のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

粟稗にまづしくもなし草の庵(芭蕉)

2013年02月06日 | みのわプロジェクト
遊休農地を活用する方策を試みた昨年の箕輪プロジェクトでは
3aぐらいの土地でヒエを栽培しました

種を播き、株間を除草し、
収穫後は脱穀、風選別まで仲間たちがやってくれました
が、われわれができたのはここまで
手持ちの機械では脱ぷ(殻をとること/米でいうところの“脱穀”)ができません
もしそれができたとしても雑穀ご飯にするくらいが関の山
もっと幅広いヒエの利用方法はないものか…

いえ、実は話は逆でして、昨年春に食品関係の展示会で
雑穀を使った半調理加工品を作っている業者の方と知り合いました
しかも加工原料となる雑穀は休耕田で栽培しているというではありませんか
食品卸売業の方と農家の異業種協働プロジェクトといいます
さらに
もし雑穀を栽培してくれるなら国産原料として仕入れますよ
と声をかけてもらっていました
面白いじゃない
箕輪畑でヒエを作ってみようかということになったわけです

われわれができることはここまで、後は助けて
もし加工の原材料として使えそうなら
それに見合うだけの商品でかえしてください
というわけで殻付きヒエ54kgを木更津へ持ち込んできました主

その異業種協働プロジェクトは“木更津雑穀村”といいます

              

新聞の紹介記事があったのですが
すでにweb上では見られなくなっていますので以下に転載します

参考;朝日新聞記事(2011年10月17日)より抜粋
http://www.asahi.com/food/news/TKY201110170287.html
 雑穀の魅力に注目したのは、同市の食品卸業「グッチートレーディング」(川口吉彦社長)。ヒエやタカキビなどの雑穀は、栄養価が高く健康に良いと注目されているが、調理方法が限られ、一般家庭への普及にはまだ課題が多い、という。「雑穀をもっと普及させたい」と、考えていた時に出会ったのが、同市茅野の農家、小川均さん(48)。小川さんは、後継者がいないために増えていく休耕田を見ながら、何かできないか、と考えていた。「雑穀は体にいいし、面白そう。新しいものを作り、人が集まるようになれば、地域に活気も出る」
 小川さんは仲間の農家と、昨年からタカキビやアマランサスなど雑穀作りを始めた。初年度は約3千平方メートル、2年目の今年は約4千平方メートルの休耕田で試行錯誤しながら挑戦したが、台風やイノシシの被害もあり、初年度の収量は20キロにとどまった。今年はそれでも200キロは超えそうだという。
 一方、グッチートレーディングは、雑穀を半調理品に加工して、食卓に届ける方法を考案。雑穀を炊きあげた状態でパック詰めし、家庭ですぐに調理できるようにしたものや、雑穀を使ったパスタソースを開発。今後もスープやデザートなど、シリーズを増やしていくという。
 小川さんや川口社長らは「木更津雑穀村」として活動、消費者を招いた収穫祭も9日、現地の休耕田で開催した。川口社長は「『雑穀のおかずはこんなにおいしい』と知ってもらうことで、需要が自然に増え、それで生産量も増えればうれしい。そして木更津の生産現場で消費者と交流できれば、地域も活性化する」と期待する。(本田大次郎)


ヒエ持ち込み時に対応していただいたのは食品卸売業G社のHさん
本業は酒類卸のようですが
お酒を美味しく飲むには健康でなくてはならいないという考えから
雑穀の加工に取り組んでいるそうです

これまでに雑穀を使ったパスタソースなどを商品化していますが
最近商品化されたのが雑穀を練り込んだ『パティ』
さっそくバンズに挟んだハンバーガーをご馳走してくれました
白身魚のような食感でした

農商工連携事業に認定された加工場が年末にできあがり
これから本格的に生産販売したいという
その加工場スタッフの関わり方が興味深いものでした
一言でいえばパートさんですが
パート賃金の一部は雑穀商品購入のための割引で支払われる仕組み
従業時間に応じて割引率は3段階になっているんだとか
賃金の一部を現物支給にするという意味もあるのでしょうが
雑穀消費の拡大がねらいだとか

雑穀の商品化にあたって日常的に消費する食習慣がないことが最大の課題
国産の無化学肥料無化学農薬栽培による雑穀ということで
商品が高価になることもあるのでしょうが、
体に良いからと一度は手に取ってもらえても続かないといいます
割引券は日常的に雑穀を食べてもらえる呼び水になればという考え
雑穀料理教室もたびたび催しているようですが
消費拡大はまず身内からというわけです

遊休農地を活用しかつ健康的な食材を提供するという仕組みを構築しても
それを支えてくれる消費行動が伴わないという話
他でも聞いたことがありました
ナタネ油・ヒマワリ油を搾油しているNPOでも同じことを話していました

プロジェクト仲間の農家Oさんも紹介していただきました

Oさんはいわゆる中山間地の専業農家
周辺の耕作放棄水田は気になるだけでなく
獣害の温床になるという実害もあるといいます

雑穀の脱ぷは専門の脱ぷ機と循環式精米機の二つを使いこなすんだとか
米の十分の一にもならない大きさですからたいへんです
ある程度の面積をこなすとなると機械は不可欠ですから

Oさんは餅加工もされていて
加工部門の先生とわが家の加工のアドバイザーが同一人物だったことがわかり
Oさんとわが家はいわば兄弟弟子
これはこれは兄(あに)さんですか
世間は狭いですなぁ

雑穀の他に遊休地を使って搾油もやってみませんかと逆にお誘いしました
そのうち雑穀村と搾油NPOとわが家の協働プロジェクトが始ったりして
期待が広がる木更津行きでした

最新の画像もっと見る

コメントを投稿