今日のエンドロール

10点満点の採点つきで年間約120本。観る前も観たあともクスッと笑えるレビューをお届けします。

五線譜のラブレター 6

2004-12-19 23:25:18 | タイムリーヒット
甘みの少ないチョコレートみたいな大人の味。

数々のスタンダードナンバーを生みだした作曲家とそのカミさんのラブ半生(はんなまではない)をミュージカル風味に綴ってあるが、ミュージカルのリハと回想をミックスした構成といい、使われている音楽といい、一言で言うならすべてが「小粋」な作品だ。

昔は、役者が突然歌いだすミュージカルは不自然だし、ストーリーが2の次だから嫌いだった。でもそれは今まで「見せられて」来たのがレベルの低い作品だっただけで、上質な作品はその奥深さに感動もさせられるし、何より不自然さを補ってあまりある「歌のパワー」に圧倒されることを知った。

この映画も見ながらずっと「歌」とか「音」のパワーについて考えていた。映画やテレビの世界で映像に比べて音はどちらかと言えば軽視される傾向にある。「まるでホンモノのようなCG技術」はあっても「ありえない音!」なんて宣伝文句は聞いたことがないだろう。
でもCDで歌を聴く時と、美術館の絵を眺める時、どっちが涙を流す頻度が高いだろうか?歌には人の心をあおる力があるし、音って映像よりダイレクトに訴えるものが多くないだろうか?もちろん、音と絵の相乗効果はある。だから作り手はもっと音を重要視するべきだ。絵よりずっと金もかからないし。

上質な音の世界に酔いながら(正直ストーリーはどうでもいい)気持ちよく2時間を過ごさせてもらった。まあ難癖をつけるなら、ちょっとイキった邦題と主人公の親友が写真の男に似すぎていることくらいのもんか。

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コメント (1)
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