のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

生き残るための土俵に月のぼる

2011年09月12日 | 梨の品種
いまナシの盛りは「豊水」ですが
きょう「秋麗」の最終収穫と「あきづき」(写真)の試し採りをしました
「南水」も赤く色づき「かおり」も落下?!しはじめています

まさに百花繚乱 9月のナシの覇権争いも興味深いところです

「幸水」がナシの横綱なら「豊水」は“梨園のプリンス”か
「豊水」は才能は誰もが認め成績も横綱を凌ぐこともあるけれど
ときどきまさかの“星”を落としてしまうひ弱な大関といったところ
続く「新高」は巨漢を生かしてしばらく関脇の座を維持していましたが
未熟なうちに出荷するという“勇み足”が癖になっていて
小結から平幕に落ちそうな雰囲気

わが家で推している「秋麗」や「王秋」などはまだ十両レベルですが
「新高」を蹴落としてやろう
あわよくば「豊水」まで食ってやろうという勢いの平幕が「あきづき」
そろそろ小結に昇進しそうです

いまは「幸水」が長期に渡って横綱を張っていますから
ナシというと8月のイメージですが
「幸水」以前は「長十郎」と「二十世紀」の東西二横綱時代
運動会にナシを食べたという記憶を持っている中高年も多いのでは

本来 ナシといえば9月の果物でこの時期には
実はいろいろな品種が出ては消え出ては消えています
「豊水」や「あきづき」のようなナショナルブランドだけでなく
各県の試験場が育成している聞いたことのないような品種があります
そんな地域ブランドを見つけて味わってみるというのも
楽しみの一つかもしれません

ただ生産者としてはいろんな品種があるよって
見本園をつくっていてもお金にはなりにくいものです
美味しさだけでなく作り易さや労力配分に見合った
経済品種を選択しなければなりません

「秋麗」は高い糖度と「豊水」の酸味の苦手なお客様向けの
オプション品種という位置づけです
「王秋」は晩生種の保存性と良好な果肉が特徴です
「あきづき」はこれまで端境期にあたっていた秋のお彼岸向けのナシです
そして今後増産しようとしている品種が早生の「なつしずく」
「幸水」前のちょうどお盆需要に間に合うかという品種です

これでこれまでの「幸水」「豊水」「新高」の三大品種の時代を終息させ
新たな多品種のラインナップ体系が完成したかと思っていたのですが
先日 種苗会社からのカタログが届いてから心が騒いでいます

「幸水」よりも早生の品種でありながら高い糖度のナシや
「新高」と同時期で巨漢で果肉が軟らかく糖度も高いというナシが
新登場していました
これらはまだ幕下のレベルですが
将来の有望品種に先行投資するという楽しみもあるわけで
だからナシつくりはやめられない

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