リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

やっぱりバッハか

2024年03月22日 20時55分20秒 | 音楽系

先日のリサイタルでどの曲が一番よかったかを何人かに聞いて見ました。「よかった」というのは演奏が良かったのか、演奏は良くなかったけど曲は良かったのどちらかで、ちょっと曖昧な尋ね方ではありましたが・・・そこはあまり掘り下げないでおきましょう。

ヴァイスや他の作曲家の作品もよかったと言う声もありましたが、多かったのはやっぱりバッハでした。演奏したバッハの曲はソナタ第2番イ短調BWV1003、無伴奏ヴァイオリンのための曲をリュートに編曲したものです。本番では全楽章を続けて演奏せず、第一楽章グラーヴェと第二楽章フーガまで弾いてMCを入れ、続けて第三楽章アンダンテ、第四楽章アレグロを弾きました。

みなさんが良かったとおっしゃるのはとてもうれしいですが、この曲はホントに演奏するのが大変です。特にフーガは300小節近くあり演奏時間も9分近くかかります。単一楽章で9分続くのはあとシャコンヌくらいですが、シャコンヌは途中大きな「切れ目」が2箇所ありますので、連続度ではこのフーガが最長かな?いやいや第3番のフーガがありますね。

演奏の前に編曲しなければなりませんが、これにも相当の時間をかけなくてはなりません。実際には演奏してみて改変、また演奏してみて改変という繰り返しです。これを何百回したことでしょう。細かい変更は延々と続き本番前日でも運指を少し変更していたくらいです。

みなさんがいい曲だとおっしゃってくれたことは今後もバッハの演奏を続けていく上での励みになります。次はソナタの第1番ト短調を演奏してみようかと考えています。この曲は以前第2楽章フーガまでは演奏したことがあります。もうかなり前ですけど。フーガはBWV1000を使いましたが、今度はBWV1001の版を元にするのもいいかなと思います。