音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■ドイツから、私のチェロ三重奏曲の出版楽譜が、届きました■

2010-07-08 14:03:53 | ■私の作品について■
■ドイツから、私のチェロ三重奏曲の出版楽譜が、届きました■
                2010・7・8      中村洋子


★サッカー・ワールドカップの、ドイツ=スペイン戦を、

テレビで、観戦しました。

世界の超一流とは、どういうものか知りたい、という好奇心からです。

参加選手のテクニックが、最高であるのは、当然のことですが、

ある瞬間に瞬間に、どういう技を、

とっさに、自然に繰り出せるか、

最適な技が、自然に出てくるか・・・というスポーツ頭脳、

日ごろの、激しい訓練に裏打ちされた結果としての、

スポーツ頭脳が、卓越していることが、分かりました。

最高の選手だった人でも、監督となり、その指揮が卓越するとは、

全く、限らないことも、面白いことです。



★そのドイツで、出版されました楽譜が、

やっと、到着しました。

ドイツでは、既に、5月に出版され、その直後に、

ドルトムントから、私宛てに発送されました。

しかし、待てども、待てども、届きません。

アイスランドの噴火騒動、という事情を考慮しましても、

遅すぎます。



★「途中で消えた」という結論に達しました。

ヨーロッパでは、特段、驚くような現象ではないそうです。

そういう意味でも、日本は、素晴らしいですね。

再度、発送をお願いし、今度は、10日あまりで、届きました。


★「 チェロ三重奏曲集 」≪ Regenbogen-Cellotrios ≫

~ 7 Trios für 3 junge Cellisten ~、

ドイツ・ドルトムントの音楽出版社
〈 Musikverlag Hauke Huck 〉


★曲名は、直訳しますと、「 虹のチェロトリオ集 」

~ 3人の若いチェリストのための、7つの三重奏曲集 ~

※5月15日の当ブログ≪私の作品「 チェロ三重奏曲集 」が、
ドイツで出版されました≫
http://blog.goo.ne.jp/nybach-yoko/d/20100515 参照。


★ことし初めに、ベルリンのリース&エルラー社から、

出版されました私の「 無伴奏チェロ組曲第1番 」には、

W.ベッチャー先生による、

詳細なボーイングと、フィンガリングが、書き込まれています。

そのまま、演奏しますと、

まさに、先生の演奏に近いものができます。


★今回のチェロトリオは、先生の意見により、

あえて、それらが一切、記載されていません。

それは、チェリストの自由に任せる方が、

今回はいいでしょう、という判断からです。


★2010-07-06のブログ≪平均律第1巻6番「フーガ」、
バッハが自筆譜に記したスラーに秘めた大きな意味≫
でも、書きましたように、

作曲家が記入したスラーは、たった一つであっても、

曲全体の構想を支配するほど、重いものです。


★フィンガリングやボーイングも、スラーと同様に、

重い意味を、もつのです。

さらに、このトリオの楽譜作りは、チェリストで、

ドルトムント・フィルハーモニーのメンバーでもある方が、

なさりました。


★その素晴らしい点は、まず、総譜とパート譜の両方が、

備わっていることです。

チェロを構え、譜面台に楽譜を置いたとき、

楽譜が最も、見やすいように、パート譜が作られています。

この種の室内楽の楽譜で、総譜がないものも、

よく、見受けられますが、それでは、曲の全体像が、

把握できません。


★大チェリスト、ピアティゴルスキーが、

戦前、フルトベングラーのベルリンフィルで、

主席チェリストとして、演奏していた際、

チェロ以外の、オーケストラの他のパートを、すべて、

暗記していたそうです。

ある奏者が、自分のパートを忘れたさい、

ピアティゴルスキーは、とっさにチェロで、

その部分を弾いて、補ったそうです。

総譜の勉強は、とても、大切ですね。


★このトリオが、入荷しました際には、

アカデミア・ミュージックと、カワイ表参道で、

お求めになることが、できます。


★また、アカデミア・ミュージックのホームページに、
「無伴奏チェロ組曲第1番」の案内が、掲載されています。
https://www.academia-music.com/academia/search.php?mode=detail&id=1501629029&title_type=score



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