リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

続 テオルボの弦を替える

2024年08月02日 17時20分21秒 | 音楽系

一夜明けて弦も少し落ち着いているはずなので、テオルボを弾いてみました。

6-8コースの銀色の弦がHF弦です。この弦はカーボン弦に銀メッキ銅線を巻いている関係かどうかわかりませんが、両端が黒い糸でエンディング処理されています。弦の説明では弦をカットしないようにとありましたが、多分カットすると巻きがほつれるのでしょう。

弾いてみた感じは8コースから9コースの段差感はありますが、それほどひどくはありません。サヴァレスの巻き弦で6-8コースを張ったときは9コースへの段差感はほとんどなくむしろ逆段差感があるくらいです。ただ6コースのサヴァレスはギンギラ感が出過ぎです。

6~14コースの弦の選定をまとめてみました。

1)ガット→8コースがかなり暗い音になる。9コースとの段差はあるが全体が暗い音なので相対的には段差は少な目

2)カーボン→8コースが暗い音になる。9コースとの段差感はガットの場合とほぼ同じ。

3)CDL→8コースはカーボンより気持ち明るい。段差感はガットの場合とほぼ同じ。

4)金属巻き弦→全体に明るく音の持続が長すぎる。段差感は絶対的にはガットなどと同じだが、9コース以降がギンギンになる。

5)6~8コースにサヴァレスNFC、9コース以降CDL→8,9コース間の段差感はとても少ない。ただ6コースが目立ちすぎ。

6)6~8コースにHF、9コース以降CDL→8コースは多少暗くなるも1)2)3)よりは明るい。段差感は他の組み合わせよりは少ないが、段差感自体は存在する。

 

ソロだと段差感はあった方がある意味個性としていいのかも知れませんが、通奏低音の場合だとやっぱり5)でしょうか。1)のガットもいいのですが、弦がよく狂うので、通奏低音の場合だとやってられないかも。それとガット弦の長い弦はとてもお高い。