のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

みんな大好きな食品添加物

2006年02月27日 | アグリママ
『食品の裏側』安部司、東洋経済新報社、2005、1,400円+税。今、売れているようです。新聞広告によれば「15万部突破!」とか。

先日からわが家の母が「やっぱり丸大豆しょうゆでよかった」とか「コンビニのおにぎりも食べられなくなってしまう」とか「もう明太子は買うのよそう」とか、さかんに騒いでいました。この本を読んでのことのようです。

1リットル1,000円の丸大豆しょうゆの原料が大豆、小麦、塩のみであるのに、1リットル198円の新式醸造しょうゆは7種類も8種類もの添加物が入っている「しょうゆ風調味料」なんだそうです。コンビニおにぎりの食品表示をみると3種類の添加物が書かれているそうですが、添加物には「一括表示」という抜け道があって、実際には少なく見積もっても6種類、多ければ10種類以上にものなるとか。

著者は食品添加物の元トップセールスマンで、いってみれば食品製造の舞台裏を内部告発したもの。世の中にはむやみに恐怖心を起こさせるものがよくあります。しかし、この本の中の「消費者は被害者か」という一節が問題提起している内容は真摯に受け止める必要があるなあと考えさせられました。

「しかし、だからといって添加物は完全に悪かというとそうではありません。私たちは多かれ少なかれ、添加物の恩恵をきちんと受けているからです。」添加物を使えば製造メーカーの利益は上がる。売るスーパーだって安価な食品を仕入れれば目玉商品として売り上げが伸びる。消費者だって見た目がキレイで、おいしくて、便利で、なかなか腐らないものが安く買える。「一見、誰も間違ってはいない。どんな法も犯していない正しい経済活動です。」問題は食品添加物にまつわる現状の情報公開がされていないことだと著者はいいます。


今朝の新聞に世界人口65億人突破という記事が載っていました。少し前なら食料不足が問題だというような論調も付随してありましたが、最近は食料問題は大きく取り上げられないようです。なぜなら、ここのところ食料生産能力が高まり、人件費の安い中国産よりも安く生産された食料が出回っていると今朝のラジオで話題になっていました。当然、先日話題にした遺伝子組み換え作物も関わる話なのでしょうが‥‥。


食品添加物も遺伝子組み換え作物も農薬も悪者としてはいけないのかもしれません。それを選択するかしないか、消費者が判断するだけのことなのでしょう。できるだけ選択、判断できるよう賢くなりたいものです。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うずる街 (佐藤K(KAZZ Satoh))
2006-02-28 18:24:56
今、「このまちにくらしたい、うずるまち」という本を読んでいます。

 その中で、境眞佐夫というシェフが「30年前に欧米の食文化が流入してきた結果が今なんです。・・・中略・・・今、40代前後の人たちが一番苦しんでいるんです、子どもたちが病気になったりして」と、語っています。



オレたちのことか・・・と、思っていたら、このブログ記事です。



公開されない理由、およびメンタリティを解明していかない限り、繰り返されるでしょうね。
返信する

コメントを投稿