リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

BWV1006a(17)

2024年08月12日 22時18分58秒 | 音楽系

77-84小節


78小節目の3拍目はそれまでと右指の運指を変えてあります。これは79小節目の冒頭をスムーズに弾くためです。このフレーズがヘ長調で出て来たときも同様の処置をしてあります。(28小節目)

82小節目からいよいよ技術的な「難場」に差し掛かります。82小節目はまだ予告編ですが。

85-96小節


82小節目の音型を使ったシーケンスが86小節目から89小節目まで続きます。ここは「難場」です。でもバレをしっかり決めれば比較的安定して弾けると思います。もちろん練習を重ねることは必要ですが。92小節目に移るところは「大難場」のひとつでしょう。別の方法として9ポジションでバレをして12フレットの音を使う方法もありますが、リュートはこの位置では楽器の構造上あまりいい音がしませんし、93小節目に移るときポジション移動が必要になって指を外しそうになりがちなので譜例で示したポジションにしました。

ところでエヴァンジェリーナ・マスカルディはこの曲をYou Tubeにあげていますが、この92小節目に移るところでカメラアングルが変わります。まぁどんなプロにとってもこの曲は難しいんですよ。(笑)

94小節目の1拍目のバスは7コースのオクターブ弦だけを弾きます。