リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

リュート協会

2023年11月02日 14時23分48秒 | 音楽系
イギリスのリュート協会会費の更新をつい今し方済ませました。3年分87ポンドです。アメリカのリュート協会も入っていますが、こちらは20年近く前に終身会員になりました。まとまった会費をどっと払うだけですが。今となっては完全にお得です。当初は紙の機関誌などを送ってきましたが、何年か前に終身会員はPDFのみの送付に切り替わりました。きっと終身会員が多くなりすぎて立ちゆかなくなったんでしょう。イギリスのリュート協会もPDFのみを受け取っています。

両リュート協会に入ったのはもう50年くらい前で、紙の冊子がたまりすぎて整理が大変です。PDFだとiPhoneやiPadで読めるし本棚を圧迫しないのでありがたいです。それにPDFだと拡大できるので、ローガンにはありがたいです。

最初に入ったのはアメリカの方だったと思いますが、確かドンボア氏のBWV998に関する論文が読みたかったので入ったように記憶しています。学生の頃ですが、一番新しく建った校舎で授業中にこっそりと読んでいたのを覚えています。6月に母校で講座を1コマ持ったときにその話をしましたら、その校舎は現在ではもっとも古い校舎だということでした。まl50年近く経っていますからそりゃそうですよね。(笑)

この2つのリュート協会、一時期はアメリカの方が活発に感じましたが、最近はイギリスの方が活発のように感じます。バーゼルにいたときにEasy Jetに乗ってロンドンまで行き、イギリスリュート協会のミーティングに参加したことがありましたが、それこそ老若男女が参加していて層の厚さを実感しました。日本だとおじいさんばっかし?かも。ミーティングは一日かけて行われます。朝11時少し前にコーヒーを飲んで、ミニコンサート、昼食を挟んで又ミニコンサートやら講演、そして夕方にティーブレイクがあって、少し長めのコンサートで終わりという流れで、リュート三昧の一日を過ごすことになります。

送られてくる会誌はインフォーマティブで、充分会費に見合った内容になっています。日本にもこの手のなんとか協会がありますが、年間薄っぺらいB5の会誌が何回か送られてくるだけでそれも大半がコンサートガイドというところもあります。会費に見合ってないですね。そういう協会は早晩消滅するとは思いますが、彼我の層の厚さ、文化的な広がりがうらやましい限りです。