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人はその友によって研磨される

『鉄は鉄をもって研磨する。人はその友によって研磨される』
(箴言27章17節)

私たちの人間性や技能が磨かれるのは「友」によってである、と聖書は教えてくれる。

私たちは、つい、自分の力で成長した気になってしまう。しかし、振り返ってみると、いろいろな人と接する中で研磨されてきたことに気づく。
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論理と感性

アートディレクターとして活躍している佐藤可士和さん曰く「デザインとは表現することである一方、クライアントや社会の問題を解決する手段」である。

商品企画やブランドの立ち上げを行うアートディレクターと聞くと「センスや感性で表現することが勝負」と思ってしまう。しかし、佐藤氏は「大部分は論理的に思考してアイデアを構築している」という。

デザインの土台となるのは「ビジョン」である。ビジョンとはクライアントが真に到達したいと望んでいること。このビジョンを導くためには、次のような手順を踏むらしい。

1)クライアントを問診し、情報を引き出す
2)情報同士の因果関係を明確にする
3)情報に優先順位をつけて、対処すべき課題を見つける

情報を論理的に分析し、課題をあぶりだしてから、ビジョンを設定する。このビジョンがあって、はじめてデザインが生きるという。

ビジネスを生み出すには「アート」と「サイエンス」を組み合わせる必要があると言われているが、佐藤氏によれば、まず「サイエンス」であり、次に「アート」が来ることになる。

アートディレクターの佐藤氏の口から「まずサイエンス」という言葉が出てくることに驚いた。論理と感性。この二つを組み合わせることができる人は強い。

出所:日経産業新聞2008.6.24

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提案よりも関係性

情報システムを導入するときには、現場の納得が欠かせない。

サントリーグループの総合営業窓口である「サントリーコーポレートビジネス(SCB)」は、2004年に営業支援ソフトを導入した。しかし、当初は現場から拒否反応があったという。なぜか?

営業担当者が入力する必須項目が多すぎたためだ。その結果、まじめに入力する社員が減り、システムは十分に機能しなかったという。

その後、現場の声を取り入れて、250項目もあった入力項目数を50項目に削減し、自由記入欄を追加することになった。

削られた項目は「顧客にどんな提案をしたのか」「なぜ提案に至らないのか」に関するもの。一方で、残されたのは「現場の推進約は誰で、最終決定者は誰なのか」「顧客先とはどの程度の関係なのか」といった項目である。

この変更により営業担当は積極的に情報を入力するようになり、価値のある人脈情報を共有できるようになったという。

営業活動は「リレーション(関係)構築活動」と「ソリューション(提案)活動」に大別できるが、SCBの事例は、リレーションがいかに重要であるかを示している。いかに良いアイデアを持っていても、相手がいなければ意味がない。また、提案内容は相手によって変わってくる。

営業に限らず、私たちにとって、人と人との「関係性」は大きな資産である。

出所:日経産業新聞2008.6.18

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「商大くんがいく!」を改善する

昨日の経営学原理Ⅰは、小樽商科大学のブログ「商大くんがいく!」を題材にして、実践的な演習を行った。

「商大くんがいく!」とは、本学の教職員が昨年の10月に非公式に立ち上げたブログで、学内イベント、学校の授業紹介、教員からの書籍紹介、部活の紹介等の情報を毎日提供しているサイトである。
http://d.hatena.ne.jp/shoudai-kun/

授業には、「商大くんチーム」メンバーである6名の若手職員さんも参加してくれた。

学生は、このブログを事前に見た上で、5-6名のチームとなり、2つの課題に取り組んだ。

1)コンテンツに関する問題点と改善策
2)アクセス数を増やすプロモーション

まずグループでディスカッションし、その後はプレゼンテーション。いろいろとアイデアが出された。

コンテンツに関しては「文章が多いので、写真などのイメージをもっと使ったらどうか」「キャラクターの商大君の他に、"樽商さん"という女性キャラクターを追加したらどうか(注:小樽商大は道内では「樽商」と呼ばれている)」「小樽の街の情報をもっと追加したらどうか」など。

プロモーション策としては、「生協のクーポンをつけたらどうか」「情報処理センターのPCを立ち上げたときに、商大くんをサブリミナル的に出現させたらどうか」「ポスターやビラから携帯サイトにつげる工夫をしたらどうか」などなど。

発表を聞いた職員さんからは「すぐにでも採用したいものもある」という頼もしい答えもいただいた。学生が書いたシートのコピーはすべて「商大くんチーム」に渡し、今後の改善の基礎資料としてもらう予定である。

具体的な対象があると、授業がとても盛り上がるな、と思った。
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成長し続ける

広島の印鑑職人、林田さん(75歳)がテレビ番組で紹介されていた。

林田さんは、「良い出来だなあ」と思った印鑑を紙に押して残しておくという。次の言葉が印象に残った。

「1年後にそれを見たときに、同じように「いいなあ」と思うようでは職人として成長していない証拠です。「もう見たくない」、「恥ずかしい」と思うようではないといけない。」

「40代で彫った印鑑と現在の印鑑では大きく違います。現在の作品が最高だと思っています。80歳になったときには、そのときが最高のものを作れるようになっていたい。」

自分の仕事の成果を何らかの形で残しておき、それを後に振り返る。そのとき、どう感じるかによって自分の成長度合いが分かる。

この番組を見て、「過去の業績に満足してはいないか」「今の自分が最高だろうか」と自問し、成長し続けることの難しさを感じた。

50年前から聖書を読み、信仰を持つようになった林田さんは、祈りながら仕事をするという。「神様の心が映るようなものを作りたい」とおっしゃっていた。

出所:生命の光(2008年6月22日放映)
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見えないものに目を注ぎます

『わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます』
(コリント人への手紙Ⅱ4章18節)

私たちは、目に見えるものにこだわってしまう。しかし、大切なものは目に見えないことが多い。見えないけれども大切なことを心に留めておけるようになりたい、と思う。
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教える、教えない

若手・中堅への教育の方法として「仕事の内容をわかりやすく言葉で説明して教える方法」と「手本となる先輩・上司の働き方を観察させ、本人に気づかせる方法」がある。後者は、「技を盗め」という言葉に代表される方法だ。

教えるアプローチと教えないアプローチ。どちらをとるべきだろうか?

企業でOJTが行われる場合、これらを組み合わせて用いていると思われる。そのウエイトは、仕事の特性や会社の風土によって異なるだろう。ただ、教えないアプローチをとる場合には条件がある。それは、

・手本となるロールモデルが側にいること
・ロールモデルの行動が見えること
・若手本人に学ぶ意欲があること

であろう。

伝統芸能や職人の世界で「技を盗め」といわれるのは、周りに優れた先輩がいて、彼らの行動をじっくりと観察することができる環境にあるからだ。

それに対して、今の企業における職場では、メールによるコミュニケーションが増えたため、先輩や上司の働きぶりが見えにくくなっている、という話を聞くことが多い。

手本となる先輩の活動が見えるように工夫することは、優れた実践コミュニティをつくりあげる上でも大切になる、と思った。


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自分で選ぶ、ということ

キャリアを積むときに「自分の好きなことをやるばかりでは伸びない。一見面白くな地道な仕事が大切だ。」という考え方が、日本の社会にはあるように思える。その通りなのだが、一方で、「自分で決める」ことも大事だ。

日産は、「会社の都合」と「本人の希望」を調査わせる制度を継続的に整備しているという。具体的には、次の3つだ。

・職種別採用
19の職種に分けて、新規卒業者を採用

・オープンエントリー制度
社内の各部署が人材を公募。毎年300人程度が応募して、約100人が異動する。

・シフトキャリア制度
FA制度のように、希望する部署を自分で指定して異動。昨年は35人が希望し、約半数が異動。

すべてが自分の計画通りにはいかない。偶然めぐりあった仕事がその人の潜在能力を引き出すこともある。好きな仕事ばかりした結果、人材としては伸びなかった、ということもあるだろう。

しかし、「これをやりたい」という強い意志を持って「自分で選ぶこと」は、人間が成長する上で大切なことだと思った。

出所:日経ビジネス2008.6.9「日産自動車:3年で辞めない会社づくり」
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小テスト

昨日の経営学原理は、小テスト。目的は、理論を正確に記憶してもらうことにある。覚えていないものは使えないからだ。

学生は、白紙のA3用紙を渡され、次の理論を図で説明する(持ち込み不可)。事例も書き込むと最大20点の追加点が与えられる。ちなみに、70点未満の学生は単位が取れない。

戦略
・製品・市場マトリックス
・基本戦略パターン
・業界構造分析
・プロダクトポートフォリオ

組織
・組織の構成要素
・マズローの欲求階層説
・期待理論
・組織変革の方法
・組織構造の変遷

マーケティング
・競争地位別戦略
・製品ライフサイクル
・マーケティングミックス

会計
・貸借対照表
・損益計算書


驚いたことは、340名の履修者のうち、欠席者が3名だったこと。今年の学生は気合が入っているな、と思った。ちなみに、約8割が100点以上で、70点以下は2名だけ。点数は毎年こんな感じである。

来週からは、実例やケースを用いた問題解決の演習に入る。
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小さく生んで大きく育てる

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を用いて、ネットコミュニティを展開する企業が増えているという。その中でも、社員の8割がSNSを活用しているのがNTTデータ。成功の秘訣は次の2点だ。

・中核グループを組織横断型にし、組織の壁を破る工夫をしたこと
・百人程度の小さなグループを形成して、そこから広げたこと

要は、組織を超えて、熱意と関心を共有するコミュニティを中核にそえることが鍵となるということだろう。SNSに限らず、実践コミュニティを社内に広める上で大切なポイントだと思った。

有用な情報や事例がやり取りされると、業務に役立つ知識の蓄積と共有の場となり、ナレッジ・システムとしても機能するようになる。

ネット上のコミュニティと現場のコミュニティがリンクするようになると、より実効性の高いコミュニティが形成されるだろう。

出所:日経産業新聞2008.6.12
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