のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

はちきれん身の程知らず晩生梨

2006年10月01日 | 今年の梨づくり
「新高」の熟期になると果肉の細胞がさらに膨張するらしく、スパッと(そういう音は聞いたことはありませんが)刃物を当てたようにはちきれるものが多く見られます。当然、商品としての価値はなくなり、減収となります。完熟する前に収穫してしまう要因の一つともいえます。

割れたところから腐乱がはじまり、そのまま置けば畑に戻っていく運命ですが、せっかくここまで大きくなったものですから、しかも腐乱している部分以外の果肉は糖度も十分。もったいない、もったいない。

生食もできますが、肉質が硬いものもあるのでこれを素に何か加工ができないかと、誰もが考えます。全国各地のナシ産地でナシ加工品の商品化が試みられていますが、これぞというのは…

民間療法の一つとして昔から利用されているのは「ナシ飴」でしょうか。簡単な加工なら「煮ナシ(コンポート;そもそもまるのまま煮ないと、コンポートとは呼ばないようですが)」でしょう。


いろいろな加工法というのはあるのでしょうが、わが家の方法は…


ナシ飴;民間療法で咳やのどの炎症を抑えるといわれています

①ジューサーでジュースを作る(ミキサーではなく絞り汁を使う)
②ひたすら煮詰める
③ちょっと飴色になるくらいまで煮詰める(体積で半分以下か)
④煮詰め過ぎると苦くなる
⑤適切な濃度まで煮詰めれば、常温で1年くらいは保存可能


煮ナシ(コンポート);そのままデザートに、あるいはプレーンヨーグルトのフルーツソースとして

①皮をむき一口大に切る
②鍋に少しの水を入れ(こげつかないよう)ナシを煮ていく
③ナシが煮えたら火を止める
④ナシの硬さは好みだが、やや硬めの方がナシらしい美味しさがでる
⑤冷めてから変色防止と酸味をつけるためにレモン汁を加える
⑥ブランデーを加えると大人の味に
⑦保存は冷蔵で。長期保存したければ、瓶詰めあるいは冷凍する

新高なら砂糖を加えなくとも十分甘い「自然の恵みデザート」となります。