近鉄にはもう一か所連絡線がある。こちらは前の場所よりもずっと複雑。
B-14・B-15 近鉄大和八木駅の二つの連絡線
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/4c/4cae4823c88271b9bd41246f54b5c84d.jpg)
旅91 大和八木駅付近
大和八木駅は、西からの大阪線と、北からの橿原線が立体交差する駅である。図のように西大寺川駅から大阪線の上り側に合流する単線で大回りの連絡線(途中に係留線cが分岐している)があって、京都から宇治山田方面に向かう特急列車が通る。ただし、列車の本数は少なくて、北から午前と午後に2本ずつ、東からそれに対応して4本が通る。京都駅の時刻表(平日)で調べた。余談だが、京都駅(近鉄)1520発の難波行き観光特急「あをによし」というのがあり、いったいどういうコースで行くのか気になった。大和西大寺から奈良に一旦入って、向きを変えて行くらしい。大和西大寺駅の錯綜した線路配置は有名だが、連絡線のようなものはなく、複線同士の並行配置と、それらをつなぐ渡り線で構成されているから、この記事の対象ではない。
八木の話に戻って、北の新ノ口駅近くにある分岐は、これまでとは違って、aあたりで上下線からそれぞれ別れた線路が、連絡線に入ったすぐのb地点で合流する。従って、本線側に渡り線はない(もしあってもこのために使われない)。
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旅92 新ノ口駅付近の拡大図
大阪線との合流は普通の方法で、dで下り線に合流する。逆に京都方面に向かう列車は、eの渡り線で下り線に移り、dで連絡線に入る。長さ約1500メートルと長い。
もう一本の連絡線は、大阪・難波方面から来た列車を樫原線下り方面につなぐ形をしている。こちらも単線であるが、時刻表上では定期列車は通っていない。長さは約420メートル。この線は、現・大和八木駅付近の建設途上でつくられたものらしい。なお、この二つの連絡線を続けて通過することはe の渡り線を通れば可能なように見えるが、大和八木駅を通らないで橿原線を通り抜けることになり、全く意味がない。
関係年表
大阪線から連絡線経由で八木駅(現・八木西口駅)まで 1925年3月21日大阪電気軌道の八木線として開業
大阪線大軌八木駅(現・大和八木駅)から東の桜井駅まで 1929年1月5日桜井線として開業。畝傍線(現・樫原線)との交差に大軌八木駅(現・大和八木駅)開業。
橿原線 1923年3月21日 平端(天理線との分岐駅)から橿原神宮前(現駅とは別)まで大阪電気軌道畝傍線として開業。
大和八木駅北の連絡線 1967年12月20日開通。
私の乗車 大阪線・樫原線とも乗車しているが、時期は不明。
B-16 飯能の短絡線計画(参考)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/44/86987bb72dc86f4b007593943cf99333.jpg)
旅93 西武鉄道飯能
この短絡線は、計画中のものであるが現在工事が進んでいるわけでもなく、レールも敷かれていない。池袋から伸びてきた西武池袋線が、飯能までできた後、秩父線として西に延伸した時に、八高線の東飯能駅で乗り換え可能とするために飯能駅をスイッチバック構造とした。そのために秩父方面への電車をこの短絡線を通すことが企画された。上の図の薄青の線は、現在の衛星写真で見ることのできる鉄道用地の概形を記入したもの。長さ約600メートル。