベルギー内に、Zussenという街が、さらにそこから1.5kmほど南東にEbenという地名もあり、そこからZussenに向かうと小高い丘があって石切場というか、もっと柔らかそうな崖もあるのでその付近だろう。
 論文には大きな比較表があるが読んでいない。3枚の図版があって、1枚目(Planche 4)はMosasaurus Camperiの切歯骨、2枚目は同種とPlioplatecarpus Marshiiの脊椎骨が、3枚目にはPlioplatecarpus Marshiiの肩帯他が示されている。

546 Dollo, 1882. Pl. 6. Plioplatecarpus Marshiiの肩帯・他

 Louis Dollo(1857−1931)は、フルネームをLouis Antoine Marie Joseph Dolloといって、ベルギーの古生物学者で恐竜に関する著作もある。進化の不可逆性を述べた「ドロの法則」で知られる。以上をまとめると次のようになる。
Plioplatecarpus Dollo, 1882. 模式種: Plioplatecarpus Marshii Dollo, 1882.
産出地: Eben (near Sussen; environs of Maestricht) ベルギー

私の旅行データ 15 空白域 N

2023年07月13日 | 旅行


20km-33 南アルプス
凡例:緑:10km 黄色:20km 青線 私の旅行経路 青字のPは写真撮影の場所。
地名 大文字:町・集落 Ta辰野 In伊那 Ii飯田 Ko甲府 Ik井川 Fu富士 Sh静岡 Ka掛川 
小文字:行政区 [山梨県] ho北杜市 ni韮崎市 ma南アルプス市 fj富士川町 ha早川町 [長野県] fm富士見町 in伊那市 ko駒ヶ根市 os大鹿村 to豊丘村 ta喬木村 飯田市 [静岡県]  sh静岡市 kh川根本町 ha浜松市 mo森町 fe藤枝市

 南アルプス全体を覆う広い空白域だが、南から大井川鉄道が深く入り込んでいる。北東側は中央本線(1974年9月乗車)、東側は身延線(1983年8月)南東側は東海道本線と東海道新幹線、南側は二俣線(1976年4月:のちに遠州浜名湖鉄道)、西側は飯田線(1968年8月)で通過した。大井川鉄道は2007年6月に乗車した。

20km−34 大井川鉄道から見た深い渓谷 2007.6

 2027年にリニア新幹線が開通するとちょうど20kmの空白域の中央を横切ることができるようになる。

20km-35 リニア新幹線乗車後の空白域

 緑の線がおおよそのリニアの経路。乗車すると20kmの区域が2か所残るが、この縮尺では小さくてほとんど見えない。

南アルプスのデータ 10km以上の未接近地 [山梨県]  3市2町 [長野県]  3市1町3村 [静岡県]  3市2町(これらのうち南アルプス市・富士川町・早川町・喬木村・大鹿村・豊丘村は訪問したことがない)
面積は10km以上 約2315平方km
20km以上 [山梨県]  南アルプス市・早川町 [長野県] 伊那市・大鹿村・飯田市。約394平方km


20km−36 北アルプス (右上の区域は「白馬」)
凡例:緑:10km 黄色:20km 青線 私の旅行経路 青字のPは写真撮影の場所。
地名 大文字:町・集落 It糸魚川 Ke欅平 To富山 Om大町 Km神岡 Ka上高地 hi平湯
小文字:行政区 [富山県] uo魚津市 ka上市町tt立山町to富山市  [長野県] om大町市 az安曇野市 ma松本市 [岐阜県]  hi飛騨市 ta高山市  (白馬地区 [新潟県] it糸魚川市 [富山県] as朝日町 [長野県] ot小谷町 ha白馬村)

 北アルプスも鉄道のない区域は広いが、観光地が多いから多くのルートで周りから入りこんだ。北側は主に北陸新幹線(2015年4月乗車)、東側は大糸線(1967年9月)、南東側は松本電鉄(1968年9月)と松本電鉄バスなど、南側は濃飛バスで通過、西側の高山本線は化石採集のため乗車(1967年9月)した。北から入り込む黒部峡谷鉄道と富山地方鉄道立山線には2006年9月に乗車した。

20km-37 黒部峡谷鉄道欅平付近 2006.9

 南から入り込む新穂高ロープウエイには1975年8月に乗車して、ついでに
西穂独標(2401m)まで行ってきた。

20km−38 新穂高ロープウエイから 1975.8