OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

1991年モンタナ州の訪問 その27

2016年04月28日 | 昔の旅行
1991年モンタナ州の訪問 その27
Visit to Montana for digging, 1991. Part 27

 1991年7月9日、ロスアンジェルス郡立自然史博物館のバックヤードに来ている。化石クリーニングの部屋には机が4つぐらいあって、それぞれ砂袋の上で化石のお掃除をしている。

108 化石の剖出 1991.7.9 Staff of fossil cleaning

109 彼女の道具類 1991.7.9 Her equipments

 写真の女性はたぶん補助職員で、イルカ類の下顎の化石を扱っていた。彼女の写真を撮っていたら、隣の机の男性が「なぜ彼女だけ写真を撮るんだ?」と聞いてきた。「あなたが私だったら、どちらの写真を撮るか?」と笑いながら答えたら「なるほど」ということだった。続いてレプリカを作る部屋に移動。

110 天井からつりさげられたティラノサウルスの顎 1991.7.9 Hanging Jaws of Tyrannosaurus

 ここで、アメリカ西岸の「歯のあるヒゲクジラ類」の実物を見せていただくことになった。やっと目的の化石に出会えた。

111 歯のあるヒゲ鯨頭骨とバーンズ博士 1991.7.9 Dr. Barnes and a skull of toothed mysticete

 保存のいい化石で大変参考になる。
(つづく)


私の使った切符 その35 1984年の乗り潰し

2016年04月25日 | 鉄道
私の使った切符 その35 1984年の乗り潰し

 この年も、福岡県・山口県の未乗車線を潰していった。

35-1 香椎線・筑前新宮駅・宮島連絡✝・錦町✝の切符

★ 1984.6.2 西戸崎(香椎線終点)から160円区間の乗車券
★ 1984.6.2 筑前新宮(鹿児島本線)から630円区間の乗車券
 筑前新宮は福工大前に改称(2008年)、場所も少し移動した。
★ 宮島口(山陽本線)から宮島✝(宮島航路✝)ゆきの乗車券(乗船券?)
 宮島連絡は現在JRではないが、JR西日本関連会社が運営している。私の私的統計では「鉄道」に入れてないが、これは他の連絡航路が無くなったので整理するため。それにこれを鉄道に入れると、ビートル(博多~釜山航路:JR九州関連会社)も入る可能性が生れるので除外している。この切符は宮島口から宮島に渡るもの。帰途の宮島からの乗船券は残念ながら硬券では無く、感熱式の自動販売切符で、保管はしているが退色してみるかげもない。
★ 1984.6.6 錦町(岩日線)から130円区間の乗車券
 この乗車券の裏には、チェックの赤鉛筆線が二本も入っている。チェックの間隔がどれくらいだったか知らないが、おそらく一か月ぐらいだろうか。そのチェックが二回来ても売れていなかったのだから乗客が少ないことがわかる。

35-2 錦町から130円区間の乗車券裏面

★ 1984.6.6 錦町(岩日線✝)から480円区間の乗車券

35-3 肥後小国✝(宮原線✝)から160円区間の乗車券

★ 1984.8.11 肥後小国✝(宮原線✝終点)から160円区間の乗車券


35-4 烏山から滝(ともに烏山線)ゆきの乗車券

★ 1984.9.12 旅行中に立ち寄った烏山線の乗車券。
 1984年末には国鉄未乗車区間の総距離が3000kmを切った。全線の14%強、まだ先は長い。


1991年モンタナ州の訪問 その26

2016年04月22日 | 昔の旅行
1991年モンタナ州の訪問 その26
Visit to Montana for digging, 1991. Part 26

 1991年7月9日、ロスアンジェルス郡立自然史博物館の展示を見た後、古脊椎動物学研究者のバーンズ博士(Dr. L. Barnes)に面会。初対面であるが、その後長いおつき合いが続いた。面会の約束があったわけではないから、よく会っていただいたものだ。北九州で発見された鯨化石について研究していると自己紹介した。

104 バーンズ博士と私 1991.7.9 Talk with Dr. Barnes

 それから、しばらくバーンズ氏の鯨化石についての「講義」を聞いたが、私の求めるあたりの情報と違う方向の物で、直接参考になったとは言えない。私の英語の能力に問題があったのは確か。たくさんの鯨類の化石頭骨を出していただいたので、面白かったが。私の見たい鯨は別の所にあるという。

105 歯鯨頭骨化石 1991.7.9 A fossil dolphin skull

 化石クリーニングの部屋に移動して、技術的なことを勉強した。

106 クリーニング室 1991.7.9 Room for fossil cleaning

107 サンドブラスト 1991.7.9 Sandblasting system

 サンドブラストは、エアーで砂を吹きつける機械。ひびを入れずに表面を削り取ることができるので、母岩との分離の悪い化石のクリーニングには威力がある。もとは、墓石の文字を彫り込んだり、ガラスに文字を入れたり、部分的にすりガラスにしたりするような道具として発達したが、近年は砂の硬さを選ぶことで、塗装をはぐのにも使う。ちょっと間違うと化石もすぐに傷つけるので私は使わない。
 日本の博物館との一番の違いは、こういったいろいろな作業に関わるスタッフが多いこと。各作業に正職員のほかアルバイトやボランティアが入っている。さらに分野の数も非常に多くて、「化石のレプリカを作る」「印刷物を計画する」とか「文字のデザインをする(ロゴメーカー)」というのまであって、それぞれ最低一部屋が与えられていた。ただし、このころからロスアンジェルス市は財政的な理由でこれらのスタッフの大量解雇に手をつけ、訴訟騒ぎまで引き起こした。バーンズ氏自身も雇用問題に引き込まれたという。
(つづく)


私の使った切符 その34 1983年夏~1984年春

2016年04月19日 | 鉄道
私の使った切符 その34 1983年夏~1984年春


34-1 地福駅の入場券
 
★ 1983.5.17 地福駅(山口線)の入場券
 家族旅行でドライブの途中、蒸気機関車の牽く列車が停車する山口線地福駅で機関車と記念写真を撮った時の切符。

34-2 チェック線のある特急券(同じものの表裏写真を合成)

★ 1983.7.31 名古屋から300kmまでの乗継自由席特急券
 発行枚数のチェックのために、裏面に線(普通は赤鉛筆の線、これには黒ボールペンの線)を入れることは前にも書いた。この券は名古屋駅発行という切符販売数の多い所だからチェックが入っているのは珍しいのだろうか。名古屋発行で、名古屋からの乗継というのはどういう意味だろう。この時は小倉から新幹線で名古屋に、そこから中央本線で長野、更に飯山線で小千谷(上越線)に行った。通常新幹線の特急券と中央本線の特急券を同時に購入すると「乗継」となるのだが、小倉で購入時間が無い時などに「乗継請求」を受けておくと、名古屋で乗継特急券を発行してもらう権利が残る。この時、乗車券に「乗継請求」という印が捺されるはず。残念ながらこの乗車券(小倉から小千谷:手書きだった)は残っていない。乗継請求のことを知っている乗客は少ないから、発行枚数も少なかったのかもしれない。

34-3 宇部線の手書き乗車券(宇部新川駅(宇部線)発行)

★ 1984.1.12 小郡(山陽本線:現新山口)から長門本山(小野田線)までの補充券(硬券でない)
 名古屋から小倉に向かう途中、小郡で下車、宇部線を回って長門本山(通称本山線)に行く時の切符。小郡で手続きをせず、宇部新川で購入したらしい。

34-4 山口県の切符

★ 1984.1.12 長門本山から140円区間の乗車券(硬券では無い)
 本山駅は無人駅になっていたらしく、残念ながら硬券の購入はできなかった。


34-5・34-6 通称本山線 1984.1.12 雀田駅で撮影。

 この写真を見ると、電車のサイドボードに「本山線」と書かれているから、通称ではあっても、国鉄も使っていたことがわかる。車両マニアでは無い私も、この電車は珍しくて撮ったのが上の写真。

★ 1984.1.12 雀田駅(小野田線・本山支線分岐駅)入場券
★ 1984.3.5 三段峡駅✝(可部線終点)入場券
 山口県の未乗車線は、休日を利用して乗り潰していった。1984年3月に岩徳線乗車により、残りが3500kmになった。乗車記録はノートにつけていたが、コンピュータのない時代だから、集計などに不備がある。コンピュータを使って大体正確に管理できるようになったのは、2003年になってから。


1991年モンタナ州の訪問 その25

2016年04月16日 | 昔の旅行
1991年モンタナ州の訪問 その25
Visit to Montana for digging, 1991. Part 25

 1991年7月9日ロスアンジェルス郡立自然史博物館の恐竜特別展を見た後、常設展示室に向かう。ここではぜひ見ておきたいものがある。それは骨質歯鳥に関する展示。

100 骨質歯鳥展示 1991.7.9 Display of Osteodontornis

 この標本は、1957年にヒルデガルド・ハワードが報告した物で、カリフォルニア州の採石場で発見された(H. Howard (1957) A gigantic “toothed” marine bird from the Miocene of California)。学名はOsteodontornis orriである。実物は別の博物館にあって、これはレプリカ。鳥の骨格が二枚の石版にみごとに保存されている。この仲間は非常に大きな種類を含むが、全て海で生活する鳥で、始新世から鮮新世くらいの全世界から報告されている。オステオドントルニスという名前はosteo(骨の)dont(歯)ornis(鳥)という語源で、上下のくちばしの骨が歯のような突起をたくさん持っていることから名づけられた。それで日本語では骨質歯鳥と呼ぶ。北九州でも発見されたので、見ておきたかったのだ。


101・102 カリフォルニア産の骨質歯鳥化石 1991.7.9 Holotype of Osteodontornis orri (reprica)]

 他にもすばらしい水かきのある鳥の足跡化石が目についた。

103 始新世の鳥の足跡化石 1991.7.9 Bird footprints from Wyoming (Eocene)

 ワイオミングの始新世の足跡化石である。
 他にも広い館内をうまく使ったジオラマなどが印象的だった。
(つづく)