リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ヴァイスのソナタ25番、51番、95番(2)

2024年04月09日 17時11分28秒 | 音楽系

ドメニコ・スカルラッティの作品は、昔はロンゴ番号(L***)でしたが、いつ頃からかカークパトリック番号(K***)が主流になってきています。ヴァイスの作品も最近は全集の番号(SW***)で呼ばれることが多くなってきました。以前は別の番号が使われていて少々混乱していた時期もあります。このエントリーでは全集版の番号を使っています。

この25番のソナタは磯山雅先生の「バロック音楽名曲鑑賞事典」(講談社学術文庫2007)で唯一取り上げられているリュート曲です。言うまでもありませんが、こういう一般書籍でモンテヴェルディ、クープラン、ヴィヴァルディ、ヘンデル、バッハなどと並んで取り上げられるのはヴァイスが当時超一流の音楽家である証でうれしい限りです。

リュートを演奏している人はヴァイスに限らず当時の一級の作品に触れることができるというのが大きな喜びです。このあたりは三流の古典作品ぞろいのクラシック・ギターとは大違い。おっとあまりこのことを言うと石が飛んできますが。

この「鑑賞辞典」ではこのソナタ25番は「リュート組曲第19番」として紹介されています。これは全集番号ではなく別の整理番号でしょうか。このあたりはあまり覚えるつもりはないので、必要になったときに slweiss.comというサイトをアテにしていたのですが、現在は閉鎖されてアクセスできません。

磯山先生の鑑賞辞典では少々古い資料を使っているようでヴァイスの生年が1686年になっていたり作品数が約600曲だというふうに紹介されています。その後の研究で生年は1687年で作品も800曲を超えているようです。ダグラス・オールトン・スミスの論文(1977)が約600曲を挙ていますので、そのあたりを参考にしたのでしょうか。


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