OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

2022年の旅行データ

2022年12月31日 | 旅行

 今年も最後の日となった。今年の旅行をまとめておこう。その前の2年と比べればずいぶん旅行したように感じるが、コロナ以前と比較すると見る影もない。宿泊を伴う旅行は、5月の嬉野、7月と8月の名古屋、12月東京(池袋ショー)の4回。コースは単純だから今年も地図は省略。
 年間JR乗車距離は5,750.4km(2021年は2,248.2km、2020年は779.9km、2019年は 5,762.7km)、私鉄乗車距離は386.3km(2021年は71.8km、2020年は181.6km、2019年は255.1km)。だいぶん元に戻ってきた。これまでこの数字は、旅行など日常と離れた日だけを計上し、生活的に乗車したものをふくまなかったが、2022年からはそういうものも計上し始めた。ただし2022年は不完全。

年ごとの鉄道乗車距離 2011年から

 上のグラフは、年間の鉄道乗車距離で、2011年から。A(2016年)は病気治療のため、またBはCOVID-19 の流行のために旅行を差し控えた。
 2022年も空路移動はない。JR乗車距離が2021年末までに積算42万km(地球から月までの平均距離)に届いた。私が旅行できなくなる頃までに、月から帰ってくることはできるだろうか。私鉄乗車距離・空路移動距離・それに通勤の推定乗車距離を足せば、おおざっぱに残り7万kmぐらい。可能かもしれない。積算距離には、古いところに記録の無い期間が相当ある。

 2022年初めに全鉄道乗車は残り3線だった。北から順に、富山駅地上階の富山地鉄市内線-富山ライトレール連絡線(0.1km)・福井鉄道駅前延伸部(0.1km)・沖縄モノレール延伸部(4.1km)であった。合計4.3km。2022年7月に広島電鉄の宮島線終点の駅が移動したために0.1kmほどの未乗車線が生まれた。また9月23日に西九州新幹線武雄温泉・長崎間69.6kmが開業した。西九州新幹線は開通してから約2か月後の11月21日に乗車した。従って現在の未乗車線は4.4km。

 旅行で県境を越えた回数は74回、訪問14都府県。長崎県は久しぶり。長い間行っていない県は変化ない。1位山形県で、2005年1月以来。2位・3位は山陰2県(2006)、次いで愛媛県・山梨県・和歌山県(以上2007)秋田県(2008)沖縄県(2009)と続く。

都道府県ごとの最終訪問年

 旅行データについては、コロナ引きこもりのこの時を「機会」ととらえて、再整理・集計をした。来年年始からその記録を掲載するが、はっきり言えばあまり面白くない。「こだわり」の部分が強すぎるのだが、せっかくまとめたから読み飛ばしていただきたい。44回の掲載分を作成しているが、もう少し書き足す可能性もある。

 データの羅列に2022年もおつきあい頂きありがとうございました。来年もめげずに掲載を続けます。日ごろ起った出来事を記して行きますが、何ごともない平和な日々にそなえて、昔のことを記した原稿が9月末くらいまでの分書いてあります。来訪の方の「コメント」をお寄せ頂ければ幸いです。皆様に読んでいただいていることを信じていますが、コメントを戴くと確認できます。
 なお、投稿日は1日 5日 9日... と[4の倍数+1]日の計画で進めております。
 2022年は戦争だのコロナだの不安な年でしたが、2023年こそは、皆様にとって、また私にもよい年になることを願っております。

2022池袋ショーで入手した化石 下

2022年12月29日 | 化石
 購入標本のつづき。
3 シカの角
 最後は台湾産のシカ類の角。これが一番良かった。

19 「エルク」の角 更新世 澎湖海溝 たぶんElaphurus formosanus (Shikama)

 シカの角座から25センチほどの破片。角座の長径約6センチ、短径約4.5センチ。主枝の眉枝側にいくつかのイボ状の出っ張りがある。商品のラベルなどには「エルク」としてある。英語のelkというのは、ヨーロッパではヘラジカAlces alcesのこと、アメリカではアメリカアカシカCervus canadensisのことだが、角の形はどちらでもない。たぶんシフゾウ(四不像)Elaphurus davidianus に近い種類のようだ。
 シフゾウは1866年にMilne-Edwardsが中国の現生種につけた種名で、皇帝の庭に飼われていたという。その後混乱で庭のシフゾウは絶滅したが、その前にヨーロッパの動物園に移動されていた個体をもとにして復元された。台湾の化石に対して、Shikamaは1937年にCapreorus (?) formosanusを記載したが、1978年にOtsuka and ShikamaはこれをElaphurus属に移した。論文は次のもの。
⚪︎ Otsuka, Hiroyuki and Tokio Shikama, 1978. Fossil Cervid from the Toú-kóu-shan Group in Taiwan. The Reports of the Faculty of Science, Kagoshima University, (Earth Science and Biology), No. 11: 27-59, pls. 3-8.
 Toú-kóu-shan (頭◻︎<山かんむりに科>山) Groupは、台湾の中央山脈の西側に細長く分布する更新世の地層。

20 Otsuka and Shikama, 1978. Plate 4.

 鹿間先生は台湾の脊椎動物化石の調査中に倒れられ、この論文の刊行された1978年12月に逝去された。その間に横浜の先生の研究室でお会いしたことがあった。1975年発行の台湾のゾウ化石の論文別刷をその折にいただいたが、残念ながらサインはもらっていない。1978年の論文は鹿間先生がお亡くなりになってから主著者の大塚先生からいただいた。
 今回の標本はこの地層の分布地から数十キロ西の海底から産出したものだから、この種類かどうかはわからない。2001年に胡 忠恆・陶 錫珍は「澎湖群島動物化石専集」を発行した。これを見るべきなのだが、私は持っていない。
 池袋ショーに関する記事はこれでおしまい。

2022池袋ショーで入手した化石 上

2022年12月25日 | 化石

 今回も幾つかの化石を購入したが、安いものばかりだし、興味深いものはない。交通費との比率を考えるともったいないのだが、購入のために行くのではなく、皆さんとお会いするために行くのだと考えている。
 三種類の化石を紹介する。今回はののうちの二種類だが、はっきり言って面白くない。
1 四射サンゴ類
 属も産地もメモしていない。シルル紀、アメリカのものと言われただけ。
  
17 四射サンゴ類 Silurian アメリカ

 これは、これから研磨の練習用。二個の標本で、どちらも不完全。たくさんの中からツノ型をしていて、内部のセプタがはっきりしているのを選んだつもり。写真の上で放射状の線が見られるが、ここを磨くつもり。ただ、右側の標本は本来の上端のようだから、左だけを磨いてみようかな。学生時代や在職中ならターンテーブルがいつでも使えたから簡単な作業だが、家でやろうとすると結構手こずるだろう。

2 アプティクス
 ジュラ紀アンモナイトの顎器。

18 アプティクス Jurassic ドイツ

 ゾルンホーフェンの石灰岩に入っている。両側の二枚が重なっているが、片方が裏面を見せているのが気に入って購入。ただし、表側が見えているこちらの片が真ん中で割れているから、いいものではない。両方が揃っていて、割れていない標本もあったが、それはいつでも手に入る。合わせ目の内側を見ることができるのがいいところ。と考えたが、その部分の保存がそんなに良いわけでもない。ラベルに書いてある産地はMühlheim, Germanyとなっている。Solenhofenの石版石の分布地から北西に少し離れているがいいのだろうか? でも石はplattenkalkのように見える。
 いいものを買っていないなあ。

2022池袋ショーに行って来ました 3

2022年12月21日 | 旅行
 翌日、起床して顔に当たる気流について色々と考えた結果、窓の内側の空気が冷やされて降りてきて、カーテンの下端から出てくるのが原因ではないかと推測した。

9 窓の構造 

 窓の内側に溝になった部分があって、冷気がせき止められる構造ではあるのだが、その内側にある目覚まし時計などを置く「土手」を越えてくるのではないか。そこで、翌晩はカーテンを「土手」の中に垂らす(下に隙間が空く)のではなく「土手」の上に乗せて、隙間をほぼ無くしてみた。

10 カーテンを「土手」に乗せる

 もくろみは当たって、顔に当たる気流がなくなり。翌日の夜はよく眠ることができた。

 二日目の朝、ゆっくり起きて食堂へ。ここの朝食バイキングはなかなか質が良い。昨年は空席が目立ったが、今年は混雑している。欧米系の外国人も目立つし、中国の旅行者はさらに数が多そう。化石鉱物ショーの開場は10時だから、ゆっくりと支度して開場へ。すでに長い列ができていた。本当は私の入場証では10時からだが、なんとなく口ごもって入れるかどうか質問していたら、9時半過ぎに入れてくれた。

11 入場待ちの列 2022.12.09

 10時に開場し、多くの入場者が入ってくる。

12 会場の風景 2022.12.09

 写真は四階の外国のお店の風景。見えているのはGeorgeのお店。彼は最終日まで標本を次々と出してくるから、この時にはまだ展示台が大分空いていた。
 展示されていた標本をいくつか紹介しよう。写真撮影は許可をもらっている。

13 魚竜の頭部 2022.12.09

 産地などはメモしていない。おそらくこどもの魚竜で、ずいぶん小さい。体表に鱗のようなものがあるのが気になる。

14 魚竜の頭骨の一部 2022.12.09

 これも魚竜の頭部で、眼窩のあたりの標本。中央が眼窩で、眼球の周りにあるsclerotic ring が半分以上見える。この骨は多くの脊椎動物に見られるが、哺乳類やワニにはない。日本語で「強膜骨」というらしい。鞏膜だったと思うが、最近の教科書では強を使うらしい。語源的には「化骨した」というような意味だろうから、「強」はおかしいかも。

15 ヤスデの一種 2022.12.09

 石炭紀のヤスデの仲間。Virginia, アメリカ産。Myriacantherpestes sp., たぶんM. clarkorum (Burke)。枝分かれしたトゲが特徴。
 化石以外は見ていないが、近年水晶の晶洞の群晶を、単結晶ごとに分離する方法が開発されたらしくて、そうやって割り出したものが販売されていた。

16 紫水晶を割り出したもの 2022.12.09

 すでに名古屋の化石・鉱物ショー(2022年8月)でそういう長くて根元が細くなった水晶、とくに煙水晶をたくさん見てきたが、写真は紫水晶。結晶面のあるところは先端だけで、他は隣の結晶との境界面。
 幾つかの化石標本を購入したが、それについては後で記す。三日目のお昼においとまして帰宅。今回は、いつもよりも1日短縮した。ショーの行われたビルから出ることもなく二日間を過ごした。土曜日にそのまま宿泊すると、宿泊料がずいぶん高いことと、コロナの感染者数が増してきていることを考慮した。

2022池袋ショーに行って来ました 2

2022年12月17日 | 旅行

 今年の会場はこれまでと大きな違いがある。これまで二階と三階のフロアを使っていたのが、今年は四階も会場になって、ずいぶん広くなった。

6 会場配置図 ガイドブックから

 二階・三階には国内の化石・鉱物業者さん(370店)が、四階には外国のお店(86店)が入っている。この数字は、ガイドブックによっているが、そのうちいくつぐらいのお店が化石を扱っているのかは分からない。私の感覚で4分の一ぐらいだろうか。会期中二階と四階を回ったが、三階はほとんど見ていない。この階では、標本的なものはあまりなくて、装飾やアクセサリー・置物などが主で、私の嫌いなパワーストーン系などもあるから。
 この日は二時間ぐらいしかなかったから、皆さんと会いながらざっと見て、同じビルにあるホテルへ。今年は、一か月前に切符の予約をする際、部屋が一日しか取れず、もう一日は別のホテルを取ったが、その後旅行会社が予約をし直してくれた。ところが、この日にフロントに行くと「部屋が二日目は変わります」という。取り直した際にそれを連泊にしてなかったらしい。それは不便なので、交渉の結果連泊できる部屋を探してくれたから結果としては問題がなかった。これはむしろ旅行社の手落ちかな。毎年ここに泊まるが、来るたびにシステムが変わる。便利になることばかりではなく、分かりにくくなることもある。今回は部屋のカードキーに新たな機能が加わっていて、エレベーター内のセンサーにかざすと、宿泊者であることを示すことでセキュリティーを保つと同時に、降りる階を自動的に感知してくれるようになった。私は、よくわかっていなかったので、降りる階のボタンを押したが「その階には止まりません」というアナウンスが出た。悪いことに各階に停まる機と途中までとばす機があるので、迷った。「カードをかざしてください」というアナウンスであるべきだ。
 部屋は22階。いつもの夜景が美しい。

7 夜景 2022.12.08

 窓も変えられている。これまでは一部が少しだけ開けられる構造になっていたと思うが、今回はガラスが完全に固定されていた。眠りにつこうと思ったが、困ったことが。寝ると顔に僅かだが冷たい気流が当たるのだ。空調は切ってあるし、入り口ドアの下から入る風もない。結局この夜は対処法を思いつかず、頭の横にスペアの枕を立てたりして寝た。

8 朝焼け スカイツリーが見えている 2022.12.09