音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■ Chopin の楽譜書き込みは、アナリーゼそのもの 、「□」記号の意味■

2014-06-17 15:55:17 | ■私のアナリーゼ講座■

Chopin の楽譜書き込みは、アナリーゼそのもの 、「□」記号の意味■

 ~Chopin が見た 平均律アナリーゼ講座 第 20回 のご案内~
      
   第 1巻 第 20番 イ短調 a-Moll

                                              2014.6.17       中村洋子

 

 

 

明るく晴れやかな 19番 A-Dur Prelude の冒頭は、

「 a - h - cis 」 の16分音符であるのに対し、

20番 a-Moll の Prelude は、「 a - h - c 」 のメランコリックな、

短3度に変容しています。

冒頭の下声も、19番は下行半音階、20番は「 A 」の保続音。

とても対照的です。

 

★舞曲を思わせる 20番 Prelude は、わずか 28小節です。

87小節の長大な Fuga に比べ、短くみえますが、

バランスがとれていない訳では、決してありません。

 

★Bach の自筆譜を見ますと、 Prelude 20小節目までを、

1ページ 6段 で記譜し、

残り 8小節は、2ページ目に 3段で記譜しています。

3段目は、27小節の 7、8、9拍目と 28小節目のみですが、

そこで終わることなく、すぐに、

その横から「 Fuga 」を、書き始めています。

 

 

何故、このような極めて異例な「レイアウト 」にしたのでしょうか?

19番から 20番の Prelude を見ますと、

答えは、自ずから出てきます。

そして、 Bachが、どのように20番を演奏して欲しかったかも、

分かってきます。

 

Chopin 所蔵の『平均律 』楽譜には、

20番に、「×」 と 「 □ 」 の記号が、

たくさん、書き込んであります。

「 × 」 は、テーマを意味することも多いのですが、

「 □ 」 は、何のために、記したのでしょうか。

それについての私の考察を、講座でじっくりお話いたします。

 

★それを理解しますと、Chopin ショパン が、

この20番をどのように解釈し、理解し、演奏し、

それを自分の作曲にどう役立てていたか、

実に、よく分かります。

 

 

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■日 時 : 2014年 13日 (  午後 2  4 30

■会 場 : KAWAIミュージックスクール「みなとみらい」        

    横浜市西区みなとみらい4-7-1 M.M.MID.SQUARE 3F

    ( みなとみらい駅『出口 1番』出て目の前の高層ビル3F )

■予 約 :  Tel.045-261-7323 横浜事務所

     Tel.045-227-1051 みなとみらい直通

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■ 講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

 2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

 07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

 08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
     CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

 08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

 09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版

         「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲第 3番 」が、
           W.Boettcher 氏により、Mannheim ドイツ・マンハイム で、
           初演される。

 10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

 10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。

      「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」 を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

 11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

 12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
    チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

 13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。

          「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」 を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

       スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
    自作品が演奏される。

  ★上記の 楽譜 & CDは「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/  

 「アカデミア・ミュージック 」 https://www.academia-music.com/ で販売中

 




 

 ★私の作品の CD 「 無伴奏チェロ組曲 4、 5、 6番 」

  Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、

   全国の主要 CDショップや amazon でも、ご注文できます。

 ★ disk Union クラシック館で、第1 ~ 6番を購入できます。

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                                                               ( 鶺鴒 )

 

   ※copyright © Yoko Nakamura  
             All Rights Reserved
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

 

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