そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない



フェンス [Blu-ray]
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ヴィオラ・デイヴィスがアカデミー助演女優賞を獲った作品。
デンゼル・ワシントンが主演で監督。
その感想。

まったくどんな映画か知らずに観たのだが、想像とはかなり違った。
調べたら、これ戯曲の映画化だった。
だからほぼある一軒の家の中と庭というワンシチュエーションで展開する。
登場人物も驚くほど少ない。
もともと舞台なのだ。
それでいろいろ合点がいった。
星は2つ半。★★1/2
すごくいい映画なのだろうが、僕は主人公に感情移入出来なかった。

1950年代。
社会に黒人差別が色濃く残る時代。
主人公の男は家族を養うためにやりたくもない仕事をしている。
黒人差別のせいで夢を奪われ不当な仕事をさせられ、そんな自分の味わってきた過酷な運命を黒人の息子たちにもそのまま強いる。
つまり、黒人なんだからどれだけ頑張ってもムダだ、働け、と。
死神を撃退し、悪魔を呪い、社会を恨む主人公に共感が出来ない。
気持ちは分かるのだけど、共感が出来ない。
逆に言うと、50年代を生きた黒人たちにとっては胸を切り裂かれるような映画なのだろう。
デンゼル・ワシントンとヴィオラ・デイヴィスの演技がとにかくすごい。

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ベン・ハー [Blu-ray]
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リメイク作品版の「ベン・ハー」。
1959年版はアカデミー作品賞始め11部門受賞した不朽の名作。
その2016年版のリメイクはどんなものか?
その感想。

はい、ぜんぜんダメ。
星1つ。★
わざわざリメイクすることなかったんじゃないかなぁ。
全てにおいて1959年版を下回っている。
逆に言うと1959年版がいかに偉大かということなんだけど。

まず最初の40分ぐらいが死ぬほどつまらない。
ジュダとメッサラの義兄弟としての関係を描くこの前半部分がぜんぜん頭に入ってこないので、早くもどうでも良くなってくる。
役者もなんだか全然華がなくて、「お前ら一体誰やねん」としか思えない。
やはりチャールトン・ヘストンが演じたジュダと、スティーブン・ボイドのメッサラは素晴らしかった。
今回のジュダとメッサラはぜんぜん華がない。
しかし40分越えたぐらいでようやくジュダがガレー船に送られ、少し盛り上がってくる。
だが、CGでド派手に作られたギリシャ軍とローマ軍の海戦は、1959年版よりもつまらない。
さらにこの映画の最大の見せ場だと製作者が考えていたであろう馬戦車戦のシーンも、1959年版に比べるとぜんぜん面白くないし、迫力もない。
要するにCGなのだ。
CGなんかない時代(1959年)に、本物の馬車とスタントマンと巨大セットで作られた馬戦車戦は、それこそ映画史上に残るとんでもないシーンだ。
あれをCGでチョチョイと作っても、到底無理なのだよ。
CGってのはそういうコトなのよ。
実写、本当のスタントにはCGはどこまで行っても勝てない。
という事実が、如実に分かる「やめときゃ良かった」リメイクでした。

「ベン・ハー」は1959年版を観ましょう。

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