リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

テオルボの弦を替える

2024年08月01日 21時01分52秒 | 音楽系

ドイツの製作家、ヘンドリック・ハーゼンフースの考案で開発したというHF弦が届きましたので、早速フレンチ・テオルボに張ってみました。

このHF弦はカーボン弦のモノフィラメントを芯にして銀メッキの銅線を巻いた弦です。このカーボン・モノフィラメントというのがキモで、狙っているところはお分かりですよね?

宣伝文句には、

・音の持続がかなり減少

・暗い「ブラックな」音

とうたっています。

テオルボは8コースと9コースの段差が問題になります。私の楽器の場合、8コースは弦長が75cmですが、9コースからは116.5cmになります。弦の太さは8コースからぐっと細くなり、同じ素材の弦を使っていった場合音色・音の持続時間がガラっと変わります。これはガットを使おうが、金属巻き弦を使おうが同じです。

6月のコンサートで通奏低音をしたときにこのテオルボを使ったのですが、6~8コースにサヴァレスのNFCという弦を使いました。これは金属巻き弦ですが、銅線なので比較的音はマイルドです。実際に張ってみると、例の段差の部分は意外とスムーズになり、段差感はかなり減ります。ただ8コースが銅巻き線と言っても金属巻き線は金属巻き線に違いありませんので、少し9コース(アキラのCDL)よりは音が目立ちます。それでもピラミッドの巻き線よりは随分マシだし、同種の弦で揃えた時みたいな大きな段差感はありません。でももうちょっと何とかならないか、ということで、弦メーカーの宣伝文句に乗って張ってみました。

結果は、英語で言うと so so 、まぁ微妙ですが、ちょうど中間という感じです。6コースにはHF1.16mmを張りましたがこれはサヴァレスNFC132とほとんど同じか少し暗い感じですが、7,8コースになると音が急に暗くなって9コースが明るめになります。この段差感は同一素材のときよりは少ないですが、結構微妙です。まぁ悪くはないのでこの組み合わせで使っていきたいと思います。

 


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