のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

イクスキューズ 粒子粗めて 水扇

2006年05月31日 | 今年の梨づくり
「excuse」(他動詞)勘弁する、許す、見逃す、言い訳する、弁解する、義務などを免じる/(名詞)言い訳、申し訳、弁解、わび、口実、逃げ口上

5月27日から食品残留農薬の「ポジティブリスト制度」が導入されています。これまでは限られた農薬類だけで残留基準を設けていたのですが、これからは全農薬類が規制対象となります。

もちろん、ナシ用の農薬をナシに、濃度や収穫前日数などをきちんと守って使用しているだけでしたならなんの問題もありません。問題は、散布した農薬が周辺のほかの作物にも飛散してしまうということです。たまたまその作物が収穫間際で、検査して基準値以上であったら販売禁止などの処分を受けることになります。

多品種を生産する野菜農家も同じような課題を抱えているのですが、果樹農家は上方へ向けて農薬を散布する機械(スピードスプレーヤー)を利用することから「加害者」になる可能性が高く、どうしてもこの問題には神経質になってしまいます。

強風時には散布しない。飛散防止ネットを設置する。収穫期を近接農家に知らせ、散布を避けてもらうなど、対策はあげられています。しかし、この5月など連日の雨模様で、晴れたなら多少風があっても無理して散布しないと適期を逃してしまうことも事実。密閉された空間で栽培する以外に、絶対確実な対策などないのが実情です。

といって、居直ることもできませんから、できるだけの対処をすることになります。これまでの散布機の噴口は「散布」するというより「噴霧」するという表現が似合うもの。そこで、風に流されにくくなるよう粒子を粗く大きくする噴口に変えてみました。

果たしてこの噴口で飛散しにくいのか。防除効果は変わらないのか。薬剤は余計に使うのではないか。などなど、現場で使いながら検証しなければなりません。防除効果については、殺菌剤はまず問題ないだろうと推測されます。むしろ予防剤などは効果があがるかもしれません。食葉害虫への殺虫剤なども大丈夫でしょう。心配は害虫の呼吸器系の障害をねらった殺虫剤がどうか。粒子の粗い噴口は農薬を選ぶのでしょうか。

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3 コメント

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呼吸器系? (Sekizuka)
2006-06-01 17:34:00
「呼吸器系の障害をねらった殺虫剤」というのはガス化して呼吸器を冒す、というようなイメージですかね?

マシン油乳剤の類かなぁ。



マシン油のような物理的なものはともかく、ほとんどの剤は接触毒ですね。食毒としてはBTが有名です。

全般にドリフトの少ない、つまり粒子の粗い状態だと付着自体が減少傾向だと言う事もあり効果は一般的に落ちます。

だからこそ、今まで細かい粒子にしてきた訳で。。。
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揮散性という意味でした (suginofarm)
2006-06-01 22:05:49
「呼吸器系」というのは、揮散性に富み、皮膚、口、気門のそれぞれから侵入する農薬という意味でした。接触毒と表現すべきだったんですね。



ご指摘のとおり、これまで防除効果をねらって細かい粒子にしてきたというのは理解できます。



ただ、こういう環境の問題も大きくなって、防除効果を落としてでもどこかで折り合いをつけなければならないのではないかということで、粒子の大きな噴口が提案されていると思います。



ならば、それにあった農薬の使用法なり、選択というのもあるのではという問題提起でした。
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どうなんでしょうね (Sekizuka)
2006-06-03 16:01:24
ここが微妙なところで、、、以前に書かれていらっしゃいましたが、効果が落ちるともう一回撒かなきゃならなくなったりする訳で。

ドリフトレス噴口は風がある程度あるけど、どうしても撒きたいって時に使うと良いんだと思いますよ。

当然、隣の作物の生育状態(出荷直前かどうか)による使い分けもアリですね。
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