OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

孔子鳥化石産出地をたずねて その19 エステリアなどの化石

2014年11月29日 | 昔の旅行
孔子鳥化石産出地をたずねて その19 エステリアなどの化石
Visit to the Locality of Confuciusornis: Part 19. Fossils of invertebrates.

2000年5月29日、孔子鳥化石産地に来ている。
 まわりに積み上げてある岩片中には、エステリアが多く、カゲロウの幼虫や植物もあるが、化石の種類は少ない。岩片を見ている間にもう一羽の孔子鳥が発見されたようだ。100メートルほど離れた丘の上に発掘地を見下ろす展望台が造られている。


43 エステリア 四合屯で採集 スケールは5cm
43 Estherid fossil from Sihutun, Peipiao City.


44 カゲロウ 四合屯で採集 スケールは5cm
44 Ephemeropsis from Sihutun, Beipiao City.

 バスの中で盛んに議論していた発生学者のうち若いほうのプラム氏(Richard Prum)=カンサス大学=が、持ってきたヒョウのぬいぐるみを石の上に置きソニーのビデオカメラで景色と一緒に撮影している。聞けば世界中の景色と一緒にとっているのだそうだ。発掘地からバスに戻る途中で今年流行の光沢のある布のシャツ(カットソーというのだろうか)の若い女性が話しかけてきた。新華社通信の記者だそうで、きれいな英語で質問してくる。お決まりの、どこから来たのか、シンポジウムや巡検に何を期待するのか、今後の研究の方向はどんな展望があるのか、といった質問が来る。この記者は朱琦(Zhu Qi)さんといって南京大学を卒業したばかりの美人であり、巡検とシンポジウムを通じて取材に当たるという(私もいろいろ質問したことが分かる)。でも不思議だったのは、この記者さん、その後も含めてメモを取っている様子が無い。記憶力がいいのだろう。


45 朱琦さん 2000.6 IVPPで撮影
45 Miss Zhu Qi at IVPP

★学名について
☆エステリア estherid 熱河生物群のエステリア類は何種もあって、種名はわからない。節足動物で、日本で田んぼなどに見られるカイエビの仲間。
☆カゲロウ Ephemeropsis 熱河生物群のカゲロウの幼虫は、Ephemeropsis trisetalis Eichwald とされるが、種類は検討を要する。この種類の中国名「三尾拟蜉蝣」。種小名の「seta」は剛毛のことで、尾にある三本の毛を示す。


旅行バッグの肩掛け金具

2014年11月25日 | 今日このごろ
旅行バッグの肩掛け金具

ちょっと古い話である。旅行に愛用している大きなバッグの肩掛けがこわれた。原因は私が重いものを詰めすぎたのだろう。こわれたのは、肩掛けを本体につなぐ尾錠の金具で、ぽっきりと折れたから直しようもない。真鍮製。
 そこで、小倉のNT手芸店で探すと、わりあい簡単にほとんど同じ金具が見つかって購入した。たしか1個200円ぐらい。


1 肩掛けと買ってきた金具。ここに付けたいのだが…。

 この金具を付けるのだが、写真の左から来たベルトは、細長いアジャスターを通って輪を作り(そこに金具が入る)、戻ってアジャスターの中棒に縫い付けてある(写真では見えない)。最初はこの縫い付けをほどいて金具をはめ、縫い直すつもりであった。しかし縫わないで付けられるかも知れないと気がついてチャレンジした。
 まず金具の細長いリングにベルトを通して、アジャスターの先まで行く。この時金具とアジャスターの長さはほとんど同じだから、斜めにする必要がある。




2・3・4 アジャスターまで通す。

 次にアジャスターの中央のベルトを引き出しておいてから、金具をアジャスターの中に通す。この時、アジャスターの中棒が動くことで、空間が広がって通しやすくなる。


5 アジャスターの中を通す。けっこう力が要る。

 もう一回アジャスターを通すと完成。縫わないでできるのだ。


6 完成!

 すでに皆さんご承知かもしれないし、バッグ屋さんにはもちろん当り前の事だろうが、感激した。金具やアジャスターの空間が、この作業に合せたようにギリギリの幅になっているのもおもしろかった。


最後の蒸気機関車たち その90 1975年11月

2014年11月21日 | 最後の蒸気機関車
最後の蒸気機関車たち その90 1975年11月
The last steam locomotives in Japan. No. 90 (Nov. 1975)


この年、秋も深まってから北海道にでかけた。この季節の北海道旅行は初めてである。行程は、夜行特急「はつかり5号」で青森へ。室蘭本線栗丘付近で撮影をし、一度大沼や函館に戻って夜行急行「大雪5号」で北見に出て池北線を通り、白糠線に乗ってから札幌まで夜行「からまつ」を使い、札沼線に乗って札幌泊、最後に青森から上野まで夜行急行「十和田2号」に乗るという、これまた強行軍であった。
まず、岩見沢駅で撮影を始めた。


475N 室蘭本線場所不明 1975.11.15 C57-144
Muroran line, Hokkaido.


476N 室蘭本線岩見沢駅 1975.11.15 D51-146
476-479: Muroran line, Iwamizawa Station, Hokkaido.


477N 室蘭本線岩見沢駅 1975.11.15 C57-144
Muroran line, Iwamizawa Station, Hokkaido.

C57-144は、1976年3月の最後の時期まで働いて廃車、その後岩見沢市で保管されている。D51-146も、同じ時期まで働いて廃車、静岡市で保管されている。最後までいた機関車は、保存されていることが多い。


478N 室蘭本線岩見沢駅 1975.11.15 型式不明
Muroran line, Iwamizawa Station, Hokkaido.


479N 室蘭本線岩見沢駅 1975.11.15 C57-38
Muroran line, Iwamizawa Station, Hokkaido.

この時期になっても、ここでは結構多くの蒸機が働いていた。C57-38も1976年3月まで在籍した機関車で、現在動輪が栃木県大田原市・同下野市・兵庫県三田市に展示されているという。
登場蒸機 C57(写真475・477・479)D51(写真476)

2020.6.22 写真を入れ替えた。番号の後に「N」が付いているのが改善した写真。 

Trivial database of a retired curator, OK.

孔子鳥化石産出地をたずねて その18 孔子鳥化石発見!

2014年11月17日 | 昔の旅行
孔子鳥化石産出地をたずねて その18 孔子鳥化石発見!
Visit to the Locality of Confuciusornis: Part 18. Occurrence of a fossil bird.

2000年5月29日、孔子鳥化石産地に来ている。デモンストレーションで孔子鳥が発見されたという。


40 道具を使って石をはがす 2000.5.29
40 Equipment of the digging.


41 孔子鳥発見! 2000.5.29
41 Find a bird fossil.

 ざわめく中で周りの岩片を片づけ、数名ずつ交代で近寄って観察する。骨の上にまだ薄く堆積物が残っているので周りと色は変らない。三角形の膨らみが頭骨、そこから脊椎が続いて両側に翼、と聞くとなるほどと思う。次第に表面が乾いていくと形が浮き出てくる。参加者一同写真撮影や観察など忙しい。公安の人と一緒に記念撮影する者もいる。マスコミは著名な研究者をつかまえてはインタビューを続ける。私も何人か写真を撮らせてもらう。人当たりの良いアメリカの恐竜研究者セレノ(Paul Sereno)博士=シカゴ大学=、でっぷりとしたアメリカの鳥類研究者オルソン博士、いつもにこやかで冗談のすきなチャッタージー博士、ひげを生やしたオーストラリアの恐竜研究者モルナー(Ralph E. Molnar)博士=クイーンズランド博物館=夫妻。


42 モルナー博士 2000.5.29
42 Dr. Ralph E. Molnar at Sihutun, Peipiao City.


長年お世話になっています その12

2014年11月13日 | お世話になります
長年お世話になっています その12
初代カメラ 1

自分でカメラを持って写真を撮り始めたのは、たぶん小学校卒業ごろ。どうして分るかというと、アルバムの写真を見ると、私が写っているものばかりだったのが、急に景色の写真が多くなるから。写真にもアルバムにも日付がないが、1959年3月24日に小学校のPTAが卒業生と一緒に日本平に行った時のものである。題材は 登呂遺跡 石垣イチゴ 日本平ロープウェイ 東照宮 久能山麓の温室 竜華寺のソテツとサボテン である。
 その時には、父からカメラを借りて行った記憶がある。そのカメラがこれ。


私の使った初代カメラ。

 カメラの機種はアルコ35 Automatというもので、ちょっと個性的なカメラ。35ミリの蛇腹式で、構えた時の左側の上面にあるダイアルでピントを合せる。この機種には大きく分けて二種類あって、これはフィルム巻き上げがレバー式の方である。国産カメラでレバー巻き上げになった最初のカメラかもしれない。レバーを回すとフィルムが動くと同時にシャッターの準備もできる。しかし、ラッチの精度が悪いのでフィルムの移動量が一定でなく、コマとコマの間のすき間が、広かったり狭かったりする、という変なもの。だから、このカメラで撮ったフィルムはそれとわかる。なお、私はカメラマニアではないから、ここにあるカメラの説明や用語に誤りがあるかも知れない。乞う御指摘・御教示。


1960.7.13撮影のフィルム。コマの間が不均等。

 保存されているフィルムを見ると、1960年の中学校の運動会の写真がそういうフィルムである。1963年までの数本が不均等だから、4年ぐらい使ったことになる。


カメラの前蓋を閉めたところ。


カメラ上面。

 次回もこのカメラについて