リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

続々 テオルボの弦を替える

2024年08月03日 17時14分57秒 | 音楽系

6~8コースをHF弦に交換するとき、楽器のケースを空けましたら9コースに張ってあったCDL弦が切れていました。調べてみましたらこの弦は2021年の5月に交換した弦です。

高音弦はどの素材であっても大なり小なり切れるというリスクがありますが、バス弦に関しては普通切れるということはありません。しかしアキラが出しているCD弦は「切れる」バス弦です。CDL弦は切れないと思っていましたが切れることがわかりました。(6月の本番中でなくてよかったです)

CD弦は発売当初はすぐ切れてしまうので苦情がメーカーに殺到したようです。その後対策品を出してきまして切れる度合いは相当減りましたがそれでも切れるには切れます。どのくらいの期間ならまず切れないと言えるかはメーカーは何も言っていないのでわかりませんが、対策品で1年未満できれたことはないのでそれは1年くらいだとみています。ですから1年くらい使ったら交換するのが吉です。

CDL弦はCD弦を弦長の長い楽器やテオルボの番外弦に張ったときは(対策品でも)すぐ切れるので素材を変えて出した品です。対策品Ver.2ですね。

CDL弦はCD弦と比べるとずっと引っ張りに強いですが、3年もするとあぶないということが分かりました。

弦の引っ張り強度は一重の結び目を弦に作って左右に引っ張ればすぐにわかります。(手袋をした方がいいです)この実験結果は次の通りです。

◎ナイルガットの細い弦(0.42以下)→簡単に切れます。

◎新発売の頃のCD弦→あっさりと切れます。

◎対策品のCD弦→容易には切れませんが太さによってはがんばると切れます。

◎CDL弦→切れません。(でも年月が経つと切れるんですね)

◎ナイロン弦、ガット弦→切れません。

◎カーボン弦→人力では切れません(多分)。

一番強度が高いのはカーボン弦でしょう。よく切れる細いガット弦は新品のうちは高い強度がありますが、弾いているうちにほつれてケバが出来、切れてしまいます。上の実験をしたらナイルガットの細い弦を1コースに使うのは怖くてできなくなると思います。またCD弦やCDL弦を使う場合はそれ相応の心づもりをした上で使う事が必要だと思います。

 


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