2005年 韓国恐竜シンポジウム出席10
大田の科学博物館
翌20日、皆さんは恐竜化石産地の見学、私は夕方の便で福岡へという日程である。朝、化石見学バスの出発前に博物館前で記念写真を撮るというので、ちょっと早く準備してホテルの前に出て迎えを待つがなかなか来てくれない。周りの木立をカササギが飛ぶのを見ながら30分ほど待ってやっと車がやって来る。博物館でしばらく待つが、「皆さんはもう出発した。」とのこと。近くの韓国風食堂で朝食となる。今日は辛い辛いトウフチゲ。サンマの焼いたのも出てくる。こちらは日本と同じ。この食堂はこれまでで一番おいしかった。博物館に帰ってしばらく展示を見ていると、集合の声がかかる。なんと、見学組はまだ出ていなくて、これから写真を撮るという。
33 記念写真 2005.10.20
皆さんで写真を撮って、見学バスの出発を見送る。
私が仁川空港に行く手段については、ああでもないこうでもないと人ごとに意見が違ったが、やっと「大田からリムジンバス」ということに決まる。くどいようだがKTXでもよかったのに。ただ、KTXの場合、ソウル駅から空港までバスに乗る必要があるのでハングルしか書いてない切符売り場でなんとかなるとしても、ちょっとめんどう。
午前中に大田市の国立科学博物館を見ることになる。事務の方とおとなしい女性との3人で車で出発。国立科学博物館は大田の中心にある広い敷地の博物館である。入口の鉄骨組みの高いアーケードが印象的である。
34 科学博物館入口 2005.10.20
アーケードの端の一番高い所にカササギが巣を作っている。事務室で館長に挨拶の後、学芸員の方の案内で展示室に向かう。ロボットに関する特別展をやっていてそこから見始める。常設展は「日本の国立科学博物館を参考にしました。」というお話の通り、展示が国立科学博物館にちょっと似ている。中央の広い吹き抜けの周りに三層の展示室が並んでいる。古脊椎動物関連ではアロサウルスかなにかの恐竜と親子のマンモスが目に付くくらいで、あまり大きなものは無い。
35 マンモスの展示2005.10.20
現生のイワシクジラかなと思うナガスクジラ科の骨格が展示されている。面白かったのは、中新世のゴンフォテリウムの下顎骨化石で、これは私が前に研究したことのある、岐阜県の御嵩町の標本である。レプリカのようだが一部が手を加えてあって模造である。例えば、前方に伸びる牙は、上顎とすれあった面白い形の切れ込みがあるのだが、その部分は単純な円筒形になってしまっている。臼歯はたぶん正しい形をしている。どうせ作るならちゃんと全部を型取りすればいいのに。
36 岐阜県御嵩町産標本の「レプリカ」 2005.10.20
37 G. annectens 下顎は京都大学蔵 上顎(holotype)は瑞浪市化石博物館蔵
ここの展示は、属名が Bunolophodon と、少し古い名前になっている(現在使われるのはGomphotherium)のはちょっといけないが、東アジアにおける象の進化史上重要な岐阜県標本が選ばれているのは非常に良い。韓半島から同属の G. yokotii の臼歯化石が記載されているが、その事実をふまえて展示してあるのだろうか?
38 ヨコチゾウのホロタイプ 京都大学蔵
G. yokotiiは、1936年に京都大学の槇山次郎教授によって新種記載されているから、ホロタイプは京都大学にある。産出地は半島の北部分にあるから展示解説がどのくらい詳しくされているのだろうか。私の知る限り韓半島の唯一の第三紀長鼻類化石である。
大田の科学博物館
翌20日、皆さんは恐竜化石産地の見学、私は夕方の便で福岡へという日程である。朝、化石見学バスの出発前に博物館前で記念写真を撮るというので、ちょっと早く準備してホテルの前に出て迎えを待つがなかなか来てくれない。周りの木立をカササギが飛ぶのを見ながら30分ほど待ってやっと車がやって来る。博物館でしばらく待つが、「皆さんはもう出発した。」とのこと。近くの韓国風食堂で朝食となる。今日は辛い辛いトウフチゲ。サンマの焼いたのも出てくる。こちらは日本と同じ。この食堂はこれまでで一番おいしかった。博物館に帰ってしばらく展示を見ていると、集合の声がかかる。なんと、見学組はまだ出ていなくて、これから写真を撮るという。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/91/a4fc9cd7aae840671cf5d90dbb4a2f8f.jpg)
33 記念写真 2005.10.20
皆さんで写真を撮って、見学バスの出発を見送る。
私が仁川空港に行く手段については、ああでもないこうでもないと人ごとに意見が違ったが、やっと「大田からリムジンバス」ということに決まる。くどいようだがKTXでもよかったのに。ただ、KTXの場合、ソウル駅から空港までバスに乗る必要があるのでハングルしか書いてない切符売り場でなんとかなるとしても、ちょっとめんどう。
午前中に大田市の国立科学博物館を見ることになる。事務の方とおとなしい女性との3人で車で出発。国立科学博物館は大田の中心にある広い敷地の博物館である。入口の鉄骨組みの高いアーケードが印象的である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/ea/e0a5ec21a9d1818b427e9b339c038a7c.jpg)
34 科学博物館入口 2005.10.20
アーケードの端の一番高い所にカササギが巣を作っている。事務室で館長に挨拶の後、学芸員の方の案内で展示室に向かう。ロボットに関する特別展をやっていてそこから見始める。常設展は「日本の国立科学博物館を参考にしました。」というお話の通り、展示が国立科学博物館にちょっと似ている。中央の広い吹き抜けの周りに三層の展示室が並んでいる。古脊椎動物関連ではアロサウルスかなにかの恐竜と親子のマンモスが目に付くくらいで、あまり大きなものは無い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/bb/e3e931215bc7343d205bc74b10cf1a04.jpg)
35 マンモスの展示2005.10.20
現生のイワシクジラかなと思うナガスクジラ科の骨格が展示されている。面白かったのは、中新世のゴンフォテリウムの下顎骨化石で、これは私が前に研究したことのある、岐阜県の御嵩町の標本である。レプリカのようだが一部が手を加えてあって模造である。例えば、前方に伸びる牙は、上顎とすれあった面白い形の切れ込みがあるのだが、その部分は単純な円筒形になってしまっている。臼歯はたぶん正しい形をしている。どうせ作るならちゃんと全部を型取りすればいいのに。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/93/747ac22a0aaead13b481d71f07835c99.jpg)
36 岐阜県御嵩町産標本の「レプリカ」 2005.10.20
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/80/b6b04195109a9164778d88e22b01646a.jpg)
37 G. annectens 下顎は京都大学蔵 上顎(holotype)は瑞浪市化石博物館蔵
ここの展示は、属名が Bunolophodon と、少し古い名前になっている(現在使われるのはGomphotherium)のはちょっといけないが、東アジアにおける象の進化史上重要な岐阜県標本が選ばれているのは非常に良い。韓半島から同属の G. yokotii の臼歯化石が記載されているが、その事実をふまえて展示してあるのだろうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/a4/eb821b87a5a8db915ef1841237cbdbef.jpg)
38 ヨコチゾウのホロタイプ 京都大学蔵
G. yokotiiは、1936年に京都大学の槇山次郎教授によって新種記載されているから、ホロタイプは京都大学にある。産出地は半島の北部分にあるから展示解説がどのくらい詳しくされているのだろうか。私の知る限り韓半島の唯一の第三紀長鼻類化石である。