のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

北おろしみず田は黙ってわら喰らう

2006年10月24日 | 今年の米づくり
「除草剤を使わない米つくり」仲間から今年の稲作の報告が次々に届いています。失敗、成功あるのですが、米糠で抑草するにしても機械で除草するにしても田んぼの土がトロトロ層にできるかどうかがポイントのようです。

では、どのようにトロトロ層を形成するか。除草剤を使わない稲作の切り札として冬季田んぼに水を溜める冬季湛水稲作が注目されていますが、その田んぼではトロトロ層ができるといわれています。しかし、どこの田んぼでもできるという方法ではありません。各地からの報告の中で、その代替案として現在提案されている方法は、秋に有機質を散布し、冬季に田んぼを乾燥させないこと。つまり、冬の間も微生物にエサを与えて活動していてもらうこと。

冬の間、筑波おろしやら赤城おろしと呼ばれる北西の季節風の吹く関東平野で田んぼを乾燥させないためには、積極的に水を入れることができないならば秋に耕起しないことでしょうか。秋冬に何回か耕すことが、地中に酸素を入れ、藁の分解を促すための常識とされていますので、ちょっと勇気がいります。特に藁が分解されずに来春まで残るようだと、代掻き作業にも差しさわりが出てきます。

不耕起でも藁を分解させる方法はと考え、まず、稲刈り時に切り刻んだ藁と稲株をハンマーモアという機械で砕き、細かくします。

         

そこに米ぬかなどの有機質を散布し、次にカルチウィーダーという土表面を削る機械で地表表面の土と藁などの有機質を混ぜ合わします。

         

耕起は来春、水を入れたときに何回か代掻きをすればなんとかなるでしょう。この方法ではたしてトロトロ層ができるか。我が家の田んぼで一番近いところにある一枚の田んぼで試してみることにしました。

早速昨日からの雨で田んぼには水が溜まりました。微生物がうまく働いてくれますように。

実は仲間達の意見交換の中でも話題となったのですが、除草剤無しの米づくりの一番のネックは、栽培技術的な課題でも周辺の田んぼとの協調といった社会的な課題でもなく、もしかしたら田草の手取り作業をしなければならないというリスクを共有する家族の協力であろうと。わが家も似たような課題は抱えており、来年、除草剤無しで米をつくるか微妙な状況です(納得米プロジェクトは別です)が、これも現実です。