音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■インヴェンション第 13番 で、対位法を自然に、苦痛なく身につける■

2011-12-24 23:19:49 | ■私のアナリーゼ講座■

■インヴェンション第 13番 で、対位法を自然に、苦痛なく身につける■
     ~ 横浜・第13回インヴェンション講座のお知らせ ~
                     2011.12.24   中村洋子

★「 KAWAI 横浜みなとみらい 」 での 、

「 Bach ・インヴェンション講座 」 も、あと 3回と、なりました。


★「Invention インヴェンション 13番 」 は、

8番ヘ長調と並び、最も、有名な曲です。

どなたも、どこかで耳にしたことがある、

この名曲を基に、バッハの「 対位法 」とは、

何であるかを、分かりやすく、お話します。


★「 対位法 」  ( counterpoint :英語 ) という語は、

point counter point ( 点対点 ) という語を、

起源にして、生まれた楽語です。

日本語の 「 法 」 という語がもっている、

いかめしいイメージではなく、

音楽を、楽しむための、単なる技法にすぎないのです


★「 point 」は、音符を意味します。

和音を、どのように繋いでいくかが、「 和声法 」ですが、

「 対位法 」 は主に、 「 音の流れの横の線 」 のための、

≪ 概念 ≫ です。


★点 ( 音符 ) と 点( 音符 ) の関係、

例えば、二声部で、下声に ド、上声に ミがあり、

次に、下声に ソ、上声に シ、さらにその後、

下に ラ、上に ド・・・というように、音楽が進行するにつれ、

その ≪ 下声の  ド ソ ラ、 上声の ミ シ ド ≫ という

「 関係 」が、横の線として「 モティーフ 」 や

「 旋律 」になっていく、

それが、≪ counterpoint ≫ なのです。


★カノンやフーガは、その ≪ counterpoint ≫ を、

豊かに、発展させた様式です。

フーガなどを、楽しむためには、前に出てきた 「 旋律 」 や 、

「 モティーフ 」 を記憶し、

その展開を、理解する必要があるため、

ある程度、音楽的素養が、必要であるとはいえます。


★この「 対位法 」に、入口でつまずき、

それを、乗り越えられず、

結果的に、「 インヴェンション 」を敬遠し、

Bach 嫌いになってしまう方が、非常に、多いのです。

 

 

★あるいは、≪ counterpoint ≫ を教える側が、

さも、難解な教義であるかのように、

もったいぶって、理解不能な翻訳語を多用して、

“ 解説もどき ”をするため、

受け手のほうが、拒否反応を起してしまうのかも、

しれません。

それは、結局のところ、教える側が、

≪ 対位法 ≫ を、よく理解していないからでしょう。

どんなことに対してでも、いえることですが、

初心者に、分かりやすく教えることができないのは、

教える側が、よく理解していないからです。


★この講座では、どうやって、苦痛なく、

 ≪ counterpoint 対位法 ≫ に親しみ、

自然に、知らないうちに 

≪ counterpoint ≫ を身につけていくか、

演奏に、どのように関連付けるか、

それを、お話します。


★また、 「 シンフォニア 13番 」 で、対位法の拡大形、

縮小形、反行形などの技法を、具体的に見てみます。


★バッハの、最高の演奏家であった Albert Schweitzer

アルベルト・シュヴァイツァー (1875~1965)は、

著書で次のようなことを、指摘しています。

≪子どもに限らず、大人でも、インヴェンションを、

つまり、対位法を学びさえすれば、

本物の芸術と偽物とを、区別できる能力が、

自然に、養われる。

そして、それは、終生、消え去らないのである ≫。

 

★ ≪ counterpoint ≫ を理解することは、

≪ Bach の豊饒な音楽の世界 ≫ への扉を、

開く鍵なのです。

Bach のみならず西洋音楽全般への鍵でもあるのです。

そして、汲めども尽きぬ、音楽と共に生きる喜びが、

生まれるのです。

■ 講師 : 中村洋子

■ 日  時 :2012年 1月23日(月)午前 10時 ~ 12時 30分

■ 会  場 : カワイミュージックスクール みなとみらい        

    横浜市西区みなとみらい4-7-1 M.M.MID.SQUARE 3F

    (みなとみらい駅『 出口 1番 』 出て目の前の高層ビル3F)

会 費 :3,000円 ( 要予約 ) Tel.045-261-7323 横浜事務所
                     Tel.045-227-1051 みなとみらい直通

 

■講師:作曲家 中村 洋子


東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。
2003年~ 05年:アリオン音楽財団《東京の夏音楽祭》で新作を発表。

07年:自作品「無伴奏チェロ組曲第 1番」などをチェロの巨匠W.ベッチャー氏が演奏したCD『 W.ベッチャー日本を弾く』を発表。

08年:CD「龍笛&ピアノのためのデュオ」、CD  ソプラノとギターの「 星の林に月の船 」を発表。

08~09年 :「 バッハのインヴェンション・アナリーゼ講座 」全15回を開催。

09年10月:「 無伴奏チェロ組曲 第 2番 」が、W.ベッチャー氏により、
ドイツ・マンハイムで初演される。

10年:「 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 が、ベルリンのリース&エアラー社
 Ries &Erler Berlin から出版される。

CD 『 無伴奏チェロ組曲 第 3番、 2番 』  W.ベッチャー演奏を発表。

「 レーゲンボーゲン・チェロトリオス( 虹のチェロ三重奏曲集)」 が、
ドイツ・ドルトムントのハウケハック社Musikverlag Hauke Hack社から出版される。
スイス、ドイツ、トルコの音楽祭で、自作品が演奏される。

10年 1月より:バッハ・平均律クラヴィーア曲集第 1巻の全曲アナリーゼ講座を、
カワイ表参道で開催中。

2011年 4月 : 「 10 Duette fur 2 Violoncelli  チェロ二重奏のための 10の曲集 」が、 ドイツの 「 Ries &Erler  Berlin 、リース&エアラー社 」 から出版される。

●上記の楽譜とCDは、「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/

「 アカデミア・ミュージック 」

 https://www.academia-music.com/ で、販売中。


■第 14回 2012年  2/20 (月)  第14番 午前10:00~ 12:30

■第 15回 2012年  3/18 (日)  第15番 午後  2:00~ 4:30

 

               ※copyright © Yoko Nakamura

▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

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