リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ヴァイスのソナタ25番、51番、95番(9)

2024年04月21日 15時47分58秒 | 音楽系

ソナタ95番ト短調はいわゆるモスクワ写本に所収されています。このモスクワ本、実はかなり前に日本でファクシミリ版が出版されています。

全音楽譜出版社が1976年に出版した「モスクワ本によるS.L.ヴァイス リュート曲集」です。編者は作曲家の真鍋理一郎です。真鍋は今ではあまり知られていないかも知れませんが、当時はそこそこ名の通った作曲家で、私が高校生の頃の音楽の教科書に「地球は悪いところじゃない」という歌曲が載っていました。終わりの頃に急に遠い調の和音を使うしゃれた曲でした。

当時ギターの専門誌「現代ギター」は「現代リュート」といわれるくらいリュート関連の記事を沢山掲載していました。真鍋はその推進者のひとり?だったように思われます。

その当時はヴァイスの研究がまだ進んでおらず、作品の整理番号がありませんでした。音楽学者ダグラス・オールトン・スミスの博士論文「THE LATE SONATAS OF SILVIUS LEOPOLD WEISS」が発表されたのが1977年です。

ソナタ95番は写本のP.31,32,34,36,37にあると全音版には記されていますが、番号が飛んでいるところはブランクなのかは情報がないのでわかりません。まだ研究が本格化していない当時としては、こういったことがきちんと書かれていないのはいたしかたないことなのかもしれません。


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